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制御基板とI/Oボードの製作、テスト、および筐体の製作
このシリーズの パート1で、Lyra-8シンセサイザーについて少し背景を説明し、部品を調達し、メイン基板を組み立てる方法を詳しく説明した。今回は残る2つのPCB、つまりすべてのノブとスイッチを備えた制御基板とすべての入力と出力を備えた小型のI/Oボードに取り組み、完成させる。
制御基板のPCBは、表面実装(SMD)の基板であるにも関わらず、スルーホール実装の部品を取り付ける。このような設計になった理由はわからないが、フロントパネルと完全に同一平面に取り付けられるようにしたり、異なるタイプのポテンショメータを使用できるようにしたりするために、このような設計になっているのではないかと私は考えた。
制御基板のはんだ付け
基板の設計上、各スイッチとポテンショメータをコネクタにはんだ付けする短い針金が必要となった。
試行錯誤を繰り返した結果、PCBから離して、コンポーネントを手元のStanleyの万力(バイス) (667-7189) に保持するのが最善であると判断した。
ポテンショメータやスイッチを適切なナットで基板に取り付け、動かないようにしっかりと固定した。このとき、後でナットを外してフロントパネルに取り付けるのが困難になるほどきつくしめないように気を付けた。次にワイヤーを曲げて正しいパッドに接触させ、はんだ付けを行った。必要な針金はメイン基板の製作の際に生じた部品の足を用いた。
一部のポテンショメータでは、針金の代わりに300Ω (014-8376) の抵抗を必要となった。
スイッチにはMTS-202、203、102、103というラベルが付いており、次のように考えた。
- MTS-202 – DPDT on-on
- MTS-203 – DPDT on-off-on
- MTS-102 – SPDT on-on
- MTS-103 – SPDT on-off-on
スイッチの足をはんだ付けするときは、足がスイッチの金属ケースに接触してショートしないように注意した。絶縁電線を使用することも考えたが、被覆が溶ける可能性を考え、絶縁電線を使用せずにはんだ付けを行った。
電解コンデンサー、2つのLED、ダイオードをはんだ付けする際は、極性に注意した。
制御基板は、12芯2.54mmピッチのリボンケーブル8本を介してメイン基板に接続する。両端にメスコネクタが付いた40芯ジャンパーワイヤリボンケーブルがあったのでこれを分割し、コネクタの一端を切り取り、各ワイヤーを剥がして錫メッキして、基板に接続できるようにした。それらを所定の位置にはんだ付けした後、オーディオ出力、ヘッドフォン、電源、および制御電圧用のソケットのはんだ付けに移った。
完成した Lyra-8 のテスト
3枚の基板が完成したら、メイン基板と制御基板を分離し、天板を固定して保護するためのプラスチックワッシャーを追加して、3枚をつなぎ合わせた。
リボンケーブルをすべて接続し、Lyra-8の電源を入れ、ラベルの付いたテストポイントで電圧のテストを行った。嬉しいことに計算したすべての値が正しく、アンプにつないでゆっくりボリュームを上げると音が聞こえた。
これで完成かどうかの判断をつけるのが少し難しいので、私はマニュアルの「Mastering the instrument」というセクションを通読した。私はここでホールドがきかないという問題点を見つけ、ポテンショメータのすべてのはんだ付けをチェックしたが、原因となるものを見つけることができなかった。Somaに連絡すると、彼らはデバッグのサポートはしないと言ったものの、彼らは非常に親身に対応してくれた。すべてのBC547トランジスタが正しくはんだ付けされていることを確認したが問題は見つけられない。少し行き詰まったので、筐体を製作した後、問題に対処することにした。
筐体の製作
ケースのデザインは比較的シンプルにレーザーカットされた2つのパネルと曲げたアクリルを使用することに決めた。Inkscapeを使用し、Somaウェブサイト上の.dxfファイルに基づいて、パネルを設計した。制御基板はエッチングをし、溝を蝋で埋めて、白い文字が浮かぶようにした。白い文字が赤い背景上で最も読みやすいと考え、赤いパネルを選んだ。
レーザーカッターを使用する目的でワークショップに行くように手配した。2か月間自宅で仕事をしていたため、約9週間ぶりの外出となった。
はじめにMDFで試作品をカットして、スイッチ、ノブ、ソケットのすべての穴が並んでいることを確認した。上部パネルを切り、上部と下部を90度曲げて、ケースの前面と背面を形成した。
次に文字を浮かび上がらせるために溝を蝋で埋め、柔らかい布と鉱油で強くこすり、余分な部分を取り除いた。
下部は赤とのコントラストをよくするために、透明な灰色のアクリルを用いた。
その次にナットやつまみを外してパネルと基板の結合を行い、固定した。固定した後、各接続が切断されていないことを確認した。
制御基板の穴を通して、4x 30mmメス/メススタンドオフをフロントパネルの内側に取り付けた。(BOMは25mmのスタンドオフを規定しているが、私は少し長めのスタンドオフを使用してスペースを確保することに決め、これを考慮してあらかじめケースを少し深くした)。
そしてケースの底にねじ込む4x 35mmオス/メススタンドオフを使用して、メイン基板を取り付けた。
最後に、コネクタPCBを背面パネルに取り付けた。オン/オフボタンに素敵な赤い単極単投(SPST)ラッチ押しボタンスイッチ (498-0809) を使用し、標準の2.5mmパネルマウントDC電源ソケット (048-7842) と合わせてはんだ付けを行った。
唯一の問題点であるホールドの修正
筐体が完成したところで、ホールド制御の問題解決に移った。ホールドポテンショメータは、音声を鳴らしながら「ドローン」の音量を調整する必要がある。Lyra-8には、ホールド機能を制御するための電圧用の入力がある。それを使用することでホールドが機能しているかわかると考え、ホールドノブにケーブルを差し込むと、すぐにケーブルが他に接続されていない状態でホールドが機能し始めた。この時、スイッチジャックソケットが問題であることに気づくことができた。スイッチジャックソケットが何も接続されていないときにソケットの先端を切断していたために機能していなかったのだ。これに気付いてソケットを非スイッチソケット (913-1037) に交換したところ、すべて正常に動作した。
完成した Lyra-8 について
製作したシンセサイザーのサウンドは素晴らしく、加えてかなり格好よく仕上がった。仕上げにDesignSparkのステッカーを貼った。部品数やはんだ付けの作業が多かった割に問題は1つしか発生せず、その問題も解決することができた。
ケースは少し改良を加えるかもしれない。また木工は得意ではないが木製で筐体を製作してもう少し重く、強くすることも検討している。
ヘッドフォン出力は少しうるさいが、それはLyra-8の「特長」のようだ。2つのLEDの抵抗をより高い抵抗のLEDに交換することで改善される可能性があるが、しかしLEDの輝度に影響する。Somaのアドバイスは、「まずLEDを取り外し、ノイズが軽減されるかどうかを確認する。もしそうなら、LEDからグランドに行く電流制限抵抗の値を増やし、値の2倍から始めて、そこから交換作業を行う。実験的にノイズとLEDの明るさのバランスを見つけることができ、その抵抗のアース脚から直接ワイヤーを電源ジャックのアースにつなげることもできる。」問題が発生した場合は試してみるかもしれないが、ヘッドフォンを外で使用することはそう多くないだろう。