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CEマークは製品が安全に関するヨーロッパの法規制上の必須条件に準拠していることを示すものだ。皆さんも、ビールジョッキから子供用のおもちゃまで、あらゆる製品にCEマークが貼られているのを見たことがあるだろう。同じ制度が産業機械の分野にも導入され、安全が確保されているのだ。
準拠するための具体的な条件が、該当する製品の標準として適用される。こうした実際にコンプライアンス制度としてのCEマークの運用は1993年に始まったのだ。CEマークがなければ、ヨーロッパで製品を輸出、販売することは法的に禁止されている。そのため、イギリスはEU (欧州連合)またはEC (欧州共同体)の一員として、30年以上その制度に参加してきた。
ところが、ご存知の通りイギリスは国民投票の結果EUを脱退することを決定し、Brexit (ブレグジット)として知られる“プロセス”を開始することになった。Brexitでは、2019年3月までに結論を出すことになっており、その時までにBrexitが終わった後の製品の安全管理方法について決定する必要がある 。
Brexitにより以下のような憶測を呼んだのは当たり前だろう
- イギリスはCEマーク制度にとどまる道を探すのか?
- コンプライアンス制度は世界のほとんどの地域が何らかの形で実施しているが、イギリスは独自の制度を構築するのか?
イギリスがCEマーク制度から脱退することによって、EUの各国との取引プロセスが煩雑になる可能性がある。しかし一方では、イギリス 国内での取引に関する規制が一部取り払われる可能性もあるというのだ。 CEというイニシャルの元となったフランス語は、「Communauté Européene(欧州共同体)」ではなく、「Conformité Européene(欧州の法規に適合している)」であるという事実に、多くの人々は気付いていないようだ。「C」はCommunity(共同体)ではなく、Conformity(適合)の省略形なのだ。事実、EUに加盟していないアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーの3か国はCEマーク制度に参加している。この3か国はEEA (European Economic Area)の加盟国であるため、「単一市場」に参加することができるのだ。また、スイスやトルコといった国では、一部の製品タイプのみCEマーク制度に参加している。
イギリスが単一市場にとどまる場合、CEマーク制度への継続参加は義務付けられるのだろうか?また、イギリスが単一市場にとどまる可能性は高いのだろうか?そうしなかった場合には、CEマーク制度のメンバーとして残ることを選択するのだろうか?
今の時点では、これらの疑問に対する明確な答えは出ていないものの、いくつかそのヒントは得られている。2017年2月に発行されたイギリス政府の白書であるGovernment White Paper (Cm 9417)には、BSI (British Standards Institution)が、Brexit後も引き続き関連する安全機関にメンバーとして参加すること、また、イギリスが「世界標準の開発を推進する上で今後も主導的な役割を果たす」旨の記述があるのだ。
さらに一歩踏み込んだ見方として、すでに実績のある製品安全制度の撤廃にわざわざ着手する必要はない、という考え方もある。Brexitにおいてイギリス政府が対応するべきことはそれ以外にも十分すぎるほどある、といったコメントだ。
私たちは誰も未来を予測することはできず、事が起きるのを待つしかないのだ。1つだけ確実なのは、2019年3月までは何も変わらず、現行のすべての法規制がそのまま適用されるということだけだ。
あなたはこの件についてどう思うだろうか?何が起きる、あるいは何が起きるべきだと思っているだろうか?また、もしあなたが製品の設計、輸出、販売に携わっている場合、CEマーク制度上の義務についてはっきりと理解しているだろうか?
そうしたニュースを逃さないためにも、機器の安全確保のページを定期的に確認してほしい。アールエスコンポーネンツは、まもなくDesignSparkを通じてすばらしい新ツールをコミュニティに提供する予定だ。きっとあなたの製品の生産が新しい標準に準拠するのをサポートすることができるはずだ 。