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先日、DesignSparkが新たに提供するIoTデータプラットフォームである「DesignSpark IoT クラウド」がリリースされた。これに伴い、様々な大気の情報を収集するのに役立つDesignSpark IoTキットの発売が開始する。今回運よく先行的にこのキットを入手することができた。本記事ではこのキットを例にDesignSpark IoTクラウドの利用方法について紹介しよう。
DesignSpark IoTクラウド
DesignSpark IoTクラウドはAllThingsTalkをベースとしたIoTデータ収集プラットフォームだ。
https://designspark.allthingstalk.com/
IoTのデータを収集できるサービスにはThingSpeakを始め様々なものがあるが、DesignSpark IoTクラウドの特徴は「情報のシェア」だ。例えば世界各地の大気の情報を収集し、それらを可視化することで世界全体の大気や、自分が住んでいる地域の大気の情報を比較し、知ることができるのだ。メイカーたちがそれぞれ同じ目的をもったコミュニティを作成し、そこで様々なデータの共有の実現をサポートする。
それではこのDesignSpark IoTクラウドでどんなことができるのか紹介しよう。
まずDesignSpark IoTクラウド上のコミュニティのPinboardでは世界各地のユーザーが登録しているセンサの情報をマップに見ることができる。
現在は数が少ないが、このように各地のデバイスを見ることができる。ここで、日本のピンを選択してみよう。
このように現在、もしくは最新の各端末の状態を確認し、その端末の過去のデータを様々な形で見ることができる。さらに、複数のデータの組み合わせや、表示する範囲や間隔のカスタマイズ、データのCSV形式での出力にも対応している。次にいくつかその例を紹介しよう。
温度センサの値を棒グラフで表示した例
朝6時にかけて温度が低下し、その後上昇している。日の出の時間の推測などができるだろう。
湿度、二酸化窒素、温度を同時に表示した例
メタン、ブタン、プロパンを同時に表示した例
また、このように大気のガスの記録も見ることができる。関係するグラフを同時にプロットして表示することで、現在そこで何が起きているのか、こうした実際の測定データをもとに調査することができる。
今回、これらのデータはこれから説明するIoTキットを利用して収集している。
DesignSpark IoTキット
DesignSpark IoTキットはDesignSpark IoTクラウドを試してもらう最適のセットになっている。
まだこの記事を執筆時には発売が開始されていないが、先行的に入手することができたので紹介しよう。
キットには以下が含まれている。
- MCU ボード: Seeed Wio
- Grove マルチチャネル Gas Sensor
- Grove 気温&湿度センサ Pro
- マイクロUSBケーブル
これらのセンサを利用すると以下の情報収集が可能になる。
- 気温
- 湿度
- 一酸化炭素 (CO)
- 二酸化窒素 (NO2)
- アンモニア (NH3)
- メタン (CH4)、ブタン(C4H10)、プロパン (C3H8)
- エタノール (C2H5OH)
- 水素 (H2)
これらを組み合わせ、完成する全体の仕組みのイメージは以下のような感じだ。
「Grove」という規格でWio Linkボードに接続した各センサから様々な大気の情報を収集し、WiFiを通してインターネットへと送信される。なお、MQTTというプロトコルが利用されている。
Groveコネクタについて
今回利用する各種センサは「Grove」というコネクタの規格になっている。簡単にセンサなどを繋げることができ、様々なプロトタイピングが可能にしてくれる優れものだ。
Raspberry PiにはGroveのコネクタはないが、GPIOピンをGroveが利用できる形に変換してくれるボードも存在している。
詳しくは以下のSeeedのwebサイトをチェックしてほしい。
http://wiki.seeedstudio.com/Grove_System/
次へ
今回は、新たにリリースされたDesignSpark IoTクラウドでいったい何ができるのか、またそのキットについて紹介した。
DesignSpark IoTクラウドに登録すれば、世界各地のデバイスの情報を見ることができる。さらにIoTキットを利用すれば、例えばオフィスのガスセンサの値から、社員が感じているストレスや、午後の眠けの原因が特定でき、その解決策も見つかるかもしれない。また近年は中国の大気汚染問題も顕著になっている。他国や地域との比較を行うなど、こうしたビッグデータ分析の足掛けになるはずだ。
さらに、災害時や被害予測など目的で、各地方のメイカーたちが協力して水位や水量センサなどを設置し、情報を共有することも可能だ。こうしたメイカーたちをデバイスベースでつなげてくれるのもDesignSpark IoTクラウドなら実現することができる。その使い方は自由だ。
次のパート2では、このIoTキットの具体的な利用の手順について見ていこう。
必要な手順はすべてで7ステップだ。
- DesignSpark IoTクラウドのアカウントの登録とデバイスの追加
- Arduino IDEのインストール
- Arduino IDEへのWio Linkボード開発ライブラリの追加
- Wio Linkボードのドライバの確認
- DesignSpark IoTキットのライブラリインストール
- Wio Linkボードへのデータ収集を行うプログラムの書き込み
- 情報を共有するためコミュニティへ登録