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DesignSpark Mechanicalを使って3Dプリント

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Raspberry Piカメラホルダーをラピッドプロトタイピングしてみる

近年、3Dプリントはこれまでになく身近なものとなり、机の上に置けるモデルは、世界中の学校やハッカースペース、職場や家庭などで利用されています。もちろん、3Dプリンタを使える状態にあるというのは、実際にモノをプリントする最初のステップにすぎず、3次元のパーツ設計ができることも必要とされます。

この記事では、RSの機能豊富な無料のソフトウェアパッケージであるDesignSpark Mechanicalを利用して、Raspberry Piカメラモジュールのホルダーを設計し、整備したUltimaker 2 (918-8695) でプリントします。

はじめに

こちらからDesignSpark Mechanical (DSM)をインストールしてください。インストールしたら、ソフトウェアの使い方を学ぶ必要がありますが、ビデオチュートリアルヘルプセンターオンラインヘルプなども用意されています。

3Dモデリングは初めは取っつきにくいかもしれませんが、ツールやテクニックについて練習をしてわかりだすと、いかに簡単にプロのような仕上がりとなるか、あなた自身が驚くことになるでしょう。

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ゼロから新たな物体を生み出すより、存在している物体からモデリングし始めるのが良いでしょう。机の上に、Raspberry Piカメラがあったので、それを計測して、簡単なモデルをDSM上で作成することにしました。これは、いくつかの点で良い実践だといえます。詳細の載った完全な図面のないパーツを作り出すことで、どのように配置するか、ほかのパーツをどのようにモデリングするかといった際に役立ちます。

最初の設計

title先ほどのカメラモジュールのモデルを使って、シンプルなL字型マウントブランケットの設計をはじめました。まず、Piカメラモジュールより少し大きな長方形を描き、プルツールで、ソリッドを作成します。

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カメラモジュールのモデルを使い、組合せツールでその部分をくり抜きました。マウントのための穴だった形状などが作成されるので、その後の設計は簡単になります。

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例えば、穴の部分は円柱として残り、これはボードを固定しておく突起として利用できます。プルツールを使えば、長さを伸ばすこともできます。カメラモジュールを固定するマウントプレート部分が完成し、続いて、それとは垂直の新しいソリッドを追加しました。これを組合せツールを使い、今度は切り込むのではなくプレートをくっつけるのに利用しました。

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3Dプリントに適したフォーマットとして、モデルを出力するのは簡単です。ツールバーの[エクスポートオプション]ボタンを押して、表示される[3D印刷(*.STL)]オプションを選択するだけです。出力されたファイルは、3Dプリント出力を行う会社に送ることもできますし、DIYでプリントする場合は、今回の場合のUltimaker Curaのようなソフトウェアから開くこともできます。

スクリーンからマシンへ

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 Curaでは、3Dモデルを取り込み、3Dプリンタのための命令やGコードに変換します。これは、Ultimakerの3Dプリンタ製品群だけではなく、例えばRepRapやPrusaなどのプリンタでも利用することができます。より詳細な互換性のあるプリンタのリストは、こちらをご覧ください。

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Curaのシンプルモードでは、シンプルな操作ですぐにプリントができるようになっており、初心者や通常のユーザに適しています。ただし、設計ファイルをGコードに変換する場合に、異なるパラメータの設定を確認して、必要に応じて変更するにはアドバンスドツールバーを選ぶことをお勧めします。 

お手持ちのプリンタを最大限に活用する情報はインターネットにたくさんあり、そのうち一般的に3Dプリンタに適用可能な情報もあれば、使っている機種に特有の情報もあります。より詳しいチュートリアルやガイドのほか、Ultimakerは活発なフォーラムを持っており、多くのユーザがアドバイスや経験を共有し、新しく3Dプリンタを使う際にはとても価値あるものとなっています。

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考えなければいけないことの一つが、モデルの方向です。Curaにデータをロードする際、仮想的なプリントエリアが表示されます。Gコードに出力する前に、一息おいて、どのようにパーツがプリントされるか、印刷にもっとも適した向きがないかを考えてみましょう。例えば、モデルの向きを上の図のように選び、パーツのオーバーハング(せり出している部分)を最小化しようとすると、うまくプリントするのが難しくなってしまいます。

これは最初の設計なので、”Low Quality(低品質)”のプロファイルを選んで、早めにプリントできるようにしました。SDカードをコンピュータに入れ、[Save to removable drive(外部ドライブに保存)]ボタンを選択するだけで、ファイルを保存できます。

パーツをプリントする

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Ultimaker 2によるプリントは、マシンコントロールメニューにあるスクロールホイールを操作し、プリントするファイルを選び、ジョブを介するだけなので、すぐ簡単にできます。再びになりますが、この記事の範囲を超える3Dプリントのテクニックなどはオンラインの情報や議論が多数存在するので、探してみてください。

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印刷が終了したら、プリントベッドからモデルを外し、余分なバリやフィラメントを取り除き、カメラモジュールがどれくらいうまく嵌るか試してみました。結果は少し残念で、ボードとの隙間が小さすぎ、マウントのための突起も太く短かったので、マウント穴にうまく嵌りませんでした。ここで、学んだ教訓として、

  • PLA フィラメントは冷えると若干収縮するため、設計時のサイズからプリントされたパーツのサイズは変動してしまう

  • シンプル設定による高速なプリント設定は、スクリーン上での表示されるモデルそのままが出力されるわけではない。

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上で述べたことを考慮すると、マウントのための突起を細めにして長くしたり、カメラボード取り付けのための余裕を大きくしたりして、設計に少し改良を加えました。さらに、ブラケットには、取り付けのための穴を作成し、カメラモジュールを保護するカバーとなる2詰めのパーツを設計しました。

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同時に複数のオブジェクトを印刷する際には、ベース部分の開始位置の高さを調節して、それぞれのパーツがベッドからうまく上方に印刷できるかを確認してください。これをしておかないと、パーツがプリントベッドから浮いてしまい、フラグメントがきちんとベッドにくっ付いていないので良い結果が得られません。上の写真は、プリントベッドから、数mm話して、印刷したときに初めのレイヤーがどうなるかを撮影したものです。

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この問題が解決し、これは2度目の結果なので1度目より良くなりましたが、まだいくらか問題が残っていました。フラグメントは押し出された位置にはとどまらず、穴や突起が変形してしまうという最大の問題があり、まだ思った通りにはカメラモジュールが嵌っていません。

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この問題に対処するため、違った向きにパーツを印刷することも可能でしたが、パーツのほかの部分に今度は影響を及ぼしてしまうと危惧しました。その代わり、パーツのサイズを調整し、必要な大きさよりも穴を大きくし、突起は細くすることにしました。また、プリントの品質を向上させるため、出力スピードを落としました。

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これら変更を加えて、3度目の印刷を行いました。このようなラピッドプロトタイピングのプロセスは、実際の機械を使うことのできる利点の一つでしょう。3Dプリント会社に設計を送信して数日から数週間後に結果を目にするのに比べ、パーツを設計し、テストプリントジョブを実行し、変更を加え、またプリントをするというのを数分から数時間で繰り返すことができます。

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今回は、きちんとカメラモジュールが突起にはまり、カバーを上部に取り付けることができました。いくらかのパーツの設計は難しかったですが、思い通りに機能するものができ、垂直にカメラを取り付けることができるようになりました。

まとめ

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3Dプリントのための設計は複雑ではないとは言えませんが、たくさんの実験による学びを得ることができます。設計したモデルを出力することで、トライ&エラーを通して、何がうまくいき、何がうまくいかないのかという理解を深めることができます。

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DesignSpark Mechanicalは驚くほどパワフルなCADソフトで、既存の4万点のRS製品の3Dモデルを探して、設計に利用することができます。

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助けになるリソースがたくさんあり、経験豊富な人々のコミュニティがあるため、3Dプリントを始めることは比較的簡単です。フリーのソフトウェアとよくある3Dプリンタを使って、新しいものをラピッドプロトタイピングする機会はこれまで以上に増えています。