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サーマルインターフェイスイス材料(TIM)とは
基地局やサーバや車載機器など大電力を必要とする様々な回路において、直流・交流変換回路やモータ駆動回路に使われる複数の半導体を1つのパッケージに実装したパワーモジュールが利用されています。
これらのパワーモジュールは発熱量が大きい為、ヒートシンクなどに熱を逃がして冷ます必要が有ります。しかしながら、パワーモジュールやヒートシンクの表面には凸凹があるため、そのまま接合するとわずかながら隙間が生じます。その隙間は熱を通しにくく、そのため熱を通しやすい材料(TIM:サーマルインターフェイス材料)で埋める必要があります。
TIMとしてはサーマルグリスを使うこともありますが、サーマルグリスにはいくつか課題があります。(ちなみにサーマルグリスは隙間にしみこみやすいオイルと、熱を伝えやすいフィラーを混ぜ合わせて作ります。フィラーは金属等をパウダー状にしたものです。)
サーマルインターフェイス材料(TIM)の課題
①均一に塗ることが難しい
薄く均等に塗らないと、気泡が入り性能が劣化します。そのため塗布には専用の治具や設備が必要です。
②熱により劣化する
熱によりオイルが蒸発したり、オイルとフィラーが分離したりします。それにより性能が劣化(ドライアウト)します。
③長時間の利用で劣化する
高温状態と低温状態をくり返すことにより、次第にサーマルグリスが押し出される現象(ポンプアウト)が発生します。
④結果として高コスト
サーマルグリスの塗布には専用の治具や設備が必要なうえ、グリスを使った機器の定期的なメンテナンスが必要です。
これらのことから、サーマルグリス自体は安いにもかかわらず、維持費を含めたトータルコストが高くつきます。
これら課題を解決するTIMとして「熱伝導シート」が注目されています。熱伝導シートの種類としてはシリコンシート、エラストマーシート、グラファイトシートなどがあります。その中でもグラファイトは熱伝導率が高い優れた材料であることから、パナソニックではグラファイトを使った当社オリジナルの熱伝導シートであるGraphiteTIMをお勧めしています。非常に軟らかくて隙間を埋める能力が高いため、パワーモジュールからヒートシンクへ良く熱を伝えます。
サーマルインターフェイス素材(TIM)の課題がGraphiteTIMでどう解決されるかをビデオで確認しましょう。
サーマルグリスの替わりにGraphiteTIMを用いる5つのメリット
① 使い方が簡単
② 安定してよく冷やせる
③ 400℃を超える耐熱性、熱による劣化なし
④ 半永久的に使用可能
⑤ 置くだけ簡単インストール、メンテナンスが簡素化
GraphiteTIMのメリットをより詳しく知りたい方はこちらのページをご参照ください。
図 1 GraphiteTIMの使い方
サーマルグリスとGraphiteTIMの性能比較
使い易さやコストが安いことは説明しましたが、肝心の熱を伝える性能はどうでしょうか?熱の伝わり方は熱抵抗値(K・cm^2/W)で表します。これは面積1(cm^2)に発熱量1(W)で加熱された時に生じる温度差(K)を表す数値ですので、小さいほどスムーズに熱を伝える良いTIMと言えます。
GraphiteTIMはネジで固定するなどして、十分な圧力が加わるようにしてお使いください。そうすることでパワーモジュールやヒートシンクと良く密着させることができるため、熱抵抗が小さくなります。例えば、図2に示すように600(kPa)の圧力を加えることで熱抵抗が0.2(K・cm^2/W)になります。これは、塗布厚み100(um)のサーマルグリスの熱抵抗(図2の点線)より小さい値です。つまり、サーマルグリスと同等以上の性能を発揮します。
図2 圧力による熱抵抗の変化
※実線はGraphiteTIM測定値、点線はサーマルグリス理論値(厚み100um仮定)
GraphiteTIMシリーズ紹介
GraphiteTIMはパワーモジュールの形に合わせてカットや穴あけをして使いますが、その手間を省いて簡単に使えるものも用意しております。豊富なサイズ、取り付け穴に対応して取り揃えているため、各社のパワーモジュールに合わせてご選択いただけます。また、主要各社のパワーモジュールのモジュール品番やシリーズ名を入力すると、最適なGraphite TIMを表示する検索ツールも準備しておりますので、ぜひご活用ください。
Graphite TIMの詳しい説明は商品紹介ページをご参照ください。
GraphiteTIM検索ツールもご用意しております。
また、熱対策について全般的にしりたい方は、こちらの資料(熱対策の基礎知識)もご参照ください。
いかがでしたでしょうか、皆さまの熱対策にお役に立てれば幸いです。