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プリント基板製造業界では基板への部品実装に「ピック&プレース(Pick and Place)」装置と呼ばれる自動化システムを使っています。この装置を使い、ただしく実装を行うためにはプリント基板上の部品の正しい位置と方向を示す正確な位置レポートファイルが必要です。
DSPCBやDSPCB Proでも、そういったファイルを生成することができます。ファイルを生成するには、PCB編集画面のメニューバーからOutput > Reportsを選択し、表示された利用可能なレポートのリストから適切なものを選択します。
以下では実際にDSPCBを用いて説明しています(Proでも動作は同じです)。
Component Positions CSVを選択し<Run(実行)>すると必要なCSVファイルが生成され、このファイルに関連するプログラムまたはアプリケーション(表計算ソフトなど)でファイルが開かれます。またプロジェクトフォルダ内にこのCSVファイルが保存されます。
すべてのコンポーネントの位置は「System Origin」を基準としており通常はプリント基板の左下隅に設定されています。
注意:「Component Positions(コンポーネントの位置情報)」は手動でコンポーネントの位置や識別を行うためにテキストファイルを生成します。またProではドキュメントを生成できますがレポート内でコンポーネントを選択するとPCBデザイン上でハイライトされるようなライブリンクが生成されます。
DSPCBレポートの詳細
ここからは上記で説明したレポートの詳細を説明していきます。DSPCBおよびProの場合、レポートの「Component Positions CSV」を選択して実行をクリックすると現在設定されているコンフィグフォーマットが生成されます。
このピック&プレースファイルに関してはピック&プレースファイルの生成方法についてにも紹介していますので参照してみてください。
生成されるレポートファイルは他のオプションで設定することもできます。
構成を編集する
デザインを行う際に基準を変更する必要があります。それはなぜでしょうか?
主な理由はプロットされるX、Y座標の基準に関するもので、デザインによりそれが変わってしまうためです。以下にデザインにより変更されてしまうポイントをまとめました:
- Position X、Position Yを使う場合:これは「シンボルの原点(symbol origin)」を使用しています。通常部品の1ピンの場所ですがライブラリ作成時にユーザーが好きな場所に配置することができます。
- PLACE X、PLACE Yを使う場合:「配置の原点(placement origin)」 が作成されている場合はそれを使用し作成されていない場合はバウンディングボックスの中心を使用します。
これによりユーザーはバウンディングボックスの中心を上書きすることができますが非対称なコンポーネントには不適切な場合があります。 - CENTER X、CENTER Yを使う場合:コンポーネントに定義されている「配置原点(placement origin)」を無視してバウンディングボックスの中心を使用します。
補足: 初期設定ではセンターX、YはほとんどのSMD(表面実装用の部品)に適していますが簡単に変更することができます。
上記のようにデザインに応じて位置の基準を適切に設定しなければなりません。次の例では配置(PLACE)X、Yを有効に設定します。この設定は一度編集すると保存され次回からは実行するだけで大丈夫になります。
実際にやってみる
上の図からレポートファイルを選択して<Edit>をクリックすると新しいウインドウが開きます。
コンポーネントリスト(Component List)を選択し<Edit>をクリックします。
ここでは「コンポーネントリスト」の設定を示しており、現在はセンターXとセンターYの設定となっています。
まずセンターXを変更するためにセンターXを選択し<Edit>をクリックします。
新しいウインドウではプルダウンリストから別のフィールド値を選択することができます。ここではPlace Xを選択し<OK>をクリックします。
これでエントリーは更新されました。それに続き今度は見出しテキストの「キャプション」を更新します。下図の様に入力して<OK>をクリックします。
CenterYも同じように上記の手順を踏んでPlaceYに更新したら<OK>をクリックします。
この新しい設定を保存する前に「Test」ボタンを押して正しく設定されているかを確認してください(下図の様に)。もし間違いがあれば上記の手順を最初からやり直してください。
間違いがなく何も異常がなければ保存します。これで次に必要になった時にすぐに実行できるようになりました。
注意:ポジションレポートを実行する前に必ずsystem originを設定してください。
まとめ
今回は位置の基準やピック&プレースファイルの生成に関連する紹介でしたが基本的にデザインにより基準は変更するものの頻繁に基準を変える必要性はありません。しかしながらデザインの柔軟性を高める一つの要素なのでぜひ一度設定を編集して使ってみてください。