ROCK 4C+はRaspberryPi 4Bと互換性をもったボードです。過去の記事（ROCKシリーズを使ってみる(2)- ROCK 4C+を選ぶメリット）では、サイズやコネクタ位置がほぼ同じことから、RaspberryPiケースがほぼそのままROCK 4C+で流用することができました。今回は、Raspberry Pi 用を謳う7インチタッチディスプレイがROCK 4C+で使えるかどうか検証してみたいと思います。

使用したタッチディスプレイ

今回使用したタッチディスプレイは「Raspberry Pi 5 7 Inch Touch Screen IPS 1024x600 HD LCD HDMI-compatible Display for RPI 4B 3B+ OPI 5 AIDA64 PC Secondary Screen」です。

こちらはMIPIではなく、HDMIで接続するタイプです。裏面は以下の画像の通りで、真ん中にRaspberryPiをネジで固定してHDMIと、タッチ用のUSBを接続する専用アダプタを横から差し込みます。

組み立て

マニュアルは以下のサイトにあります。

7inch HDMI Display (H) - LCD wiki

しかし、マニュアル通り素直に組み立てると、後半のコネクタが嵌まりません。これはROCK 4C+だからというわけではなく、RaspberryPiでもマニュアル通りに進めるとコネクタを嵌めるのに苦労したので、タッチディスプレイ側の設計の問題と思われます。

組み立て時のポイントは

• RaspberryPiよりもROCK 4C+は基板に少々厚みがある点を考慮する
• 公差があまりないので、ネジを締めるのはコネクタを嵌めてからにする

の2点です。

基板の厚さの差異

ROCK 4C+はRaspberryPi 4Bと比べると、わずかですが0.39mmほどROCK 4C+に厚みがあります。（ROCKシリーズを使ってみる(2)- ROCK 4C+を選ぶメリット）

タッチディスプレイ付属のスペーサーはRaspberryPiに合わせているため、付属のスペーサーを使うと基板の厚さの影響によりHDMIやUSBのコネクタの高さがほんのわずか合わず接続できません。

そこで、ここではMDF(2.5mm厚)をカットした自作スペーサーと、ワッシャーを2枚重ねて高さを合わせました。MDFとワッシャーを合わせた高さは3.47mmでした。固定用に使うネジは手元にあったものを使いました。

手順

以上を踏まえて、組み立てていきます。

1. スペーサー、ワッシャー、ROCK 4C+を置いて、軽くネジでずれない程度に止める。

2. タッチパネル用のUSBとHDMIを接続します。

タッチパネル用のUSB接続部分。

HDMIの接続部分。

3. 基板に負担がかからない範囲でネジを締めます。

しっかり固定しすぎると基板の一部にネジで圧力がかかってしまい故障しかねません。そうならない範囲で、かつ固定されるような良い塩梅を目指します。

4. 最後に、足を取り付けます。これで組み立ては完成です。

電源投入

タッチディスプレイの電源と、ROCK 4C+の電源を挿します。

タッチディスプレイの電源には5V/2Aが要求されています。microUSB-USBのケーブルはタッチディスプレイに付属されていますが、5V/2Aの電源は別途用意が必要です。

表示されました。

タッチからの操作も問題なく機能しています。結構良い感じです。

マニュアルにはRaspberryPi向けの設定ファイル（config.txt）を編集する手順も含まれていましたが、ここまでの操作の範囲では、そのような設定なしでも問題なく動作しました。

また、ディスプレイは表示されてもタッチが反応しなくなるという注意もマニュアルにあります。手元ではタッチディスプレイの電源がなくても問題なく動きましたが、おとなしくマニュアルに従うことにします。

ディスプレイの向きを変える

デスクトップ上の設定から向き(Rotation)を「Normal」「Right」「Left」「inverted」に変更できます。

「Left」にした時の様子。

まとめ

今回のタッチディスプレイは、そもそも本来の対象であるRaspberryPiでも組み立てが困難だったこともあり、組み立てには少し苦労しましたが、ROCK 4C+のために調整したのはスペーサーのみでした。

公差の少ない厳しいアクセサリでしたが、ROCK 4C+の互換性の高さが光る1例でした。

OKdoからもRaspberry PiタッチディスプレイをROCK 4C+で活用するための特集がありますので、ぜひご参考にしてみてください。

How to add a Raspberry Pi 7-inch display to ROCK Single Board Computers