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レンズ付きフィルムをIoTで遠隔撮影 『シン・写ルンです』

レンズ付きフィルムの魅力

デジタルカメラやスマートフォンの普及によって時代とともに消えつつあったレンズ付きフィルム。今や僅かな数のメーカーのみが製造を続けていますが、「エモい」写真が撮れるとされ、SNS上で若者の注目を集めています。

何気ない日常を収めたり、旅行先で皆で集合写真を撮ったり、美しい景色を残したり、...

しかし、レンズ付きフィルムは所詮使い捨て。必要最小限の機能が収められたシンプルな構成であり、タイマー機能なんかは備わっていません。これでは、欠員のいない完全な集合写真の撮影や、遠くからの自撮りが困難です。
そこで、私達はレンズ付きフィルムの機能を拡張する『シン・写ルンです』を開発しました(※)。(※本作品では「写ルンです」を使用しています。「写ルンです」は、富士フィルムが販売する「レンズ付きフィルム」の商標です。)
これによって、手元のスマートフォンから遠隔で撮影を行ったり、その際にプレビュー機能で自分の位置を簡単に確認することができます。

設計

本アプリケーションは、Raspberry Pi と Android アプリケーションを連携させて実現しています。屋外での撮影だと、Wi-Fi が利用出来ない可能性が高いことから、両者の接続には Bluetooth を採用しました。Bluetooth で接続されると、通信ソケットを介して、Raspberry Pi は Android 側からの要求に応じて動作します。Android アプリケーションの撮影ボタンを押すと、カメラに固定された撮影用サーボがシャッターを押します。また、プレビューボタンで、撮影用三脚に取り付けられた Web カメラの画像を表示します。これらのサーボ/Web カメラは、Raspberry Pi 本体に接続されています。

実装

Bluetooth 機能が使用可能な Android デバイスを想定しています。Bluetooth 接続待機状態の Raspberry Pi があるとき、Android アプリケーション側から Raspberry Pi のデバイスアドレスについて接続を試みることで、接続を確立した後、両者で共通の UUID を用いて通信用ソケットを開通します。これによって、Android 側は Raspberry Pi に適切な要求を Stream として送信することができるようになります。

今回、Raspberry Pi は撮影用とプレビュー画像用の要求を受け付けています。Raspberry Pi は前者を受け取ると、5秒のカウントダウンの後に、サーボを一定角度まで回転させてから元の位置まで戻すことで、シャッターを押すことができます。また、後者を受け取った場合は、Web カメラの画像を PNG 形式からバイト列に変換し、Stream として返します。

Android 側は、リクエストを送信した後に非同期処理による受信待機状態にしておくことで、動作を停止することなく返信を適切に受け取り、バイト列から Bitmap に変換して画面に表示します。今回、Raspberry Pi の動作はすべてバックグラウンド処理として実装されているため、動作制御用に別途の PC での操作を要しません。また Android アプリケーションとの接続が解除された場合には、Raspberry Pi は Bluetooth 接続待機状態に戻ります。

使い方

簡単に本アプリケーションの使い方を紹介します。起動すると、本アプリケーションの説明を見ることができます。その後の接続画面で、Raspberry Pi との接続を行います。

メインとなる撮影画面です。ここでは、『プレビューを見る』ボタンから Web カメラの画像を取得したり、『撮影する』ボタンで実際に写真を撮影することができます。『撮影する』ボタンを押すと以下のようにサーボが回転してフィルムカメラのシャッターボタンが押されます。

最後に

▲ 『シン・写ルンです』で撮影した写真

レンズ付きフィルムに遠隔撮影機能プレビュー機能を追加する『シン・写ルンです』を開発しました。遠隔撮影機能によって、手元のスマートフォンから集合写真の撮影や自撮りが簡単にできるようになりました。また、プレビュー機能によって、遠隔撮影の際に事前に写りを確認できるようになり、位置取りが楽になりました。

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