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プリント基板の外形線について(より高度な設計のために)

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はじめに

DesignSpark PCBのユーザーから、たまにこんな質問を頂きます。

「基板外形を示す緑の線(アウトライン)を拡大すると、この線に幅があるように見えます。この幅のどこが実際の基板の縁になるのでしょうか?」

この答えは「緑の線のセンターラインが基板の縁と定義されています(緑の線の内外の縁ではありません)」です。これは、おそらく大多数のユーザーにとって直感的に納得がいくとおもいます。

board outline

この記事では、そんな一般的なケースの話ではなく、基板外形条件のシビアな特殊な加工を行いたい場合や、製造メーカー毎の差異をなくしたいといった、より高度で精密な設計を行いたい場合に役立つ説明をしていきます。

外形線(アウトライン)の説明・設定

では、次に示すことを説明していきます:

基板の外形線はCAD上でどのようなスタイル(線幅)に設定すればよいのでしょうか?

実際に加工機で加工される際、基板の縁はどこになるのでしょうか?

まず前提として、発注希望先の業者に基板の外形線の幅に対してのどのような要件があるかを確認してください。

確認してみると多くの場合、ボードのアウトライン幅の中心に合わせて製造しているとの回答されると思います。しかし、以下に示すように必ずしも明確に記載されているわけではないので設計の精度に合わせて確認が必要です。

以下は発注ウエブサイト(見積サイトなど)からの代表的な抜粋です:

  • 基板の縁は、CADで定義された外形線(アウトライン)の中心で切り上げます。
  • 基板の外形はトレースの0.1ミリ以下の幅にしてください。こうすることで線のどの部分が基板の意図した端なのかが分かり曖昧さがなくなります。
  • 線の幅は小さくても0より大きいものであることをお勧めします。線の幅がどんなに大きくても基板のエッジはアウトライン線の中心に来るように加工します。

DesignSpark PCB(以下Proも同様)では使用するボードアウトライン(基板の外形線)のラインスタイルの中心にボードサイズを定義しています。デフォルトのラインスタイルである5 mil は、画面の視認性に優れ、設計に適しています。しかし製造上問題がある場合は製造者の特定の条件に合わせてこの線幅も変更することができます。

DesignSpark PCBはデザインルールチェック(DRC)の計算と、ベタのギャップにアウトラインの”幅”を使用します。

これはボードアウトラインの内周部分が計算に使用されることを意味しており、以下の画像のようにベタと外形のギャップはエラーではありません。board to copper gap

この差は基板製造時に加工公差を示すために使用されます。そのため製造する際の目安となり、重要なパラメータです。さらに、ガーバープロットを作成する前にメーカーの推奨線幅に縮小して使用することもできます。

下の図は基板のアウトラインの中心線が基板のエッジを示していますが、アウトラインをフライス加工する際にも加工公差があり、中心と青い点線その公差を示しています。

基板のサイズが非常に重要な場合は、まずメーカーにお問い合わせください。通常、基板の外形はアウトラインの中心線から標準で+/-8~10 mil、カスタムで+/-5 mil の範囲で加工されます。このような理由から、プリント基板の最終的なサイズを表示するためにボードアウトラインの線幅を16~20 mil に拡大することができます。しかし、ガーバープロットを作成する前に線幅をメーカーの推奨値(指定されている場合)まで縮小できることを確認してください。

ここまで何度も言及してきましたが、プリント基板製造メーカーがどのような基準、要領で製造するかは違いますので、設計前に必ずメーカーにお問い合わせください。

注意:画像のアウトラインの幅は問題点を説明するために通常よりも大きくしています。

board machining tolerances

 基板外形をGerberプロットに追加する方法についての記事で説明されているようにガーバープロットファイル内にボードアウトラインを含める方法は2つあります。*デフォルトの状態ではガーバーファイルを出力しても、基板のアウトラインを示すファイルは存在しません。

最もシンプルな方法は「top copper」のプロットに基板のアウトラインを追加する事です。

これでなぜ基板のアウトラインの内周がベタのギャップに使われるのかが理解できると思いますが、これは基板の外形周りに銅のトレースが設定されていることがあるからです。

この例では、ベタとアウトラインはDesign Technologyの「spacings」で定義された数値のギャップが設定されています(下図ハイライト)。

基板外形の加工公差と基板外形を考慮して、この間隔を少し大きめに設定するとよいでしょう。

spacings table

基板の端に銅のトレースがある事が気になる場合、上記記事の2番目の方法を使用してボードアウトラインのガーバープロットを作成します。これによりトレースの編集・削除ができます。

また、メーカーによっては加工前に銅層(copper layer)から基板の外形を取り除く場合もありますがこれもメーカーによって異なります。

結論

ここまで基板の外形線について詳しい説明をしてきましたが、いかがだったでしょうか?難しく感じるところもあると思いますが、この技術を理解し習得すれば精度の高いプリント基板を設計・製造することができます!

以下にポイントをまとめました!

1. DesignSpark PCB上の設定の前にプリント基板の製造方法についてはメーカーごとに要件やルールが異なりますので、必ず設計前にプリント基板製造メーカーのホームページや設計について確認・相談してください。

2. プリント基板の外形線(アウトライン)の幅は、メーカーが推奨する5ミル以下の物を選びましょう。これで大体の設計要件を満たすことができます。

3. 基板サイズをアウトライン線の中心や内周に合わせて加工することが重要かどうかを判断し、重要であればメーカーの仕様を確認して調整してください。

4. 最終的な基板サイズが重要な場合には、加工公差を考慮する必要があります。

5. 今回の説明は外形にシビアなとてもニッチなケースでの問題です。通常は他の設計要件を重視した方が良い場合が多いと思われます。

RS Components / Allied Electronics Support for DesignSpark PCB

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