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司会代行ツール「Meeting TimeKeeper」

0. デモ映像

1. 開発背景

予定時刻を過ぎているにもかかわらず、議論が盛り上がっている状況がよくある。盛り上がっている議論の流れで、適切なタイミングで声をかけて議論を中断することが難しい。このような状況では、時間を厳守することができなくなり、会議の進行やスケジュールに混乱が生じる可能性がある。こういう時、司会者が議論を止める必要があるが、躊躇ってしまう人も少なくない。このような課題に対処するために、議論を止めてくれるシステムの開発が求められた。

2. システム概要

アプリケーションの主機能は空気を読んで議論を中断させることである。

環境音を収音し議論の終了・停滞を自動で判定し、合成音声を再生することでこれを実現した。

pythonのsounddeviceライブラリを用いて周囲の音をリアルタイムで収音した。収音した音の音量をチェックし、議論中の沈黙時間を判断した。沈黙時間が約5秒以上続いた時にプログラムを終了しphpにその結果を返した。またphpからAndroidへモニタリングの終了を知らせた。

その後phpからVoiceCreateを実行し合成音声の再生を行う。合成音声の再生はpythonのpygameライブラリを用いて行った。アプリケーションの他機能である会議開始などの合成音声の再生も同様にVoiceCreateを用いて行った。

合成音声はpythonのgTTSライブラリを用いてmp3ファイルとして作成した。

また、YAMAHAユニファイドコミュニ ケーションスピーカーフォン YVC-330を収音の際のマイクや再生の際のスピーカーとして用いた。

3. 開発プロセス

今回の開発で最も重要視した部分で、仮説検証を繰り返し行うことで、アプリケーションのUXや実用性の向上を目指した。開発全体においては、実際の会議室を用いたデモを2回行った。

3.1 1回目のデモ

1度目のデモでは、会議室で行われる研究室のゼミで実施した。デモでは、本アプリのコアの部分である「議論の中断を自動で行うことによる心理的負担の軽減」「空気を読んで議論を中断することの有用性」を検証した。

1度目のデモで使用したアプリのUI

デモの結果、自動で機械音声が中断してくれることで、明らかに心理的負担が軽減されることが分かった。空気を読んで議論を中断することの有用性については、アプリの不具合で検証できなかったため、2度目のデモで検証した。

一方で、「UIが使いにくいことで議論のテンポが悪くなる」「ミーティングの一部分のみ機械音声を使用すると、人間の司会者が補足をする必要がある」という問題点が挙げられた。

これらの改善策として、「タイマーの入力部分を大きくする」「ミーティング全体の進行ができるようにすること」が考えられる。

3.2 2回目のデモ

2度目のデモでは、会議室で行ったアイスブレイクにて実施した。前回のデモで判明した課題点を踏まえてアプリを改善し、デモを行った。また、「空気を読んで議論を中断することの有用性」についても併せて検証した。

2度目のデモで使用したアプリのUI

デモの結果、タイマー部分やボタンが大きく表示されていることから使用感が良くなっていた。

また、セリフなどをすべて機械音声が発することで人間による介在がなくなり、スムーズな進行を実現できていた。

「空気を読んで議論を中断することの有用性」については、議論が停滞している(あるいは発言者が発言内容について考えている)タイミングでの割込みは議論の中断に有用であった。

成果発表会までには、UIを少し変更し、よりUXが良くなるように細かい変更を行った(最終的にできたものは0節を参照)。

4. さいごに

4.1 まとめ

司会代行ツール「Meeting TimeKeeper」は、議論時間のコントロールや参加者の関心を考慮しながら、適切なタイミングで議論を止めることができるように設計された。タイマーや音声認識技術を活用し、議論を停止するタイミングを判断した。予定時刻を過ぎても議論を続けている場合、自動的に声をかけて、議論を停止させる役割を果たした。また、司会のセリフを言う機能も加えた。このシステムの開発により、司会者のストレスを軽減し、議論の時間管理やスケジュールの遵守が容易になることが期待されている。

4.2 今後の展望

今後の展望としては、議論中断の判定の改善が挙げられる。

本アプリでは、会議室内で沈黙が続く→議論の停滞と判断して中断を促すようにしているが、アプリを使用する環境によって状況が異なると思われる。AIなどを使用して文脈を理解するなど、音量以外でも会議の議論の停滞を判断できるようにすることで改善できる可能性がある。

また、現状ではアプリを操作している人が周りから分かるようになっており、人の操作が必要なこともあり完全な自動化とは言えない。改善案としては、人型のロボットから音声を出力することで(音声の再生を手動で操作していたとしても)ロボットが喋っているように感じさせる、会議の進行を自動化できるアルゴリズムを考え、人が操作せずに音声が再生されるようにするなどが挙げられる。

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