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基板CADライブラリDLサービスの大手三社がDSサイトに登場!使い方・魅力を徹底解説

イントロダクション

DesignSpark PCBユーザーへ、ライブラリの新サービスを紹介します!基板CADのライブラリダウンロードサービス3社がDSサイト上に揃いました!

SamacSysSnapEDAに引き続き、新たにUltra Librarianも追加しました!今回はこの3つのライブラリの特徴と使い方の説明をしていきます。

ライブラリDLサービスについて

DSサイトにはDesignspark PCBで使用できる無料ライブラリダウンロードサービスがあります。新たに基板を設計する際にライブラリを自作するのも良いですが、手間と時間がかかります。そこで紹介するデータサービスを使用して所望のライブラリを探しましょう。

現在Designspark PCBで使用できるライブラリDLサービスには次のようなものがあります。

・SamacSys

・SnapEDA

・Ultra Librarian

今回はこれらのデータサービスの特徴と利用方法を紹介していきます。

SamacSysについて

SamacSysはエレクトロニクス業界向けの2D及び3DCADモデルの世界有数のプロバイダーです。携帯電話等に使用される小さな部品の正確な機能、コネクション、寸法を記録しています。コンポーネントモデルは2Dだけでなく3Dに対応しており、電気的な問題以外にも物理的な問題にも有効に対処できます。

ライブラリのフォーマットも一般的なものが使用されておりDesignSpark PCB をはじめその他多くの基板CADで使用できます。詳しくはこちらをご覧ください。

>公式ダウンロードサイト

SnapEDAについて

SnapEDAはインターネット初の電子設計ライブラリDLサービスです。エンジニアが製品をより早く開発・生産できるように支援しています。

毎年100万人を超えるプロのエンジニアがSnapEDAを利用しており、設計の効率化が大きく進められます。また、特許済みの検証技術により製造可能性の検証を素早く行う事ができます。回路図記号とフットプリント規格についてはこちらをご覧ください。

>公式ダウンロードサイト

Ultra Librarianについて

DSサイトに新たに追加されたUltra Librarianです。Ultra Librarianは業界で最も幅の広い基板CADツールのサポートを行っています。高品質なモデル(ライブラリ)を提供しており、既存のライブラリでも定期的に再確認と修正が行われています。

加えて、リファレンスデザインも提供しており評価ボードのCADデータを丸ごとダウンロードできます。さらにライブラリの適用などをせずにすぐに使用できる状態でダウンロードされます。詳しくはこちらをご覧ください。

>公式ダウンロードサイト

DesignSpark PCB上でのライブラリDLサービスの利用方法

では、DesignSpark PCBで上記のライブラリDLサービスの利用方法について説明していきます。

SnapEDAとUltra Librarianについては上記リンク若しくはDSサイトから部品を検索し、ファイルをダウンロードすることでライブラリをダウンロードし使用できます。これらのサービスを使う上で必ずアカウント登録、サインインをする必要があります。

SnapEDAの利用方法

SnapEDAの使用方法についてはSnapEDA part finderから部品をダウンロードしてデザインに使ってみよう!をご確認ください。

一つ注意点としてはSnapEDAのアカウントを登録する際にメール認証を行います。メール認証を行っていない状態でダウンロードしようとすると、エラー表示など出ずにトップ画面に戻される現象があります。不思議な挙動をした場合はDSサイト上ではなくSnapEDAの公式のサイトからダウンロードするようにしてください。

Ultra Librarianの利用方法

Ultra Librarianについても同様にダウンロードサイトに移動しZIPファイルをダウンロードし、Designspark PCBにインポートします。

下画像の赤くした「Part Number」に部品に関するキーワードを入力すると検索できます。

所望の部品をクリックします。

Download Nowを選択します。*下の詳細情報の部分は適宜変更してください

続いてライブラリを使用するCADとその他詳細情報を設定します。

CADについては提供している会社名をクリックし、該当するCAD名にチェックを入れます。

次にSymbol Pin OrderingとFootprint Unitsを設定します。Symbol Pin OrderingはSequentialとFunctionalという2つの項目がありますが、Sequentialはピンを1から順番に並べていく設定です。Functionalは機能ごとにピンの順番が設定されるものです。

(*この設定によりピン配置が変わりますのでご注意ください)

Footprint Unitsはダウンロードするライブラリの単位を設定できます。

詳細設定を終えたらDownload NowでZIPファイルをダウンロードします。

SnapEDAの手順と同様にZIPをドキュメントなどに解凍し、DSLファイルを探します。部品にもよりますが解凍すると、DesignSparkというフォルダの中の更にまたフォルダがあり、その中にDSLファイルが存在しています。

DSLファイルが確認できたらあとはSnapEDA part finderから部品をダウンロードしてデザインに使ってみよう!のステップ2から同様の手順でインポートできます。

SamacSysの利用方法

では最後にSamacSysを使用する場合についてはサイトから直接ではなくLibrary Loaderというソフトを介してインポートします。詳しい利用方法についてはこちらをご覧ください。

ライブラリDLサービス利用時の注意事項

Designspark PCBで使用できるライブラリDLサービスの紹介とそれらの特徴、利用方法を説明してきました。ライブラリDLサービスは便利に使用できる一方で注意すべき事項があります。

(1)間違いに注意

まず一番重要な点として、これらサービスのライブラリは100%信用できるものではありません。稀に端子間違いやパッケージサイズなどを間違っている場合があります。説明した3社が提供しているライブラリについては比較的頻繁に見直し・修正がされているものが多いですが、それでも機械的に自動生成されたようなライブラリも多く存在します。よって製造手配する前に全ての部品についてデータシートと照らし合わせ間違い事の確認を行うようにしましょう。

(2)品質に注意

これらサービスはあくまでプロトタイピング開発の時短・コスト削減を目的にしたもので無保証です。品質不足に伴う損害を補償しません。よって量産品設計でこれらサービスを利用すべきではありません。量産設計の場合は、時間とお金をかけ正規ルートでライブラリを手配するようにしましょう。どうしてもこれらサービスのライブラリを量産設計で使いたい場合は、QC部門と充分な検討を行ってください。

これらサービスのライブラリは基板設計の国際規格IPC-7351 に準拠していますが、一般的にIPC準拠だけでは量産品設計の品質を満たすものではありません。最悪な場合、歩留まりが悪く販売物の10%が廃棄となってしまったり、品質トラブルで賠償トラブルに陥る場合もありえます。

なお、これらサービスの中にはライブラリの信用度をパラメータ化しているものもあります。ぜひ注目してみてください。下画像はSamacSysのリスク評価です。

(3)英語に注意

これらライブラリDLサービスを使用する上で基本的に使用する言語は英語になります。DSサイトのライブラリDLサービスの案内までは日本語化されていますが、検索欄や詳細設定などは全て英語となっていますのでご注意ください。

まとめ

ライブラリDLサービスの紹介について説明してきましたがいかがでしたでしょうか?ライブラリDLサービスはうまく使用できれば設計を大幅に効率化できます。さらにDesignspark PCBではschemaファイルやPCBファイルを再利用することができますので、ライブラリDLサービスに存在していない部品でも似た部品のファイルからライブラリの自作に利用できます。

ぜひライブラリDLサービスを利用して、クリエイティブ・ユニークな開発を進めてみてください!

こんにちは 工藤勇人と申します。大学で電気電子工学や通信工学を学んでいます。また、学業以外にも人力飛行機を製作しており、飛行機に搭載する電装品(操縦系統、計器系統、無線系統)を作成しています。 DesignSparkではCADについて、イベントについて書いていけたらなと思います。気軽に読んでいただけたら幸いです!

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