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BARTH EspressoMakerプロジェクト
あなたは合計400€(ユーロ)以下の器具で安心安全においしいエスプレッソを自宅で作ることができますか?答えは、はい!できます!ESEパッドとBARTH lococube® mini-PLC STG-800を使うことで誰でも簡単にできます!
もしかしたら読者の皆様の中には以前に安価なコーヒーマシンを買って、がっかりした経験があるかもしれません。ですが、その経験に惑わされないでください!コーヒーマシンはどれも同じではありません。生分解性のフィルターペーパーと7gのコーヒーが入っていることは共通ですが、その他大きさや性能は全くの別物です。またそれに使用するコーヒーパッドも全然違うのです!
イージーサーブエスプレッソ(Easy Serving Espresso)パッドは直径44mmで70mmの汎用品パッドよりかなり小さいです。高さの違いも顕著で、高さ10mmのESEパッドに対して汎用品パッドは5mmです。プレミアムパッド内のコーヒーの挽きの細かさ(粒径0.3mm)は、水とコーヒーの接触面積を増加させより美味しくするために工夫されているのも特徴です。
美味しいコーヒーを作るには”プレミアム”パッドを選ぶだけでは不十分です、プラスで適切なポッド(マシン)を選ぶ必要があります!エスプレッソの容量は常に30mlで、それに応じて水圧を調整し挽かれたコーヒーと水を一定時間接触するようにしなければなりません。この抽出時間が長すぎると苦味がきつくなり、短すぎると味気なくて風呂の水のような味になってしまいます。エスプレッソを淹れる時間としては20秒から25秒が理想的とされています。
熟練のバリスタはこの高温濃縮抽出の基礎知識を利用して「リストレット(Ristretto)」という種類のエスプレッソを作り出しました。リストレットは通常のエスプレッソよりも濃い味・香りのものです。これは通常のエスプレッソの抽出時間を半分に短縮することで作られます。
エスプレッソの容量で作れる30mlのコーヒーは標準的なサイズのマグカップではほとんどありません。そこで、エスプレッソをお湯で薄めて量を増やして一般的な”コーヒー”を作ります。イタリア人ならこの100mlの飲み物を「アメリカーノ(Americano)」と呼ぶでしょう。
いずれも作るには10Bar程度の水圧が必要です。この水圧を得るために最も一般的な方法としては、外部から印加された磁場によってシリンダー内で振動する磁気アーマチュアによって生み出します。
この動きが水を一方向弁を通って醸造ユニットへと注ぎ、そこでカートリッジヒーターで92℃まで予熱されます。抽出ユニットには抽出中に温度を安定させるために必要な熱質量となる、大きな真鍮の塊が使われることが多いです。
幸いなことに最近はESEパッドに適したハードウェアを搭載したマシンが誰でも簡単に入手できます。しかし、270ユーロのエスプレッソマシンで簡単に美味しいコーヒーができるのか?とても疑問でした。
そこで私たちはこのエスプレッソマシンを分解してみました!そこにはなんとステンレス製のスカートの下に有名ブランドの「ULKA」ポンプ、巨大な真鍮製の抽出ユニット、パッドを固定するための頑丈なトグルジョイント機構が隠れていたのです。
非常に良い部品・構造的にも優れているにもかかわらず、市場に出回っているこのマシンは十分に性能を発揮できていません。それは非常に複雑な調整装置に依存しているためです。ユーザーはマシン上部にあるボタンを押すことでポンプのスイッチを入れることができます。一見、簡単に操作できていいと思えるかもしれませんが、正確に水の量や抽出温度などを調整することができず美味しいコーヒーを淹れることが難しいです。そこで、私たちはPLC(STG-800)を用いて自動化とこの複雑な調整を行えるように図りました。自動化を図るにあたり、機械式サーモスタットを10kΩのNTC抵抗に置き換えました。
アナログ入力はこのNTC抵抗にかかる電圧降下を読み取り、それをプログラムで使用できるようにします。温度が所望の値より下がると、ソリッドステートリレーがヒーターのスイッチをオンに切り替える仕組みです。
本体前面のボタンはそれぞれPLCの入力に接続されています。選択された飲み物によって、異なる調合時間が設定されます。例えば、「アメリカーノ」ボタンを押すとエスプレッソを薄めるのにちょうどよい量のお湯が出ます。調合はお湯の温度が適切な場合にのみ行われ、注出温度が所望の値より下がるとヒーターが起動して温めます。目標温度に達して湯量がたまると注出が再開されます。
テイスティングタイム
STG-800 EspressoMakerのプログラム操作説明
とても美味しいコーヒーを淹れることができました!ここからはPLC、STG-800 EspressoMakerに書き込んだプログラムの説明をしていきます。今回使用したプログラムはこの記事の下に添付していますので、是非ダウンロードして内容を確認してみてください。
まず、NTC抵抗器の電圧降下がIN1によって読み取られます。その値は変数“Temp_Raw”の値にボルトで格納されます。
この値を毎度ケルビンに変換することは、飲料の種類が3種類(リストレット、エスプレッソ、アメリカーノ)しかないため不要と判断しました。代わりに、電圧がある一定の値を境に動作が変化するような仕組みにしました。例えば電圧が410mV以上になる(温度が92℃以下になる)と“Heater_State”がTRUEに変化します。その結果、PLCがOUT1を設定してヒーターをONにします。ユーザーがボタンを押すと温度が十分に高い場合にのみ、ディスペンスサイクル(調合サイクル)が開始されます。すべての条件が満たされ、ボタンが押されたらそれに対応するフリップフロップが設定されます。
エスプレッソ調合用のIN3はアナログ入力のため、リストレット用のIN4やお湯用のIN5とは異なる取り扱いが必要です。
IN3はまず12Vの値と比較されます。比較には異なる”データ型”が関係するため、アナログ値のFloatデータ型をコンバータブロックによりWordデータ型に変換する必要があります。ボタンによって供給電圧が入力されると電源電圧の半分の値と比較され、明確なTRUE状態が作り出されます。その後コンパレータの出力がTRUEになるとフリップフロップが設定され、エスプレッソのディスペンスサイクルが開始されます。
これにより“Dispensing_in_Progress”が設定され、ヒーターとポンプが分注中の過度な温度低下の発生を防止することができます。ヒーターは抽出グループの温度が95℃以下(NTCの電圧降下が380mV以上)の場合にのみ作動します。
ポンプが作動している間、“Dispense_Time”は1秒に1回インクリメントされます。目標時間に達すると対応するフリップフロップがリセットされ、注出が終了します。これにより“Dispensing_in_Progress”がFALSEになりカウンタがリセットされます。前述したように、温度が86℃以下(NTC抵抗で500mV以上に相当)になるとお湯の注出が中断されます。ユーザーは機械が勝手に止まって困惑するかもしれませんので、2つのLEDモジュールが点滅して現在の動作状態を表示します。
説明は以上です!
いかがだったでしょうか?自作コーヒーマシンはとても魅力的です。以下にパーツリストとSTG-800_EspressoMakerのプログラム一式を添付しておきましたので、ご興味のある方はぜひ試してみてください!
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