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ROCKシリーズを使ってみる(1)- ROCK 4C+にUbuntuをインストールする
かつて、コストパフォーマンスを考えるなら、Raspberry Piが唯一の選択肢でした。しかしいまや、同じ価格帯でありながらより優れたスペックを持つ製品が現れてきました。
そこで、今回はRaspberry Pi 4Bとスペック、価格帯が近いROCK 4C+を使ってみたいと思います。
パッケージ内容
アンテナ付きのROCK 4C+のボードと取り扱いに関する注意のカードが入っています。
外観
サイズ
Raspberry Pi 4Bと比較してみました。サイズ、コネクタの位置もほぼ同じです。
インタフェース
インタフェースはRaspberry Pi 4Bと似ていますが、eMMCのサポートや、電源ボタン等、嬉しい改良点があります。Raspberry Pi 4Bとの互換性や比較については別途記事にてまとめる予定です。
ROCK 4C+の詳しいスペックはRadxa公式サイトのROCK4C+ページをご覧ください。
技適
ROCK 4C+には内蔵の無線機能が備わっていますが、国内で利用する際には技適の確認が必要です。ROCK 4C+にはパッケージ上に技適マークがあり、国内利用が可能です。ただし、この技適は「OKdo Technology Limited」の名義であり、他の購入ルートで入手した場合、国内での無線利用には制約が生じる恐れがあるため、ご注意ください。
利用できるOS
ROCK 4C+で使えるOSとしてRadxa公式から用意されているものには以下があります。(2023/12/14調べ)
- Debian bullseye CLI
- Debian bullseye Desktop KDE
- Debian bullseye Desktop xfce
- Ubuntu focal CLI
- Ubuntu focal Desktop KDE
- Ubuntu focal xfce
- Ubuntu jammy CLI
- Ubuntu jammy KDE
- Ubuntu jammy xfce
- Android 11
Debian、UbuntuのイメージはGitHubから、Androidは公式ドキュメントからダウンロードできます。
GitHub radxa-build/rock-4c-plus
Official Images for ROCK 4 Family | Radxa Docs
この他にもArmbian等、サードパーティで使えるOSもあるようです。
セットアップ
ROCK 4C+にUbuntuをインストールしていきます。microSDカードにインストールする方法と、eMMCへインストールする方法の2つの方法を試してみます。
用意したもの
- ROCK 4C+ - Okdo ROCK 4モデルC+ 4 GBシングルボードコンピュータ RS114CP-D4
- microSDカード - Kingston マイクロ SDMicroSD,容量:32 GBSDCS2/32GBSP
- 電源(USB Type-C 5V3A) - USB PD対応AC充電器(PD45W・Type-Cケーブル付き)ACA-PD80BK
- eMMCモジュール(eMMCにインストールする場合のみ必要)- Okdo ROCK 16 GB用eMMC 5.1モジュール ロック 16GB SBC用 VA001-16G
- microHDMI-HDMIケーブル - RS PRO HDMIケーブル 長さ:1m, コネクタ A:オス, コネクタ B:オス
- microSDカードリーダー/ライター
- ディスプレイ
- LANケーブル
- キーボード
- マウス
Ubuntuのインストール(microSD編)
1. フラッシュツールのインストール
balenaEtcher(microSDカードにイメージを焼くツール)をインストールします。
ページ内にある「Download」から手元の環境にあったbalenaEtcherを取得して、インストールしてください。
2. インストールイメージをダウンロード
RadxaのGitHubからUbuntuイメージをダウンロードします。
GitHub radxa-build/rock-4c-plus
2023/12/14時点でダウンロードできる最新のUbuntuイメージを選択しました。
rock-4c-plus_ubuntu_focal_kde_b60.img.xz
(訂正:2023/12/14時点でダウンロードできる最新のUbuntuイメージはrock-4c-plus_ubuntu_jammy_kde_b60.img.xz です。)
3. balenaEtcherを起動
balenaEtcherを起動します。
4. メディア、イメージを指定して起動メディアを作成
「Flash from file」をクリックします。
2でダウンロードしたイメージを選択して、開きます。
インストール先を選択します。「Select target」をクリックします。
イメージを入れるメディアを選択します。
この時点で「Flash!」がクリックできるようになります。イメージとメディアに間違いがなければ「Flash!」をクリックします。
作成中です。しばらく待ちます。
完了すると、以下のような画面になります。balenaEtcherを閉じて、microSDカードを取り出します。
5. 起動
作成したmicroSDカードをボード裏のスロットに差し込みます。その他の周辺機器(LANケーブル、キーボード、マウス、HDMI)も接続し、最後に電源を入れます。
しばらくすると、Ubuntuが起動しました。公式のイメージを使ってインストールした場合、デフォルトアカウントとパスワードは「radxa/radxa」です。
Ubuntuのインストール(eMMC編)
eMMCへUbuntuをインストールしていきます。eMMCリーダーを使ってインストールする方法もありますが、今回はOSの入ったmicroSDカードから起動して、そのOSからeMMCにUbuntuをインストールします。
1. Ubuntuの入ったmicroSDカードを用意
2. 起動
必須ではないですが、ここでmicroSDカードから起動します。目的は、microSDカードのデバイス名の確認です。手元で使ったmicroSDカードは32GB、eMMCは16GBなので取り付け後でも見分けられないわけではないですが、どちらもデバイス名はmmcblkから始まるので、間違えないようこの段階でmicroSDカードのデバイス名を調べます。
起動したら、端末を起動して以下を実行します。
$ lsblk
手元の環境ではmicroSDカードは「mmcblk1」のようです。
3.eMMCモジュールの取り付け
eMMCモジュールをROCK 4C+に取り付けます。ボード上にeMMCモジュールのガイドのシルクがあるので、その向きに合わせて嵌めます。向きを間違えると嵌めにくいので、無理に押し込まず確認しましょう。
4. 起動
今回microSDカードにインストールした公式Ubuntuイメージは、最初からSSHでログインすることができます。ROCK 4C+に直接接続したキーボードから操作しても良いですが、今回はSSHでログインして作業してみます。ログインに最低限必要なLANケーブルと電源を繋ぎます。
5. ログイン
お好みのターミナルソフトからログインします。いろんなソフトがありますが、私はメインの作業環境がWindowsなのでWindowsTerminalを使っています。
> ssh radxa@rock-4c-plus.local
パスワードは「radxa」です。
6. eMMCデバイスの確認
ログインできたら、以下を実行します。
$ lsblk
「mmcblk1」はmicroSDカードだったので、eMMCは「mmcblk0」です。
デバイスファイルの存在を確認します。
$ ls -l /dev/mmcblk0
7. Ubuntuイメージの取得
RadxaのGitHubからUbuntuイメージをダウンロードします。
GitHub radxa-build/rock-4c-plus
$ wget https://github.com/radxa-build/rock-4c-plus/releases/download/b60/rock-4c-plus_ubuntu_focal_kde_b60.img.xz
8. eMMCへUbuntuイメージを書き込む
root権限で、eMMCにダウンロードしたイメージを書き込みます。
# xzcat /home/radxa/rock-4c-plus_ubuntu_focal_kde_b60.img.xz | dd of=/dev/mmcblk0 bs=1M
少し待つと、書込みが完了します。手元では4分程度で完了しました。
9.シャットダウン
一度、シャットダウンしてeMMCから起動します。
# shutdown -h now
シャットダウンが完了したら、microSDカードを取り外します。
10.起動
必要な周辺機器を接続して起動します。ちなみに、ROCK 4C+は電源ケーブルを挿しても起動しますが、オンボード上の電源ボタンを押すことでも起動できます。
無事、Ubuntuが起動しました。
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