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まず初めに、少し悲しい事実に触れなければならない。それは、コネクタはエレクトロニクスの世界における花形とは到底言えないということだ。コネクタというのは他の部品や基板どうしを繋ぐ、いわば「脇役」の存在であり、主役として看板を張ることは滅多にない。それはフィクションの中でもあまり変わらないだろう。
例えば世界を救うヒーローが現れたとき、そのヒーローの手にごちゃついたコネクタが握られていることを想像するのは難しい。世界征服を企む大悪党の秘密兵器が手の込んだプラグ端子であることもなかなかなさそうだ。
コネクタ産業で長く生きてきた者として、このようなことを言うのは非常に心苦しいのだが……コネクタは「今一つ魅力に欠けるもの」というほかない。やはりコネクタが活躍することは難しいのだろうか。
しかし実はハリウッドの映画を見てみると、その歴史の中で数回ほど、コネクタが映画の中でちょっとした役目を担って登場した場面がある。私の選んだトップ3がこれだ。
第3位: バック・トゥ・ザ・フューチャー
このブラウン博士とマーティ・マクフライ少年の2人によるタイムトラベル・アドベンチャーは、間違いなく映画史上最高の作品の中の一つだ。これは私のギーク仲間でポッドキャスト配信者のピートのお気に入りの映画で、彼のチョイスはまさに的確と言える。最初から最後まで余すことなく面白く、登場するキャラクターたちは悪役含めてみな魅力的だ。
コネクタの登場する場面はパート1のオープニング、マーティがブラウン博士の巨大スピーカーを使ってエレキギターを弾こうとするシーンである。彼はすべてのアンプの設定を最大にして、お馴染みの1/4インチジャックコネクタで自分のギターと繋ぎ、その後ギターを一鳴らしした瞬間にめちゃくちゃなことになってしまう。
ギターのコネクタは世界中のミュージシャンにとって馴染み深い存在だ。既存の中で最古のコネクタ設計でもあり、なんと最初に特許が取得されてから140年以上が経っている。私が思うに、バック・トゥ・ザ・フューチャーはこのコネクタ産業のベテランへの最高の敬意を表した作品に違いない。
第2位: アイ,ロボット
アシモフは私の大好きなSF作家だ。ボストン大学の生化学の教授であった彼の人生の中で、書き残した著作の数は膨大な数に上る。彼は「ファウンデーションシリーズ」および「ロボットシリーズ」で非常に先進的な未来を予言した。中には予言が外れたものもある一方で、その未来像は今日の私たちに非常に馴染みがあるものも含んでいる。
アシモフはフィクション作家ではあったが、結果的にその著作は現実のロボット研究の進歩に大いに貢献することになる。彼の書き記したロボット三原則は、実世界の人工知能 (AI) システムを開発している科学者にとって非常に重要なものとなった。この映画は三原則のもたらすものを探求し、ロボットというものがどのように進化するかを思索する。
完成した映画は純粋なアシモフ作品ではなかったかもしれない。しかし、偉大なキャストたちと優れたアクションシーンにより、何度でも繰り返しの視聴に足る映画に仕上がった。
以下に挙げるシーンでは、「ハイテクなコネクター」のハリウッドらしい解釈を見ることができる。
第1位: スターウォーズ
この手の映画リストを作るにあたり、スターウォーズについて全く触れずにいるというのはとても難しいように思われる。1977年の公開時、第一作目のスターウォーズは映画史上における重要な分岐点となった。その後も続編およびいくつかの前日譚が発表され、スターウォーズは世界中のギークたちから愛される作品となった。
この作品にはファンが浸れる技術的なディテールがたっぷりと盛り込まれているが、コネクタに関することとなるとわずかワンシーンしかない。デス・スターで、R2D2が宇宙ステーションのコンピュータにハッキングしミレニアム・ファルコンを脱出させる方法を発見する際に、彼はこの任務に内蔵コネクタを使用する。
ここでは無線通信技術というものが全く登場しない――今日私たちが当たり前のように使っているWiFiもBluetoothも、スターウォーズが制作された頃にはまだ何十年も先の話だったのだ。みんなのアールツーが旧来のプラグとソケットを使って活躍する、ともすれば完全に時代遅れなこのシーンが、私の映画の中のコネクタ史上ナンバーワンになっている。
選外佳作: アポロ13
ここで最後に、1995年に公開されたアポロ13号のノンフィクション映画について触れておこう。私はこの映画が大好きで、その理由としては驚くほどの短期間で達成されたアポロ計画そのものが興味深かったことや、優れた俳優 (主席管制官のジーン・クランツを演じるエド・ハリスが私のお気に入りだ) が揃い踏みの魅力的な映画だったことなどが挙げられる。
映画の中には技術的な詳細が豊富に盛り込まれている。乗組員がコネクタを使って、月着陸船アクエリアスと司令船オデッセイとの間の電力供給の方向を逆にする瞬間などが見ものだ。
一方で、CO2処理装置の問題を地上チームがどのように解決したかというストーリーは、アポロ13号の問題解決においてどれほどチームワークが大切だったかを如実に表している。これは、目的のための適切なコネクタを持ち合わせていなかったことによる問題の良い実例だ。こちらがその一部である。
映画の映像の中でコネクタを見つけることはそう簡単なことではない。コネクタがスクリーンに長い時間映ることはそうそうないため、そのようなシーンを発掘するには辛抱強く探して目ざとく見つける必要がある。これらの作品は私の選出だが、他にも見つけた方はいるだろうか?もしいたならばぜひとも私に教えて欲しい……
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