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今回はPanasonicの隠れた高シェア商品、PhotoMOSについてご紹介します。PhotoMOS、”フォトモス”と読みます。このPhotoMOS、今のところ産業関連の機器を中心に採用されているため一般的な認知度はあまり高くないのですが、実は『このカテゴリ』の電子部品としてグローバルNo.1のシェアを誇ります。
『このカテゴリとして』と表記したのは、実はこの電子部品の一般名称は存在しません。各サプライヤさんが自社商品を独自に命名しており、PanasonicはPhotoMOSという名称で商品展開しています。そんなPhotoMOSの中でも小型・低消費電力・高温動作という3つの特徴を持ったCCタイプをご紹介します。
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PhotoMOSとは
PhotoMOSは名前からも想像できる通り半導体電子部品で、一言で表すなら…
入力素子にLEDを、出力素子にMOSFETを採用した半導体リレー
リレーというと一般的にまずイメージされるのは機械式リレーですが、半導体リレーには機械式を凌ぐ多くのメリットがあります。
・長寿命
・接点トラブルがない(接触信頼性が高い)
などが代表的な特徴ですが、詳しくはPanasonicの商品ページをご覧ください。ユーザ様のアプリケーションや要求仕様に従い、機械式リレー or 半導体リレーの選定の際に参考にしていただければと思います。
次に、PhotoMOSの内部構造をご紹介します。
基本構造は実はいたって簡単。下の図を見ていただければPhotoMOSの機能が一目瞭然にご理解いただけるはずです。
PhotoMOSは、1,LED 2,光電素子 3,MOSFETの3点で構成されます。
もうお分かりの通り、1次側の電気信号を
1,LEDで光に変換 → 2,光電素子で受光し、起電力を発生 → 3,MOSFETをONする
PhotoMOS 内部構造
そうすることで、1次側の電気信号で2次側をON/OFFできるわけです。つまり光で1-2次間の電気的絶縁をとったスイッチング素子(=リレー)というわけです。
このように原理自体は簡単です!が、製品レベルとして実用化するとなると細部にノウハウが必要となり一朝一夕にとはなかなかいきません。この点Panasonicは30年を超えるPhotoMOS開発の実績があり、長年の経験と知識を基に業界最高水準の設計技術を有していますので、例えばカスタム仕様の要望にも柔軟にお応えすることができます。
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Photoカプラとの違い
PhotoMOSの基本動作をご紹介すると必ず受ける質問があります。
Photoカプラと何が違うのか?
PhotoMOSは動作こそ似ていても、Photoカプラとは異なるコンセプトの下で開発されました。一番の違いは双方向に電流制御が可能であることで、Photoカプラが比較的単純なパルス伝達や直流制御に使われるのに対して、PhotoMOSはAC/DCどちらも制御可能です。またオフセット電圧が低いことから小信号の制御にも対応できます。
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どこに使われるか
続いて、PhotoMOSがどのような回路ブロックに使われているかを、1つ例を挙げてご説明します。
近年、モビリティ市場の拡大とともに増えてきているのが、『バッテリーマネジメントシステム』への採用です。具体的にはバッテリーの残量モニタリング回路に使用されます。下図のように1つ(もしくは複数)のバッテリーセル毎に4個のPhotoMOSを使用するのが基本です。
まず、バッテリーセル側のPhotoMOSをONし、その電圧を一度コンデンサへと充電します。このとき測定系側のPhotoMOSは開放しておくことで絶縁を保ちます。充電が完了すればバッテリーセル側のPhotoMOSを開放し、今度は測定系側のPhotoMOSをONすることで安全にバッテリーセルの電圧を測定することができます。バッテリーの残量モニタはセットの電源がONしている限り頻繁に行われるため、PhotoMOS(=半導体リレー)を使用することでメカリレーで問題となる寿命による制約から解放されるのです。特にEVなど大電力を消費する製品はバッテリーセルを大量に搭載し、しかも各セルを個別にモニタし制御する必要があるため、小型高容量のPhotoMOSの受注が増えてきています。
BMSはあくまで用途の1例です。一見シンプルに見えて汎用性の非常に高いPhotoMOSの特徴にご注目いただき、ユーザ様自身で使用用途の幅を広げていただければと思います。
導入のための技術サポートもお気軽にご相談ください
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新しいコンセプトのPhotoMOS 『CCタイプ』の登場
PhotoMOSについてその概要をご説明してきましたが、Panasonicがラインナップする数十種類のPhotoMOSの中でも特にご紹介したいのが『CCタイプ』です。
CCタイプは2015年にリリースされたラインナップ中最新のシリーズで、小型・低消費電力・高温動作という3つの特徴を持った製品です。
【小型】 1.8 x 1.95 x 0.8 mm 1円玉に89個乗ります ※理論上ですが
【低消費電流】 入力5.0V時 0.2mA 当社従来比1/25
入力3.3V時 0.1mA 当社従来比1/50
【高温動作】 105℃ 当社従来最高温度85℃
これまでのPhotoMOSシリーズからサイズと消費電力の点で大きく進化したものがCCタイプです。この特性を活かしてモバイル機器や高密度実装が必要な機器に広くご使用いただけます。特に今、産業機器で注目されているのが半導体テスターやプローブカードなどの各種検査装置です。
実はこのCCタイプ、新たな技術を導入することでこれだけの特徴ある製品に仕上がりました。PhotoMOSの内部構造のご説明のパートで、1次側にLEDを使用しているとご説明しましたが、このCCタイプのみLEDではなく独自の容量絶縁方式を採用しています。
基本構造としては、絶縁コンデンサと発振回路を内蔵した特殊なドライバICを使用することで1-2次間の電気的絶縁をとっており、2次側はこれまでと同じMOSFETのため、従来のPhotoMOSと違和感なくご使用頂ける製品となっています。(さらに電圧駆動のため、制限抵抗は不要です!) また、LEDを使用しないため低消費電流を実現しており、さらに使用最高温度を20℃高めた105℃を実現しています。
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商品紹介
Panasonicは半導体リレーだけでなく、機械式リレーにおいてもリーディングカンパニーであり多くの商品をラインナップしております。
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