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【参考回路例】TE 820M1 加速度センサによるモーター軸受振動検知

圧電(PE)型加速度センサは高信頼かつ正確な測定値を長期に渡って出力することができる。そのため産業用途の状態監視装置や予知保全には打ってつけのデバイスだ。ここで取り上げるTE 820M1(261-8102)加速度センサは広い範囲の加速度入力(±25g~±6000g)をカバーし、10kHz超までのフラットな周波数応答特性を持つ。こうしたデバイスは種々のモーターの軸受振動の検出に利用することができる。

入力範囲 ±25, ±50, ±100, ±200, ±500, ±6000 (g)
センサ感度 50, 25, 12.5, 5.0, 2.5, 0.21 (mV/g)
周波数特性 2Hz – 15kHz (3 dB)
印加電圧 1.5V* to 5.5V (*2.8V未満で駆動の場合は入力範囲が制限される)

表 1: TE 820M1センサ仕様:

より詳細な情報についてはTE 820M1のデータシート を見るとよいだろう。

下に表示されている軸受振動モニタシステムのシミュレーションは、「ライブデザイン」として各パラメータを操作できるようになっている。青色で表示されているパラメータを自由に変更してみよう。値の変更後は緑色の「再生」矢印をクリックして新しいシミュレーションを実行すれば、変更後の回路でのシミュレーション結果が得られる。

これはファン負荷の付いた誘導モーターの起動時過渡現象をシミュレーションするものだ。モータの軸受振動をTE 820M1加速度センサによって監視しており、その信号をA/Dコンバータで変換している。そしてその間にアンチエイリアシング用のRCローパスフィルタが挟まっている。右端に表示している波形のうち緑色のものはサンプリングデータによる等価出力電圧だ。

適切な型番末尾の選択

この回路は回路パラメータを変更できるという以外にも、加速度センサを型番の末尾が違う別のものに置き換えることもできる。

たとえばTE 820M1 をダブルクリックし、「DASH_NUMBER」を「0100」から「0050」に変更してシミュレーションを再実行してみよう。そうすると感度の高い加速度センサを使用したときの違いが分かる。加速度センサの出力電圧(青い波形)の幅は、約2Vpk-pkから4Vpk-pk(ピーク・ツー・ピーク電圧)に増加する。末尾0025を選択してシミュレーションを再実行すれば出力電圧はさらに増加するが、0Vと5Vのレール電圧の限界でクリップされる。

表 2: 各型番ごとの加速度入力範囲

アンチエイリアシングフィルタの帯域幅の選択

この回路はRCフィルタの容量値をパラメータとして変えることができる。初期設定では0.22uFに設定されており、1kΩの抵抗と合わさることで、ローパスフィルタの遮断周波数は700Hz強となる。このフィルタは、電源の高周波ノイズが監視システムの低い帯域に対してエイリアシングを起こし、サンプリング出力に(偽の)振動信号として現れるのを防ぐ役目がある。モーターは1800RPM弱で動作し、ベアリングサイクルの倍数は20であるため、予想される振動周波数は600Hz弱であり、期待通りフィルタを通過する。しかし、加速度センサの5V電源には9kHzの正弦波ノイズ信号が載っている。10kHzでサンプリングしているADCにこのノイズ成分が入ると、出力に1kHzの "偽"の加速度信号が出力されてしまうのだ。

まずコンデンサをダブルクリックし、その値を0.22uFから0.022uFに変更してシミュレーションを再実行すると、出力スペクトルにこの偽信号を見ることができる。次に、サンプリングした出力電圧(v_sampled_out)をメイン波形ビューアにプロットし、内蔵の電卓機能を使ってFFTを実行します。

図 1: RC フィルタの容量を不適切に選ぶと"偽"の振動を検出してしまう

*注:このTE 820M1のモデルは、回路作成者が製品データシートを見ながら自作したものであり、メーカーによって検証されたモデルではない。

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