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Ingenuity ~火星最初の人工飛行物(我々が知り得る限り)~
歴史的な初飛行を前に火星表面で待機するIngenuity(インジェニュイティ)。科学的な機器は一切搭載せず、概念実証の試験機としてのみ機能する。ちなみに、右側にあるタイヤの跡は、Perseverance惑星探査機のもの。
画像: NASA
インジェニュイティ(英語: Ingenuity)は、NASAのマーズ2020ミッションの一環として火星で運用されている小型のロボットヘリコプターです。昨年2021年4月19日、地球以外の惑星で航空機による最初の動力制御飛行を無事に成功させました。つまり地球で作った飛行物が別の惑星、すなわち火星を飛行したのです。Ingenuityはちっぽけなロボットかもしれませんが、その飛行が意味するものは、「ドローン」で惑星探索する未来の姿です。(もちろん最低条件として、惑星に大気が必要ですが。)
失敗から始まった
4月9日、Ingenuityのローターが回るかどうかを試験し、その後、ヘリコプターのコンピューターに「予備フライト」から「フライト」へモード移行の命令を送信しました。しかし、ソフトウェアの誤作動によりモード移行ができず、ウォッチドッグタイマーがタイムアウトし、すべてがシャットダウンされてしまいます。「番犬(ウォッチドックス)」は、こういった状況でよく使用されるもので、人間のオペレーターが近くにいない場合、リセットボタンを押すことで、強制的に状態を回復してくれます!Ingenuityは、ソフトウェアのアップグレードが正常に行われた後、2021年4月19日に初の試験飛行を予定していました。
歴史が動いた瞬間
今回のイベント、一見すると 人類の技術的進歩の歴史における画期的な出来事には見えないかもしれません。無人ドローンが火星の表面から飛び立つというのは、1969年のアポロ11号の月面着陸や2012年のキュリオシティ(Curiosity)ローバーの着陸と比べると、大したものではないように感じてしまいます。
それでもなお、私たちにとっては退屈な、火星からの信号の応答が成功したかどうか待ち続けることは、JPLや関連する企業・組織に所属する、このプロジェクトに何年も投資してきたエンジニアや科学者にとっては、耐え難いものであったに違いありません。
光の速さで伝わる電波が、火星から地球に到達するのにそれほど長い時間がかかるということからでも、宇宙がどれだけ大きいのか、感じることができます。また、通信の「レイテンシ」のため、探索機は完全な自律制御を必要とします。リアルタイムで人間のドローンパイロットがジョイスティックを操作することはできません。下のグラフからわかりますが、標高3メートルでわずか数秒ホバリングを行い、テレメトリから初飛行が確認できました。
地球とは別の惑星で、初の航空機飛行が成功した証拠です!時間のスケールはシステムクロックのSCLKによる測定値であることにご注意ください。
画像:NASA
テレメトリの後、Ingenuityと惑星探査機Perseveranceに搭載されたカメラの両方から、最初の画像が送られてきました。遅いデータ転送速度や、軌道上の宇宙機を介した信号ルーティング等の理由で、画像が届くにはかなりの時間がかかりました。
Ingenuityの象徴的な画像になるであろう、下向きカメラが捉えた、3メートル下の地上に映るInfenuityの影。
画像:NASA
この先
今後数週間にわたり、ますます冒険度を増した、様々な飛行実験が予定されています。科学的なデータを収集することはほとんど計画に含まれていません。今回の主な目的は、Infenuityのような探査機が、大気をもつ惑星や月を探索することの価値を確認することです。ロボット航空機は、軌道を回る衛星よりもより詳しく対象を観測することができ、地表のローバーでは通り抜けることのできないような、でこぼこした地表を横断することができます。これまでとは全く異なる角度から撮影された火星の映像を見られるようになるでしょう。
NASAによるIngenuityの公式プレスキット には、豊富な技術情報や、ミッションの詳細情報が記載されているので、ぜひご覧ください。
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