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プロトタイプを作った後は何をすればよいだろう? すぐにでも販売開始したいと思うかもしれないが、ここで慌ててはいけない。この次のステップは、非常にお金と時間がかかる可能性もあるので、十分に検討と準備を重ねることが重要だ。
私たち LUMA-iD 社(英国)は、プロトタイプ品から世界販売を見据えた商品まで、様々な製品の設計業務の相談を受けてきた。今回、そこで得た様々なノウハウを紹介したいと思う。
まず、プロトタイプから量産設計に移行する際の設計改善の手法を紹介しよう。
量産用設計とテスト
大切なことは機能のそぎ落としを恐れないこと。その製品を販売するのなら部品レベルでのそぎ落としが必要だ。ある時は機能を丸々そぎ落とすことも必要かもしれない。その製品の価値の本質を見極め、それ以外の無駄をできるだけそぎ落す必要がある。目の前のプロトタイプへの愛着もよくわかるのだが、一度気持ちをリセットし、そしてその製品の購入者の立場に立ってゼロから仕様を考えてみよう。使い心地はどうなのか?もっと良いデザインにできないか?なんでこの商品を選んでくれるのか? その機能は本当に必要なのか? そういったことを常に考えながら設計仕様を見直そう。
この見直しの段階では、3D プリンタを活用し、試作/テストを繰り返して行う。これはデザインの改善に非常に効果的なことはもちろん、その製品に関わる全ての人達(出資者、パートナー企業、広報、法務)等へのプレゼンを視覚的に伝えることに貢献する。ちょっとしたモデリング出力なら 3dprint-uk.com のナイロン製SLS出力が便利だ。(実は私たちの試作品の大部分はこれだ)。これが一番コスト的な面から見て優秀なのである。もっとちゃんとした、重厚な試作品を作りたいときは、 proto-labs.co.uk を使っている。(訳者注: proto-labs は日本でもサービスを提供している。)
設計仕様の確定
まずスケジュールをたてよう。いつまでに設計を完了させるか、締切を明確にしよう。設計の際、MVP(minimum viable product)を心がけるようにしよう。つまり、製品として実用的に機能する最小構成をつきつめるのだ。また、製品の質は99%まで向上させても、残りの1%にはこだわってはいけない。完璧を求めるとお金もかかり、効率的ではない。多くのスタートアップは、100%に拘るあまり失敗する傾向にあると思う。
また製造に見据えた設計も心がけたい。筐体を一番安く簡単に製造できるのは射出成型だろう。ただデザイン変更が発生するととんでもない費用が掛かってしまうので、入稿データの作成は慎重に行う必要がある。
量産
設計が完了したら信頼できる製造業者を見つけよう。価格的な点から中国などの安価な海外製造業社に目が行きがちであるが、海外製造は結局不便な事がおおい。できるだけ国内の近場の信頼できる製造パートナーがお勧めだ。量産初期は何かと多くの初期不良が見つかる。ここに素早く柔軟に対応することが必要だ。その際、将来的な欠陥の予防の視点で考えるようにすると良い。
マーケティング・小売・広報
ひとたび工場が稼働すると、あなたは製品を手配した数量分を売りきらねばならない。製品の梱包、営業資料の作成、販売範囲についてなど色々考えるべきことはあるが、まず必要なのは販売方式について考えることだ。卸売として安価で大量に販売するか、小売業者に少量で高額に販売するかを決める必要がある。後者は十分な経営方針が必要となるため、ビジネスモデルは慎重に考えよう。
もう一つの良い手法としては、自分でサイトやAmazonなどを使って、業者を介さずに直接販売してしまうことだ。マーケティングや宣伝に時間がかかるが、最大限の利益と顧客を獲得することができるだろう。その際、宣伝の力を侮ってはいけない。新聞からSNSまで有効に活用するようにしよう。
また以下の事についても検討を進めておくことをお勧めする:
- 特許申請
- 販売する地域での商標登録
- 製品のテスト
- 包装について
- 安全と認可について (CE, IP, BSI, FCC, Bluetooth)
- 製品の輸送と在庫、流通管理
- 販売ルート
- マーケティング
- ブランディング
- 販売単位
- 資金(とても重要だ)
如何だろう?プロトタイピング以降の作業に気持ちがくじけそうになっているかもしれない。自分で処理できる自信がない場合、ぜひ我々LUMA-iD社に相談してほしい。LUMA-iD社では今現在も、多くの製品設計のプロが世界中の様々な製品開発プロジェクトをより良いものにする手助けを行っている。完成したあなたの製品は、きっと多くの人を幸せにするだろう。
チーム LUMA