
こちらの記事について、内容・翻訳・視点・長さなど、皆様のご意見をお送りください。今後の記事製作の参考にしたいと思います。

Thank you! Your feedback has been received.

There was a problem submitting your feedback, please try again later.

こちらの記事の感想をお聞かせください。
Milkymist One PCB (クリエイティブコモンズの CC BY-SA 3.0 を採用しているオープンソース基板)
「オープンソースは現代の技術開発に不可欠だ」…と各所で耳にするようになってきた。 しかし具体的にはどんなメリットがあるのだろか? ソフト利用者側はともかく、プログラム開発者側にはなんの利益があるというのだろう?
こうした疑問に対して簡単な回答を与えるとすれば、
「開発者には開発の加速というメリットが、利用者には自前開発のコストを大きく削減できるというメリットがある」
となるだろう。
オープンソースは、著作権の法文脈にのっとったライセンスである。そのため、無言で公開しているソフトと異なり開発者の権利は守らる。利用者も、先々の法的トラブルの不安を排除し安心して利用することが可能である。これにより相互の利益が保証される仕組みとなっている。
オープンソースライセンスの利用によって得られる利益は非常に大きい。本記事では、開発者と利用者それぞれが得られる利益について紹介する。
利用者の利益
オープンソースで公開されたソフトやライブラリの利用者は、自前で開発することなく、先行する優れたツールやライブラリを利用することができる。また類似する機能を自前開発する場合も、既存ライブラリを活用することでその開発コストを最小限にできる。いわゆる「車輪の再発明」を事前に防ぐことができるのである。
なお、言うまでもないが、世界中で日々公開されている膨大な無印ソフトコードやライブラリを利用する場合には細心の注意が必要だ。利用規約が明示されていないソースコードを使うと、後々になりライセンストラブルに巻き込まれる危険性がある。その点でオープンソースライセンスは、修正・再配布の自由をみとめている。先々のトラブルに怯えることなく、堂々とそのコードを利用し、「車輪の再発明」を回避することができる。
開発者の利益
一方、ソフトウェア開発者にとってもオープンソースはメリットがある。
ソフトウェアを開発すると、当然開発者はその著作権を有する。もし開発者がプログラム等の制作物を頒布(はんぷ: 広く配り、行きわたらせること。)する場合、オープンソースライセンスなら、著作権を放棄することなく、第三者に利用してもらうことができる。設計図やソフトウェアなどの配布物をどのように利用するかについての条件を設定できるのである。
「ライナスの法則」をご存じだろうか。これはLinuxカーネルの開発者であるLinusが提唱する考えである。曰く「大勢の目玉があれば、どんなバグもたいしたことはない」とのこと。つまり、テスターや共同開発者の数が多ければ、バグは迅速に発見され、改善されると述べている。この法則に代表されるように、オープンソースライセンスの適用は、開発者の権利を保護しつつ、開発物を多くの人に利用してもらい、有益なフィードバクを迅速に得ることができるのだ。これにより少ないリソースで高品質で多面的なソフトウェアを開発することができるのである。
コミュニティ全体の利益 – コラボレーション
オープンソースは、コラボレーションのためのシンプルなフレームワークの提供にも非常に役立つ。大元の開発者がプロジェクトの参加者に、一定の条件のもとで著作物への追記や修正を許可することで、コラボレーションが可能になる。コラボレーションによる利益は、コミュニティを越えて拡大する。オープンソースは、共有されたリソースに対して徐々に価値を付加していく開発者がいるような、多様なエコシステムの創出に貢献する。これは開発者と利用者という垣根を越えて、コミュニティ全体に利益をもたらす。
以上のように、コミュニティ全体の発展を加速させるオープンソースの概念は、確かに現代の技術開発には不可欠だ。オープンソースの活用こそが、技術発展の未来を左右するといっても過言ではないだろう。
もし商用製品の設計において第三者の制作物を利用する際、その制作物の商用利用が可能かどうか、または、ハードウェアやソフトウェアを開発するとき、オープンソースライセンスのもとに資料を公開する権利が開発者にあるかどうか、こういった権利に関して不明確な箇所のあるとき、事業者は必ず弁護士に相談するべきだろう。
注意:この記事には、一切の法的助言も含まれていない。