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電気自動車と化石燃料車について知っておくべきこととは?

Electric vehicle charging

昨今、テスラ自動車を筆頭に電気自動車(EV、HEV、PHEV 等)の話題を耳にしない日はないくらい注目があつまっています。世界的な自動車製造会社の大半は、内燃機関以外のエンジンの開発投資を加速させてますし、ハイブリッドなど内燃機関に依存しないエンジン車の製造を始めています。

特にここ数年では、走行距離等のパフォーマンス性能が向上したことから、電気自動車を受け入れる消費者の数が急増傾向であり、この動きは成功をおさめつつあります。

世界中の政府もまた、電気自動車の採用を奨励しており、全国規模の様々な制度の下、助成金やローン補助により、需要が高騰しています。

その一方で、従来型の化石燃料車は依然として新車売上の大半を占めています。今のところ順調な電気自動車の普及は、世界的な覇権となっているディーゼルや石油などの内燃機関エンジン車にとって代わる事ができるのだろうか?と、疑問がわいてきます。

エンジン周りのマーケットの変化に直結するこの類の論争は、自動車業界で働くエンジニアにとって重要な意味を持ちます。内燃機関から電動化の技術変化によって、バッテリーアーキテクチャや、システム統合、IoTベースのコネクティビティ、テストなどの幅広い技術的分野において、新しく、これまでと異なるプロセスが生み出さることになります。

このことを念頭に、電気自動車と化石燃料車との間で行われている闘いについて、知っておきたい重要情報を5つにまとめてみました。

1. 世界的な自動車の累計

世界的な電気自動車の販売台数は、(入手可能な最新の年間数値から)2019年に初めて200万台を超え、累計で約720万台となっています。これは、国際エネルギー機関(International Energy Agency)の報告書によると、世界的な車両販売数の2.6%を占めているようです。2020年の数値は、世界的なパンデミックによる緊急事態の影響を受け、あらゆる部門において間違いなく、新車の購入が減少するでしょう。しかし、電気自動車が販売に占める割合は、前年と比較して、必ずしも台数によるわけではありませんが、上昇するものと予想されます。さらに、2040年までは、路上を走る車両の半分程度は依然として化石燃料車であるものの、新車のほぼすべてが電気自動車となり、ここから急激に変化が加速化されることになりそうです。

2. ノルウェーは電気自動車採用レースでリード

電気自動車の採用率は、地域や国ごとにかなりの違いがあります。現在のところ、ノルウェーは群を抜いており、2020年のある数ヶ月の間に販売された新車のうち、3分の2が電気自動車でした。ハイブリッド車を含めると、この数字は89%まで上がります。この圧倒的な需要の増加を後押ししているものは何でしょうか?ノルウェーは、電気自動車に対して十分すぎる助成金制度を導入しており、消費税、道路税の減額や、道路通行料の免除などの、多くの奨励策と優遇策が設けられています。ノルウェーは皮肉にも、豊富な石油とガスによる収入がある比較的裕福な国でもあり、世帯収入の中央値が高いことから、人々が新車に買い替えることが多い傾向にあります。

3. 電気自動車が環境に優しい主な理由

電気自動車から排気ガスが排出されることはないため、道路上での排気量という点では、電気自動車が化石燃料車に比べクリーンであることは間違いありません。しかし、電源をどこからか得る必要があります。この電源は多くの場合、石炭やガスを使った火力発電所より供給されています。そういった発電所からの排気ガスが、電気自動車の「ライフタイム」に組み込まれるのであれば、ディーゼルやガスに対する、電気自動車の環境上のメリットはあるのか、疑問が出てきます。しかしながら、英国のエクスター大学とケンブリッジ大学、オランダのナイメーヘンによる最近の研究では、 電気自動車は、世界の95%において、炭素の排出の減少につながるとしています。発電の際にかなりの量の化石燃料が使われたとしても、風力や太陽光発電のような再生可能エネルギーが増加することが考えられるからです。報告書によれば、唯一の例外として、発電方法の多くに、未だ石炭を使用しているような、ポーランドなどの国々が挙げられています。

4. 総所有コストは僅差

電気自動車と、内燃機関車(ICE)との総所有コストを比較するのは決して容易ではありません。非常に多くの車両の組み合わせが考えられるため、正確な比較というのは難しいといえます。しかし、研究では異なる分類と扱われていたとしても、できる限り互いに「似た」車両を比較しており、車の馬力を合わせ、オートマチックトランスミッションをもつ内燃機関を選択し、同じような大きさの荷物スペースのあるモデルを選択しています。こういった方法によるレポートの一つには、あらゆる国々で平均した、同一セグメント内で比較した結果から、電気自動車の総所有コストは912件中の508件において、電気自動車の方が、内燃機関車よりも低くなっています。これは、かろうじて過半数の56%です。電気自動車が優れている点としては、メンテナンス、税金、燃料代などが挙げられ、一方、内燃機関車では減価償却、保険代といった点で優れています。

5. 走行距離への不安が依然として原因

最終的に、電気自動車と内燃機関車の闘いは、法律と消費者の選択の組み合わせにかかってきます。すでに概説したように、消費者の環境に対する意識と新しい技術の受容が、電気自動車に対する理解を推進しています。しかし、これまでも大きな障害となっているのが、走行距離に対する不安です。そして、解決しなくてならない課題であり続けています。欧州連合は、2020年に25万か所の公共の充電スポットを設置しました。欧州自動車工業会によると、2024年にはブロック全体で100万か所2029年には300万か所に増大させる必要があるとのことです。これを実現するにはかなり行動を加速させなければならず、達成できなかった場合、電気自動車革命にはブレーキがかかることになります。

ここまで述べてきたものが、自動車部門におけるバッテリー車vs化石燃料車の状況についての概要です。近年では、電動化に向けたトレンドが加速化していることは間違いなく、より多くの頻度で、新しいモデルが導入されるようになっています。唯一の問題点は、この移行が進むスピードであり、また、その変化によって、内燃機関車が過去のものなるのかということです。

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