United Statesからアクセスのようです。言語設定をEnglishに切り替えますか?
Switch to English site
Skip to main content

「ファクトリーオートメーション(FA) x AI」でエンジニアが知っておくべきこと

インダストリー4.0(Industry 4.0)は常に進化していますが、人工知能がよりエッジに近い部分で使われるようになることで、さらに大きな変化が起きると考えられます。

第4次産業革命を意味するインダストリー4.0という言葉は、2015年に初めて使われ、産業界全体で急速に受け入れられてきました。当時、人工知能(AI: Artificial Intelligence)に関して特に言及はなかったものの、インダストリー 4.0は一般的に、ファクトリーオートメーション(FA: Factory Automation)分野におけるデジタルトランスフォーメーションの過程によって、柔軟に変化する用語だと考えられます。

FA市場は、コストが重要な、日々目まぐるしく変化している垂直市場です。FAでは、コストを最小化するため、使用する技術が常に進化しています。小さな積み重ねが、のちに大きな節約につながりますが、これがより複雑になるにつれて、サプライチェーンはより多くの層に対し、技術開発が必要になります。専門のプロバイダーは、この要求にこたえるために、ソリューションを開発、適応させることで対応しています。この記事では、どのようにして世界が発展しているか、そして、いかにしてAIが、オートメーションや、エンジニアリングコミュニティーに影響を与えているのか見ていきます。

オートメーションの小史

オートメーション(ここではFAだけにとどまらず、様々なタスクの自動化を指しています)は、1960年代初頭の、産業用ロボットから始まったと言えます。ただ、オートメーションは生産ラインから始まったという議論もあり、これは最も古いもので、ヘンリー・フォードの時代までさかのぼります。

ロボット工学によって生産ラインに革命が起き、ロボティックプロセスオートメーション(Robotic Process Automation)という言葉が生まれました。これは基本的に、機械やソフトウェア上で実行でき、人間のオペレータが全く、あるいはほとんど必要ない、単純な繰り返しプロセスにおいて用いられます。

生産環境におけるオートメーションには、原材料が常に一定で流れる必要があります。原材料が流れ続け、加工品が詰まらない限り、加工するようにプログラムされたロボットは、この加工というタスクを永久的に行うことができるかもしれません。こういった原材料 / 加工品を取り扱う行程は、マシンテンディング(Machine tending)と呼ばれています。ロボットが登場した際、ロボットは静的で、比較的少数のタスクを実行するために導入されていました。そのため、当初は熟練のオペレータによるテンディングが必要でしたが、ロボットの技術が発展するにつれ、熟練オペレータの必要性は低くなりました。現在では、一部のマシンテンディング作業が、他のロボットによって行なわれているのでしょう。

AI in automation

こういった傾向は、AIの導入によって急速に拡がっています。これが「完全自動生産」のコンセプトを作り上げ、人間が全く、あるいはほとんどおらず、照明が必要ない、「消灯」生産を実現します。

5つのカギとなる技術

AI やオートメーションによって、新たな道が切り開かれる領域は多く存在します。つまり、完全に再生可能な素材からのエネルギーで稼働する、完全自動工場において、オンデマンドで生産を行えるようになるかもしれないのです。

そのためには、いくつかのカギとなる技術が必要です。AIの導入により、これらの分野すべてにおいて、それぞれ独自のデジタルトランスフォーメーションが進行しています。

インテリジェントプロセスオートメーション
これは、ロボティックプロセスオートメーション(RPA、詳細は前述)がAIの導入によって、どのように変化しているのか説明するものです。実際のところ、もうロボットは、繰り返し同じ方法で、変化のない作業を行う必要はありません。ロボットは、依然として同じ作業を行うこともあるでしょうが、外部の条件をはじめとしたさまざまな影響により、作業方法を変えたり、改善したりすることができるようになります。例えば、マシンビジョンを用いて、原材料のわずかな欠陥を検出ができるといったことが挙げられます(下記参照)。

コボット(Cobot)
協働ロボットとも言いますが、これは、人間のオペレータと一緒にタスクをこなすように、特別に設計されたロボットのことです。ロボティックプロセスオートメーションやインテリジェントプロセスオートメーションとは大きく異なり、ロボット自身が、周囲の状況に注意を払う必要があります。さらに重要なこととして、コボットは人間がそばに居ても、安全であるように設計される必要があります。多くの産業用ロボットは、ケージで囲まれた区域内で稼働し、ロボットの稼働範囲に人間が入れないようになっています。それに対してコボットは、人間との間に物理的な壁が存在しません。AI等の技術を使うことで、潜在的な危険を検知し、安全対応ができるようになっているのです。

マシンビジョン
マシンビジョンは新しい技術ではありませんが、AIのおかげでアップグレードされつつあります。生産ラインにカメラを設置するのは珍しいことではありませんが、カメラ内にAIを搭載したり、カメラからの情報をAIで分析したりすることで、マシンビジョンが新たなレベルへ進歩します。

自律走行搬送ロボット
コボットは人と協調して稼働しますが、まだ静的であるといえるでしょう。自立走行搬送ロボット(AMR:Automated Mobile Robot)は、より広い範囲を移動し、作業を行うよう設計されています。AMRでは、AIを用いて制御を行うだけではなく、自己位置や周囲環境の状況を把握したり、潜在的な危険を検知したりすることが可能でしょう。

エッジ処理
これにより革命が起きるのは、FAに限りません。AIや機械学習がより多くのデバイスに搭載されるにつれ、ネットワークのさらにエッジ付近に、こういったデバイスが配置されるようになります。IoTでのスマートノードはエッジ処理のうちのひとつですが、スマートマシン(AI + ロボット)も同様に、エッジ処理を行うようになるかもしれません。

オートメーションにおけるAIの未来

人工知能には、さまざまな形態が存在します。AIによって自動化されたタスクには、専門性と一貫性がもたらされ、作業がさらに効率的になるでしょう。また、システム自身が学習できるようになり、様々な変化に対処する能力を、一層高めることも可能です。

変化しない経験の繰り返しと、継続的に学習や、改善を行う能力を組み合わせたものは、人工知能システムならではのものであり、この部分こそが将来、AIからFAにもたらされるものと言えます。

AIは、この先10年間にわたって、あらゆる産業を成長させると期待されています。アナリストの間では、AIがこの10年間に20%ほど産業の成長を助長するだろうと言われているようです。

技術とテクニックが共に発展していくことで、AIがより一層、FAに統合されることが期待されます。こういった技術はハードウェアとソフトウェアの両方のもので、すべての業種にわたって、幅広く応用可能でしょう。その技術を導入するためのテクニックは、適用するアプリケーションによって調整されます。

こういったことから、AIは特定のオートメーション作業から浸透していくことが予想されます。これはすでに現実となっており、例えば、製品検査に使用されるビジョンシステムでの機械学習が挙げられます。

今後のオートメーション分野におけるAIの普及具合を、軽く見ないほうがよいでしょう。近い将来、様々な層で動作するAIによって産業プロセスの大半が実行され、製造業に新たな風を吹かせるかもしれません。

Favourite things are Family, Music and Judo. Also, I have the ability to retain and quote useless facts, something that pleases me but can annoy others. My engineering hero - Isambard Kingdom Brunel