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オシロスコープを選択するときに検討すべきこと

オシロスコープは、回路のトラブルシューティングや信号品質のチェックのために信号を調べる機器だ。一般に50~200MHzの帯域幅に対応している。オシロスコープは、ほぼすべての設計ラボ、教育ラボ、サービスセンター、製造施設で使用されている。

デジタルストレージオシロスコープ

オシロスコープは、電子機器の設計・製造・修理に関わる人にとって必携のツールだ。

デジタルストレージオシロスコープ(以下、DSO)は波形を捕捉して保存する。波形から、信号の電圧と周波数、信号の歪みの有無、信号間のタイミング、信号内のノイズの割合をはじめとするさまざまな情報を読み取ることができる。

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帯域幅

システム帯域幅によって、オシロスコープのアナログ信号測定能力、より具体的に言えば機器が正確に測定できる最大周波数が決まる。帯域幅は価格を左右する重要な要素でもある。

5倍の法則」で何が必要かを決める

例えば100MHzのオシロスコープの場合、100MHzでの減衰は30%未満と保証されている。20MHz未満の入力信号には、2%を超える振幅確度を確保することができる。つまり、正確な振幅測定を行なうには、信号の最大周波数成分に対して、5倍の周波数帯域をもつオシロスコープを使用する必要があるということだ。

デジタル信号の場合、立ち上がり/立ち下がり時間の測定がカギだ。帯域幅はサンプルレートと共に、オシロスコープが測定可能な最小立ち上がり時間を決定する。

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プローブにも帯域幅の仕様がある。そのためプローブとオシロスコープによって構成される測定システム全体の帯域幅は、オシロスコープの帯域幅と異なる可能性がある。低帯域幅プローブを使用すると総合帯域も低くなるため、オシロスコープに合ったプローブを使用する必要がある。

サンプルレート

オシロスコープのサンプルレートは、ビデオカメラにとってのフレームレートに相当する。つまり、スコープが波形の詳細をどの程度捕捉できるかを決めるのがサンプルレートだ。

5倍の法則」で何が必要かを決める

サンプルレート(1秒あたりのサンプル数、S/秒)は、スコープが信号をサンプリングする頻度を示している。ここでも「5倍の法則」に従って検討を行なう。信号の最大周波数に対して、サンプルレートは少なくとも5倍とするのがよいだろう。

ほとんどの基本的スコープは(最大)サンプルレートが1~2GS/秒であり、帯域幅は最大200MHzである。つまり多くのオシロスコープは、最大帯域幅より5~10倍オーバーサンプリングになるよう設計されている。

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サンプリングの速度が高いほど情報損失が少なくなり、スコープはテスト対象の信号をより詳細に表示できる。ただし、メモリ残量の減り方も速くなるため、捕捉時間が短くなることに注意したい。

チャネル数

デジタルオシロスコープはアナログチャネルをサンプリングして保存し、表示する。一般に、チャネルが多いほうが高性能だが、チャネルが増えると価格も上昇する。

必要なものを決める

アナログチャネルが2つのものと4つのものとどちらを選ぶかは、用途によって異なる。例えば、2チャネルならコンポーネントの入力を出力と比較できる。4アナログチャネルはより多くの信号を比較することができ、より柔軟にチャネルを数学的に組み合わせることもできる(乗算で電力を、減算で差動信号を算出するなど)。

混合信号スコープには更にロジックタイミングチャネルが追加されている。これは高の状態か低の状態を示し、併せてバス波形として表示することができる。どれを選択しても、すべてのチャネルが優れた帯域、線形性、ゲイン確度、平坦応答性、静電気耐性を備えている。

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一部の機器はチャネル間でサンプリングシステムを共有することでコストを節約している。ただし、オンにするチャネル数が増えるとサンプリングレートの低下につながるため注意が必要である。

適合プローブ

優れた測定には優れたプローブが必要だ。スコープとプローブは一体となってシステムとして機能するため、オシロスコープを選ぶ際にはプローブも考慮するべきである。測定中、プローブは回路の一部となり、抵抗負荷・静電容量負荷・誘導負荷を発生させるため、測定値は変化する。この効果を抑えるためには、オシロスコープとセットで使用することを想定して設計されたプローブを使用するのがよい。帯域幅がオシロスコープの帯域幅と一致している受動プローブを選ぶことが重要だ。

以下で、主要なオシロスコーププローブについて紹介する。

作業に合ったプローブを選択する

 
受動プローブ 

減衰比“x10”の受動プローブは、回路に対して制御されたインピーダンスと静電容量をもたらし、ほとんどのグランド基準測定に適している。多くのオシロスコープに搭載されている。入力チャネルごとに1つの受動プローブが必要である。

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高電圧差動プローブ

高電圧差動プローブによって、グランド基準オシロスコープは安全で正確なフローティングと差動測定が可能になる。ラボ必携のプローブだ。

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ロジックプローブ 

ロジックプローブはデジタル信号を混合信号オシロスコープのフロントエンドに送る。基板上の小さなテストポイントに接続するよう設計されたアクセサリ付きの「フライングリード」が付属している。

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電流プローブ 
電流プローブを追加することで、オシロスコープは電力を測定できるようになるのはもちろん、瞬時電力も計算して表示することができる。

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トリガ機能

必要なものを決める

すべてのオシロスコープはエッジトリガ機能を備え、ほとんどのオシロスコープはパルス幅トリガ機能も備えている。

異常を捕捉し、スコープのメモリ長を有効活用するには、捕捉が困難な信号に対して高度なトリガ機能を搭載したオシロスコープを選択する必要がある。

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トリガ機能の種類が多いほど、オシロスコープの汎用性は高い。さらに、問題の原因にもより速くたどり着くことができる。

  • デジタル/パルストリガ: パルス幅、ラントパルス、立ち上がり/立ち下がり時間、セットアップとホールド
  • ロジックトリガ
  • シリアルデータトリガ: 組み込みシステム設計はシリアルバス(I2C、SPI、CAN/LIN…)とパラレルバスの両方を使用する
  • ビデオトリガ


メモリ長

メモリ長とは、1つの完全な波形の記録中の総ポイント数である。オシロスコープは限られた数のサンプルしか保存できないため、一般にメモリ長は長いほどよいとされている。

必要なものを決める

メモリ長について、以下の式が成り立つ。
捕捉時間 = メモリ長/サンプルレート
つまり、メモリ長が1Mポイントでサンプルレートが250MS/秒の場合、オシロスコープは4msを捕捉する。最近のオシロスコープは、用途に合わせてメモリ長を選び詳細レベルを最適化することができる。

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優れたオシロスコープは2000ポイント以上を保存することができる。安定した正弦波信号(必要ポイント数は500程度)にはこれで十分だ。ただし、複雑なデジタルデータストリームのタイミング異常の原因を探るには、1Mポイント以上を検討する必要がある。

ズームとパン機能によって、目的のイベントにズームインし、エリアの時間軸を前後にパンできる。検索とマーク機能は、捕捉領域全体を検索してユーザー指定イベントの全発生点を自動的にマークできる。

数百万ポイントのメモリ長のオシロスコープは、多数の画面におよぶ信号活動を表示することができ、複雑な波形の検査には欠かせない。

Tektronix TBS2000オシロスコープシリーズ

Tektronix基本オシロスコープシリーズ

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