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飛行高度4インチ! 失敗から学んだ部品選択の重要性

Connector Geek
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1960年、アメリカは最初の有人宇宙飛行成功のためにソ連との競争に追われていました。アメリカの宇宙機関 NASA はその成功のため多数のロケット開発に追われていました。その内のマーキュリー・レッドストーン1号と名付けられたロケットは高さが25メートルを超え、レッドストーンロケットと小型のマーキュリーカプセルを組み合わせたものでした。

ロケット打ち上げ実験

このロケットの打ち上げカウントダウンが次第に0に近づいていき、異常もなく打ち上げも順調に成功するだろうと誰しもが思っていました。しかし結局のところ、この計画は失敗に終わりました。

上記ビデオのようにロケットのエンジンは点火後すぐに停止しました。その後ロケットでは次々と不可解な現象が起こりました。最初に起こったのは脱出塔の噴出、その後マーキュリーカプセルを安全に地球に運ぶために設計された回収用のパラシュートが放出されましたが、打ち上げ高度によりパラシュートは当然膨らみませんでした。同時にカプセルも発射台の上で動かずにいました。

その後、特に変な出来事は起こりませんでしたがさらなる被害が出る可能性は十分にありました。燃料を搭載し、内部電池を搭載し、爆発物を満載したロケットがまだそこにあったのです。しかし、運がいいことに風は穏やかでロケットは直立したままでした。

ロケットは4インチの打ち上げに成功しました!わずか10センチです。今のスマートフォンの長さより短いですね。もちろん4インチ”の飛行を目指していたわけではないのでこの計画は失敗に終わりました。では何が問題だったのでしょう?

結論から言うとこの計画の失敗原因はプラグ部品でした。正確には2つのプラグです。レッドストーンロケットは2つのアンビリカルコネクタが設計されていました。1つは制御用、もう一つは電力用です。打ち上げ時に制御コネクタが最初に分離しその後、電源コネクタが数秒後に分離するように設計されています。

マーキュリー・レッドストーン1号の打ち上げではこのロケットに合わない制御コネクタが取り付けられていました。それは長いもので別のロケット用に設計されていたものです。その結果、電源コネクタが2番目ではなく1番目に分離してしまったのです。この状況に陥るとロケットの内部安全システムがプログラムされたロジックに従いロケットエンジンが停止してしまいます。結果的にエンジンが停止した後のプロセスがビデオのような現象を引き起こす原因となっていたのです。

この失敗の教訓、一番伝えたい事は部品がなによりも重要という事です。どんなに取るに足らないように見える部品でも巨大なシステムを急停止させるような障害を引き起こす可能性があるからです。

この教訓を今の状況に照らし合わせてみましょう。電子機器以前の時代の機械とは異なり、現代の機器は電子機器に非常に依存しているため、1つの部品がミッションの成功と密接に関係しています。それは肉眼で見ることができないほど小さい部品も例外ではありません。

現代の電子機器のユーザーは自分で機械を修理するスキルや技術を持っていない傾向があります。また同時に機械も繊細さが増し、修理も難しくなっています。ひと昔前までは簡単な構造であり修理が可能でかつ丈夫なものが多々ありました。例としてダグラスDC-3型機は初飛行から80年以上経った今でも商業的に使用されています。その理由はDC-3がアラスカの原野で基本的な工具やちょっとしたノウハウさえあれば修理できるからです。これは現代のほとんどの機械にはない持続性や構造のシンプル化です。その代わり設計者は最初から適切な部品を選択することが非常に重要なのです。

この話の結論としてNASAは同じような事が二度と起こらないようにロケットを再設計しました。それから半年も経たないうちに別のマーキュリー・レッドストーンロケットが完成し宇宙飛行士アラン・シェパードを宇宙に運ぶことに成功しました。このミッションのおかげでアメリカはついに8年後、ニール・アームストロングら宇宙飛行士が月面に降り立つ道を歩むことができたのです。

何度も繰り返しますがたとえ締め切りが迫っていても、予算が限られていたとしても部品の選択を曖昧に決めてはいけません。あなたはその他の設計や面倒くささに駆られるかもしれません。しかしあなたの面倒くささや不合理なコスト削減とプロジェクトの失敗はどちらが良い価値をもたらすでしょうか?

小さい部品であっても侮らないで!あなたのクリエイティブ活動が良いものでありますように!

Connector Geek is Dave in real life. After three decades in the industry, Dave still likes talking about connectors almost as much as being a Dad to his two kids. He still loves Lego too. And guitars.

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