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パッドとビアは、基本的には銅で囲まれた穴という点では同じですが、何に使用するかという点で違いがあります。
パッドにはワイヤーをピンで通すための大きな穴があり、その穴がすべてのレイヤを貫通している「全層式」が一般的です。
対してビアには小さな穴と銅のランドがあり、一般的に配線やレイヤ間の銅の接続に使用されます。Proではその区別がより重要となるブラインドビアやベリードビアの設置が可能です。
DSPCBとProではツールバーに「Add Pad」アイコンがあり(ショットカットキーF4)、「Style」を持つパッドをPCBデザインに直接追加する事ができます。
同様に、DSPCBとProの両方でメニューバーの「Add」からビアを追加するための多くのオプションを選択することができます。
ここではスタイル「small via」のパッドとスタイル「small via」のビアの違いを説明します。
まずは色の違いに気づくと思います(デフォルトの設定を使用)、マウスを近づけるとテキストが表示されます。パッドがネットに関連付けられていないのに対し、ビアはネット(この場合はN0000)に関連付けられています。この事の関連性については後ほど説明します。
ではDesign Technologyの「LayerTypes」タブを見てみましょう。
「All Layer Pads」と「Vias」では、ソルダーマスク層を個別に制御することで、ビアをソルダーレジストで覆う事を簡単に制御できます(下図)。
この例では左に「Small Via」スタイルのパッドを、右に「Small Via」スタイルのビアを示しています。このビアはソルダーマスクで覆われており、ソルダーマスク層に開口部がないことからもわかるように、このビアはソルダーマスクで覆われています。
画像の上の部分はtop copperとソルダーマスクのレイヤ、下の部分はソルダーマスクのレイヤのみで、Design Technologyの設定に従っている事が分かります。
ビアは異なる層の銅を接続することで追加のスクリーニングを行い、また銅のトラックを平行に並べることで電流容量を増やすために使用されることが多いです。この場合は電流分担のバランスをとるために定期的にビアを配置します。
上記の操作はどちらも一般的に「スティッチ(stitching)」と呼ばれています。
Proの場合ユーザーガイドに記載されているような高度な機能がありますが、以下の様に手動でビアを配置することも可能です。
ベタ部分のビアを使ったスティッチングを説明するために、下のように複数のビアを配置します。それぞれのビアには配置時にネットが割り当てられ、この場合はN0005からN0015となります。
注意:通常は、スティッチを行う際にはビアを配置する前にベタエリアを定義しますが、今回はわかりやすくするためにビアの配置を先にしています。
まず上図のビアを全て同じネットに割り当てる必要があります。
選択ウインドウまたは複数選択(CTRL+マウス左クリック)ですべてのビアを選択し、右クリックしてProperties - "Net "タブを選択し、必要なネット(ここではGnd)を選択して<Apply>をクリックします。複数ネットの結合に関するメッセージ(注意メッセージ)が表示されますが必要な事なので<OK>を選択します(下図)。
これですべてのビアが同じネットになり、ラッツネストがビアに沿うように帯状に設定されました。
ではビアとパッドについての違いを図を用いて説明します。スタイル「Small Via」のパッドを配置し、右クリックして「Add To Net」を選択します(パッドは配置時にネットに割り当てられていないためです)。パッドをGndネットに追加します。
コピー(CTRL+C)とペースト(CTRL+V)を使って、パッドを列にして配置します。配置するごとに既存のネットと統合するかどうかを確認し統合してください。下では先ほど設定したGndネットで確認されています。
ポイント:一つずつではなく複数のパッドを選択しコピー&ペーストすることでこのプロセスを高速化できます。
上記のビアとパッドの例(一部はGndネットに割り当てられています)を使って、ベタエリアを設定し周辺をベタにします(下図)。
上記のデザインテクノロジーの設定では、ソルダーマスクはビアを覆っていますが、パッドは覆っていません。ネットに割り当てられていないパッドは、Gnd層に割り当てられていないビアと同様にベタとパッドの間に障壁がありベタと絶縁されています。
Proでは、ブラインドビアやベリードビアが必要なところに配置できるので、パッドとビアの区別が更に重要になります。
DSPCBではパッドとビアの両方を使用して同じような事ができますが、ネットの割り当てに関する両者の違いを理解することが重要です。またソルダーマスクを適用する場所の要件を簡素化する事ができます。