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ジェームス・ボンドのテーマを奏でるクワッドローター!?-群制御が切り拓く未来

こんにちは。今回の記事では、ある一本の動画を紹介させていただきます。まず初めに、下にある動画をご覧ください。

いかがでしたか。この映像は、ペンシルバニア大学の学生であるAlex、KuritsとDanielの3人が、彼らの研究を紹介するために作製した映像です。ロボットが楽器を演奏していること自体驚くべきことですが、何よりも凄いのは、人間の操作ではなく、ロボット同士が命令を出しあうことによって、これらの動きが再現されていることです。この映像がどうやって作製されたか、そしてこの研究にどんな意義があるのかを紹介していきます。

 

それぞれのロボットには、4つのローターが搭載されており、それぞれのローターの回転速度を制御することによって、ロボットの動きをコントロールしています。

映像中に出てくる道具や楽器に関しても、細心の注意が払われています。例えば、ロボットが離陸するための台は、離陸したらすぐに倒れるように、円筒を縦半分にしたものを使っています。また、キーボードについても、ロボットがなるべく他の機体と間隔を保ちながら演奏できるように、工夫されたつくりになっています。

さて、それぞれのロボットはどのようにして自律制御を行っているのでしょうか。作製風景を見ると、どうやら空間上に取り付けられたカメラでそれぞれのロボットの位置を把握し、その情報をリアルタイムでロボットに送っているようです。

撮影する様子にもかなりのこだわりが見られますが、なんと彼らはこの映像を三日間で作り上げてしまったそうです。凄まじい集中力ですね。さて、彼らの研究の意義はどのような点にあるのでしょうか。それを理解するために、彼らが在籍している研究室の教授であるVijay kumar教授がTEDという講演会でプレゼンテーションをしている様子をご覧ください。

ペンシルバニア大学のVijay Kumar教授は、自律飛行ロボットの研究を行っています。講演でも語られていましたが、この研究は様々な可能性を秘めています。例えば、人間が入れないような場所での安全調査を行ったり、建築作業なども行えるようになると教授は語っています。さらに、ロボットにカメラを搭載して建物内を探査することで、自動的に地図を生成することもできるそうです。

さらに、一台ではなく複数のロボット制御(群制御)を目指していると教授は語っています。途中のスライドに数式が出てきましたが、要するにロボットが小型であればあるほど小回りが利くため、大きいロボットを一台操作するよりも、複数の小型ロボットを利用した方が柔軟に作業が行えるということです。現在は、カメラによるモーションキャプチャによってそれぞれのロボットの位置情報を把握し、間隔を調整しているそうですが、それにしても凄い精度です…。

五年後、十年後にはこのような自律型ロボットが私たちの生活において当たり前のものになっているかもしれません。動画の中で使われているクワッドローターは個人でも手に入れることができるので、興味がある方は是非ご自身でもこのようなロボットを作成してみてください!