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皆さんが思い浮かべる1920年代のアメリカとヨーロッパは「グレート・ギャツビー」「フラッパー・ガール」「ギャングスター」「禁酒法」などの狂騒の20年代 が多いと思います。これらの特徴的な印象はハリウッドが大きな要因ですがこれら以外にも1920年代という年代には大きな”技術的”変化がありました。
歴史的に見ても1920年代は変化の時代でした。世界はまだ第一次世界大戦の影響から立ち直れておらず、社会が不安定であり日常が絶えず変化していました。20年代はアメリカとソ連の超大国が誕生しこの2大国が今後の70年の歴史を大きく左右していきました。技術的に重要な発展を遂げた1920年代の一世紀後、つまり今の2020年代とはどのような繋がりを持っているのでしょうか?
大量生産
1920年代の技術ではないですが 大量生産の概念が広く普及したのはこの頃です。1927年までにはフォード・モーター・カンパニーが24秒に1台、自動車を生産していました。そのため自動車は手ごろな価格に収まり一般人でも手に入れることができるようになりました。また個人での移動手段が大幅に増えたのもこの頃です。有名な黒色一色のみのT型はヘンリー・フォードの名言で有名ですね。このような黒一色になったのは大量生産と経済性の結果から生まれたものです。1色だけを提供することでコスト面の改善、さらには黒の塗料のほうが乾くまでの時間が短く生産ペースをより速めることができたのです。
さて、それから100年後の2020年代は電気自動車の時代になるでしょう。大手自動車メーカーがバッテリー駆動の電気自動車市場に本格参入することになります。これまで電気自動車というのは自動車産業ではあまり注目を置かれず発展もイマイチでした。しかし環境意識の変化やそれに伴う各国の法律の改変により電気自動車のニーズが高まっています。もちろん消費者の需要も電気自動車に向いています。大手自動車メーカーは今後電気自動車やその類の技術を新しく採用し開発を進めるか今までの自動車、技術を続けて取り残されるリスクを背負うかの選択を迫られるでしょう。
前方注意!!
1920年代にはじめて目にした発明にテレビがあります。1926年にジョン・ロギー・ベアードがテレビのデモンストレーションを行った際に彼は今後、テレビのテクノロジーが多くの技術に影響され続けていくとは思わなかったでしょう。人間は情報を視覚的に捉えるのが好きです。テレビの技術はそんな視覚的に情報を捉えることができる技術で、今や至る所にあるディスプレイもこのテレビから生み出された技術です。では2020年代の視覚技術にはどのような発展があるでしょうか?
画像: Hudway
一ヵ月前、私はヘッドアップディスプレイ(HUD)を搭載した新車に乗る機会がありました。ヘッドアップディスプレイは搭乗者の目線に直接重要な情報を表示させる事で目線を下げて表示器などを見る手間を省き、ユーザーの運転(作業)に集中できるように設計された表示器です。HUDは1970年代に第4世代戦闘機、 F-16 Fighting Falconに搭載されて以降、技術的に広がっていきました。
F-16は最新の素材、フライ・バイ・ワイヤ(FBW)コントロールシステム、そして独自の航空力学など多彩な新技術を得て作られました。中でも注目されていたのが多機能ディスプレイとHUDです。旧式のアナログダイヤル表示器や反射照準器では2人のパイロットが必要でしたが多機能ディスプレイとHUDはそんな2人分のタスクを1人で完遂できるようにしたのです。
この多機能ディスプレイが今や一般的な自動車に普及しました、またここ10年でこの技術が多くの分野で採用されるようにもなりました。HUDはまだまだ普及したとはいえませんが現在、一部の自動車や乗り物に導入されつつあります。2020年代にはこのような自動車など乗り物だけでなくウェアラブル技術にもHUDが搭載されるだろうと感じています。酷評だったGoogle Glassなどがそのよい例でしょう。いつかSF映画みたいなヘッドアップディスプレイが誕生し私たちの生活の一部となることが期待できますね。
再び月へ
ロバート・ゴダードは1926年に最初の液体燃料ロケットを打ち上げました。それまで固体燃料が長い間ロケット燃料の主流となっていました。しかし固体燃料は宇宙開発に実用的ではありません。固体燃料の特徴として、一度起動すると燃料が尽きるまで止めることができません。また、一度点火した固体燃料ロケットの推進力を変化させる方法もありません。
液体燃料はそんな固体燃料の不足部分を補ってくれます。そして液体燃料ロケットの発明は宇宙開発の目標に向けた大きな一歩でした。成功例としてサターンV型ロケットに搭載されたF-1エンジンは強大なパワーを生み出すことができました。このような液体燃料を搭載したロケットはジェットエンジンと同様にスロットルを上げたり下げたりすることができます。アポロ13号のミッションではシム・ラヴェルを含む乗組員を安全に帰還させるため液体燃料ロケットを用いる飛行制御に頼っていました。
NASAやそれ以外の宇宙開発業者は2020年代の 有人月面飛行の再開や火星への有人飛行を話題にしています。いずれの目標にも上記の液体燃料技術はミッションの成功に欠かせません。固体燃料もスペースシャトルやアリアンなどの最初の打ち上げプロセスで地球の重力から抜け出すために使用されています。人類が今後革新的な技術を完成させるまでは宇宙開発において液体燃料が主流となるでしょう。
画像: NASA
技術開発にこれほどまで注目できる10年を味わえることはそうそうありません。2020年代には人口増加や気候変動に対応するいくつかの大きな課題が待ち受けています。ですが、過去の技術、概念と新しい技術、概念が合わさることによるイノベーションはこれらの課題に有効に働くでしょう。新技術は私たちの心をわくわくさせるだけでなく未来に希望を与えてくれます。
新しい 1年 10年へ
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