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産業IoT がネスレの食品製造資産の効率化を実現!

leonie
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Calum Finn氏は、英国ヨーク州にあるネスレのお菓子工場でエンジニア見習いの工場技術者として働いている。今年で3年目になる。彼は先日の英国の発明コンテストでとてもユニークなアイデアで受賞を勝ち取った。彼の受賞の概要はこちらで確認できる。

後日、私たちはCalum氏と連絡を取り、彼が受賞したネスレ英国のPoloミント工場の『メカトロニクス プロジェクト』についてより詳しくお話を伺うことができた。

ネスレでのあなたの役割について教えてください

私は、小規模から中規模のプロジェクトの一員として、保守管理、PLCプログラミング、工業用電気回路の故障の発見、重/軽機械工学、設置工事など、さまざまな分野の専門家の先輩指導者に付いて勉強しています。また、現場で実務経験も積めるように、先輩と一緒に故障発生の現場に赴くことで、これらの実務技能の習得にも取り組んでいます。私は中央の保守作業場とPoloミントのセクションで2年の経験を積み、現在はキットカット 第4課に配属されています。このような環境の変化は、自分の成長にとって有益なものでした。新しい機械や異なる機械に触れることができ、工業技術のさまざまな課題を知れたことはもちろん、生チョコレートの原料や、砂糖の有無の原料の違いや、それらの原料がどのように処理されて製品になるかについても深く理解できました。

工業技術の電子と機械の専門分野を融合させているということですね。ネスレがこのようなアプローチを採用しているのはなぜですか?

実習期間が完了すると、電気/電子工学と機械工学の資格を得ることができるので、2つの専門知識を備えた保守技術者になることができます。2つの専門分野を融合し学ことで、装置と機械が全体的にどのように機能するか総合的に理解できるため、保守作業スキルにとって非常に有用だと思います。例えばクラッチの機械組立と、そのモータの配置から、適切なソフトスタート方式のインバータドライブのための電気的なモータの巻線の配線の見直しを行うなど、2つの専門知識を備えていれば、電子と機械の両方の分野が求められる作業ができるので、ビジネスにとってメリットがあります。

Main control panel

英国ネスレの見習い制度について教えてください

ネスレの「見習い制度」への参加者は年々増えています。今年は66名の新人を見習いとして採用する予定です。

特に「エンジニア見習いコース」は、ネスレが実施して制度の中で最も人気のあるプログラムです。知識を共有するのが好きな先輩の社内技術者が、こうした実習生に優れた工業技術の基礎を伝えることができることが人気の理由だと思います。

ネスレでは、学びながら収入が得られる各種の見習いプログラムを備えていることに誇りを持っています。この見習い制度、実はここ数年で財務、IT、サプライチェーンにも拡大され、レベルもChartered Manager Degree Apprenticeshipにまで拡大されています。

ネスレの実習生は、やる気に満ち溢れ、新しいアイディア、熱意、そして技術をネスレのビジネスにもたらす存在なのです。

受賞したプロジェクトについて教えてください。エアハンドリングユニットの漏れの影響はどのようなものだったのですか?

私のプロジェクトは、エアハンドリングユニット(AHU)で露(つゆ)を貯める部分に発生する問題で、Poloミント部門に影響が生じたことから始まりました。この問題自体は、製造設備としてはさほど難しいものではありませんでした。しかし潜在的な汚染リスクになる可能性があり、適正製造基準(GMP)を満たすために品質対策が必要なことから、Poloミント部門にも影響が生じたのです。このため、AHUの状態をリアルタイムで自動チェックできる自律型『スマートソリューション』の必要性が生じました。

このプロジェクトは、BDA(Breakdown Analysis: 故障分析)に基づいて、詰まりやシステムの故障といった問題を技術者と管理スタッフにメールで通知するといった予防的なメンテナンスソリューションを導入することで、先のような問題の再発のリスクを減らすために重要な役割を担っていたのです。その後、漏れの影響が生じる前に、AHUのフィルタを交換することで、この問題に対処することができました。

私のソリューションの導入の代替案として、現在ある古いAHUを、同等の仕様の最新の代替品に交換する案がありましたが、残念なことに、ダクト全体の再設計、設置、最終的な生産停止時間(ダウンタイム)など、AHU 7台すべてを交換するのにかかる費用の見積りが管理予算を大幅に超え、さらに、既存のAHUも古くなっているため、従来型の解決策は適切ではなかったのです。

作業指示書で計画されている定期的な保守作業の一貫として、フィルタは定期的に交換されてはいました。しかし、フィルタの寿命は、消費者からの製品需要の変化や、それによる四半期の生産計画の変更や、定外のAHUの使用によるフィルタの早期の詰まりなど、さまざまな不安定な要因によって左右されてしまうため、難しい問題となっていました。フィルタの使用期限がすでに切れていてAHUの漏れのリスクが生じている場合や、フィルタがまだ機能しており、交換すると無駄な支出になってしまう場合などがあり、フィルタ交換のスケジュール設定を簡単に標準化する方法はありませんでした。

あなたが採用した解決策の総コストはどれくらいでしたか?


私の方式の場合、 わずか £276.32 です。(約40200円 2017-07-20現在)

あなたは効率化実現のために、最小限の部品コストで投資の回収期間の短縮を達成しています。その計算はどのように行ったのですか?

新品のフィルタに交換した直後に詰まりが発生した場合など、フィルタの購入と外部のサービスエンジニアの定期的な利用にかかる費用はますます増加していきました。私のシステムでは、空気流量に対する圧力差の効率を示す数値に基づいて正確にフィルタを調査することができます。こうした効率を示す計測値は、AHUから直接的にArduinoを用いて収集し、データロガーを使用してログに記録されます。その結果、メーカーが指定した許容範囲内に数値が収まっているかどうかに基づいて、フィルタの交換が必要かどうかを正確に判断できるようになりました。これにより、目視によるフィルタ点検での人的ミスがなくなったのです。

投資の回収期間の短縮に関して、私のプロジェクト全体のコストは、とりわけ工場内のHVAC(Heating, Ventilation, and Air Condition: 暖房換気空調)設備で実施された同様のプロジェクトと比較すると、実に最小限といえるものでした。HVACのプロジェクトでは、同様の成果を達成できましたが、いくつかの構成部品と外部サービスの利用によりコストが大幅に高くなってしまっていました。私のプロジェクトは社内すべてにおいて実施され、York工場の中央の優れた作業設備を活用することで、人件費を抑えることもできました。また、手頃な価格の高品質な工業用部品で設計・構成されており、未知の「ブラックボックス」の影響がなくなったことで、外部のサポートが不要な社内スタッフですべてをまかなうことができるようになりました。

プロジェクト用にどのような部品をRSで購入しましたか? それを購入した理由も教えてください

購入したのは以下の商品です。

  1. Chinfa 13.5W DINレールパネル取り付け電源、Vin 9 → 36V(DC)、Vout 5V(DC)、I/O絶縁1500V(DC) (896-2209)
  2. DWYER-616KD-04圧力スイッチ (906-9446)
  3. Arduino Unoケース、透明 (860-7599)
  4. Arduinoプロジェクトエンクロージャ
  5. Arduino Ethernet Shield 2、PoE対応 (873-2294)
  6. Arduino UNO R3開発ボード


Arduino とそのケースを作る様子

Poloの生産環境は基本的にペースが速いため、RSの翌日発送サービスは、私のプロジェクトにとって非常に助かるサービスでした。これにより、計画通りに納期を達成することができるだけではなく、計画を前倒しできる場合もありました。技術ストアではなく、私たちのR&Dセンターに間違って配送されるといった問題が発生した場合でも、RSが提供する優れたサービスによって、プロジェクトを実際に前に進めることができたのです。私がRSに注文すると、サービス担当者が注文を専門的に追跡し、配送先と担当責任者についても正確に通知してくれるからです。

機械工学と電子工学の融合技術ソリューションが、効率化・低コスト化で優れている事を示す好例ですね!

はい。今回私は、このような精密で高価な生産現場の空気処理システムを担当し、独自の解決策を考え、そしてその課題を解決できたことをとても嬉しく思います。この経験は、設計・設置・導入を通して、機械工学と電子工学のシステムの両方の理解をさらに深め、また今回のような工場の他の重要なソリューションを開発する自信にもつながりました。

今回の実験で、劣化で性能低下したAHUでコスト削減と効率化が実証できたため、Poloミント部門の保守管理チームは、部門内の残りの7台のAHUに同じ設計を展開する予定です。

 

私は、このプロジェクトにより、Polo Mint部門、ネスレのビジネス、そして自分自身に大きなメリットをもたらしたのだと断言できます。このプロジェクトは、古くなった設備資産を大きく改善できるコンセプトを証明しました。また、産業とIIoT(産業用IoT)の将来の大きな可能性を示すこともできたのです。こうした問題を外部企業に任せる膨大なコストがかかりますが、オープンソースの技術とアイディアを活用し、このような問題の解決策を創造する熱意のある従業員がいれば、今回のようなソリューションを提案できることを、このプロジェクトは証明しているのです。

ネスレの見習い制度についてはこちらを参照してください...

DesignSparkでの記事の作成にあたって、Calum Finn氏とそのマネージャー、そして ネスレ社 Communications & Corporate AffairsとHRチームに感謝いたします。

DesignSpark Community Manager and all-around geek girl.

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