回路図の階層化の方法を教えてください。
このチュートリアルの対象利用者:
DesignSpark PCB V11.0.0DSPCBでは複数ページに跨った回路図を描く事ができます。これにより規模の大きな回路図面を描く事もできます。更に有料のEngineerプランなら、特定回路をブロック化し1つのコンポーネントシンボルのように記載できる「階層化機能」が使えるようになります。この階層化機能には以下のメリットがあります。
- 回路図の機能をトップレベルから見渡しやすくなる
- 同一回路を複数繰り返すようなマルチチャネル設計が大幅に簡素化される
- 一度作成した回路ブロックを別の設計で再利用する事ができる
- 動作検証済みの機能を再利用する事で無用のトラブルを削減できる
回路図階層化の概要
マルチシート回路図は設計を機能単位に分割記述できる強力な手段ですが、Engineerプランの階層化機能では回路の共通部分をブロック化する事ができます。これにより、トップレベルでは機能単位にまとまったブロック図に落とし込むことが出来ます。
またよく利用する回路要素をブロックの再利用で記述する事もできます。各ファイルの関係性は下図の通りです。
ブロック構造の例
階層回路図作成の詳細については、Menu > Help > Online Manuals > Users Guideを参照ください。
具体的な設定方法
Menu > Add > Block を選択。
次に、ブロック名、ブロックの説明、ポート数など、ブロックの定義を設定します。ブロック内の回路図作成の方法にはいくつかありますが、ここでは General New Shematic Design で行います。
上記の画面でAddボタンをクリックすると、現在の回路図シートに設定したブロックが配置されます。「Push into Block」もしくはショートカット<PgDown>で、そのブロックの回路図シートが開きます。
次に、 Menu > Block Port を選択し、ブロック回路の入出力端子にあたる「ポート」の設定を行います。
必要なブロックポートと回路を作成し保存します。これで階層ブロックが完成し、メインの回路図設計の要素となります。
以下に、ポートを強調表示した階層ブロック内の回路を示します。
以下の図でわかる通り、階層構造によって最上位レベルでは各機能とそれらの関係性をより明確に理解できるようになっています。
ネット名はどうなるのか?
N0098、N1056 のような自動で命名されたすべてのネットは、そのシートに対してローカルであるため、シート外と接続されることはありません。
DigIn3、+5V、CS などの名前付きネットはすべてグローバルであり、シート内外で接続されることになります。
これらのルールは階層設計にも適用され、これにより、ブロックを他のブロックや回路図の残りの部分から独立させることができます。
補足
ブロック形状には、フィルタ、アンプ、RFブロックなどの機能を表すシンボルを選択することができ、回路図の機能をより明確にすることができます。
これらのブロックは、現在の設計上で複数個分再利用したり、以前の設計から再利用することもできます。
これを支援するため、ブロックを最初から再作成する必要はなく、以前の設計から選択的にキャプチャして作成できるため、設計プロセスが高速化され、正確なコピーが保証されます。
コメント