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はじめに
DesignSpark PCBとDSPCB Proはマルチシート回路図(複数の回路図をまとめて処理する機能)をサポートしており、デザインを小さなセクションや機能に分割できるため、大規模な開発プロジェクトに対応しています。
さらにDSPCB Proには回路図を階層化して設計する機能があり、回路の機能性を明確にするためにブロック回路図のシンボルをデザインに入れることができます。
ブロックの詳細な回路図はブロックをクリックするだけで別のシートに移動し表示できます。
階層化されたデザインはフラットなマルチシート回路図デザインに比べ以下のような利点があります:
- トップレベル(最上層)の回路図デザインを見れば回路の機能を理解できる
- マルチチャンネルの設計作業が大幅に簡素化される
- ブロックは他のプロジェクトで再利用可能
- 以前作成した認証済みの設計(ブロック)を使用することでエラーの発生を減らせる
「階層化」された回路図デザインを使う理由
「はじめに」では主な機能とメリットを紹介しましたがここからはより詳しく機能を説明します。
マルチシート回路図デザインはデザインを分離する方法です。DesignSpark PCB Pro ユーザーであればこのマルチシート形式のデザインを「ブロック」機能により追加シートを作成し階層化デザインを強化することができます。
トップレベルを極限まで追求すると機能回路の相互接続を示すブロック図になります。これは機能的な要素を示す構造的設計です。つまり「トップダウン」なアプローチというわけです。
またよく使われる回路素子を再利用することもできます。これにより回路図デザインにおいて定義済みの回路素子を再利用してソリューションを構築する「ボトムアップ」デザイン(なアプローチ)が促進されます。
トップダウンとボトムアップの両方を組み合わせたデザインは非常に柔軟性があります。
基本的なプロセスフローの構造は下図の通りです:
下図は様々なオプションが表示されているより詳細な図です:
階層化デザインの作成プロセスの詳細はDesignSpark PCB User ガイド および「Help」に記載されています。参照してみてください。
基本的な手順:
ここからは実際に階層化デザインを作成する際に用いるブロックについて紹介しより実践的な階層化デザインについて説明します。
1.ブロック利用設定
メニューバーの「Add」を選択します。
2.ブロックの設定
ここでブロックの名前や説明、ブロックポート数などのブロック要件を設定します。ブロックに回路図を追加する方法はいくつかありますが。今回はここで新しい回路図デザインを作成します。
3.ブロックの追加
「Add」をクリックすると現在の回路図シートにブロックが表示され回路図を追加することができます。メニューの「Push into Block」またはショートカットの<Pgdown>を使うとそのブロックの回路図シートが開きます。
4.ブロックポートの追加
ブロックの回路図を作成し、階層化した際のリンクとなるブロックの「ポート」を追加します。メニューバーから「Add - Block Port」を選択します。
5.ブロックをメイン(最上位)デザインに適応
必要なブロックポートを追加し回路図デザインを保存します。これでブロックが完成しメインの回路図デザインの要素となります。
下図は階層ブロックで作成された回路図デザインの一例でハイライトされた場所がブロックポートです。
このような状況では階層構造によりトップレベルの機能設計と相互接続をより明確に理解することができます。例えば4つのチャンネルのうち2つのチャンネルが完成したこの「ワークインプログレス」デザインです。混乱を避けるためフィルター回路とゲインステージの詳細は隠しています。
ネットの名前はどうなるか?
DSPCBとDSPCB ProではN0098、N1056などの自動命名されたネットはすべて作成されたシートに”ローカル”に存在するためシート間の相互接続や相互作用はありません。
DigIn3、+5V、CSなどの名前の付いたネットはすべてグローバルなものでシート間で相互に接続されます。
これらのルールは階層化されたデザインにも適用されブロックを他のブロックや回路図の残りの部分から独立させることができます。
補足情報
ブロックにはその機能を表す意味のある形や記号を付けることができます。例えばフィルター、アンプ、RFブロックなどは回路図の機能をより明確にできます。
これらのブロックはデザインにある複数のチャンネルに再利用したり以前のデザインから再利用することもできます。
これによりブロックを一から作り直す必要がなく過去のデザインからキャプチャーして作成できます。そのためデザインプロセスのスピードアップと正確なコピーが可能になるのです。