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在宅で設計・製作・計測 ~ 変革する工学教育 ~

新型コロナウィルスの影響で、大半の大学は、対面での活動を中止せざるを得なくなり、教育やその評価のすべてが、オンラインに移行しました。中でも科学、工学、芸術、デザインといった分野では、特殊な専門施設に通い、職能(いわゆる手に職)を修練する必要があり、そういった分野での教育に大きな問題が残りました。

工学分野では、大学は対面講義、実験、設計・製作プロジェクトを中止しました。毎日、何百人もの学生が講義室に集まり、大学の研究室を転々とすることは不可能です。講義は比較的容易にオンラインへと移行したものの、実技的な授業については、多くの問題がありました。一時的な解決策として、研究スキルや理論設計、シミュレーション、学生の評価のためのデータの分析に注力しました。

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写真提供:ロス・スネドン サイト:Unsplash

このアプローチは、一時的なものとしては問題ありませんでした。ただし、十分な工学教育を行う上で、実技経験の重要性を、過小評価してはなりません。シミュレーションの分野で出された成果があるにもかかわらず、古典的である、設計、製作、テストのサイクルに沿って実践する、ということの代わりになるようなものは何もありません。

課題への挑戦

新型コロナウィルスによって今までの方法が通用しないことを受け、2020/21年度の始めに、世界中の教育機関は、学生がキャンパス内外で学習を継続できるように、教育方法を急速に進化させてきました。

ほとんどの学術機関は、すべての講義をオンラインに移行しており、地域での制限内であれば、ソーシャルディスタンシングを確保した上での、小規模な対面指導が行われています。これは大学にとって大きな段階変化であり、どのようにして教育を継続的に提供するのか、再び考え直す機会となりました。実技活動については、学生が、貴重な調査や実験のスキルを身に付けられるよう、大幅なやり直しが必要であり、新しい解決策が必要でした。

多くの高等教育機関が暫定対策に追われる中、彼らを支援してきたRSコンポーネンツは、工業高等教育に新しいアプローチをもたらすと同時に新しい働き方への革新の機会と捉え、この挑戦に対する新しいアプローチを試みてきました。

工学教育の革新

この新しい世界に適応するには、学生が業界において、世界で最も重要な課題に対する実用的な解決策を設計、製作、テストするようなスキルを発展できるよう、新しく、革新的な方法を見つける必要があります。

ブレンド型学習は、多くの大学で人気が高まっている方法です。新型コロナウィルスが流行する以前に、概念として存在していましたが、この方法は、私たちが直面した、多くの課題に対して、非常に適していると言えます。大学は、ライブでのオンライン講義と、学生が自分に合った時間に参加できるオンライン上での活動や、資料を組み合わせています。これは、講義内容をより深く、自分のペースで学習できるため、多くの学生に人気があります。

大学は、リモート学習とブレンド型学習を促進するために、それぞれのカリキュラムと配信方法に合った、さまざまな革新的なアプローチを採用しています。次にいくつかの例を示します。

  • ビデオデモンストレーション – 実際の実験動画と、実験装置の使用法は、学生が装置の仕組みと実験の実施方法を理解するために、役立つものとなるでしょう。
  • 実験装置のシミュレーション - 学生が、オンライン上のインターフェイスを通して、仮想的な実験装置の操作や、動作の確認ができるように、装置シミュレーションを用意している例がいくつかあります。
  • 機器へのリモートアクセス - 一部の大学は、リモートデスクトップソフトウェアを介して、今まで使用していた実験装置へのリモートアクセスを提供することを検討しています。ただし、これを実行できるかどうかは、機器の互換性によって決まります。
  • 自宅で使用するための機器を学生に提供する - 機器が簡単に持ち運び可能で、すぐに利用できる場合、大学は学生が学び続けることができるよう、一時的に機器を提供しました。

私たちは皆、できるだけ早く、以前の世の中に戻ることを望んでいます。ですが、RSとDesignSparkの、最良のソリューションのいくつかを共有しようと思います。学生が、自宅や大学の寮で作業しながら設計、製作、テストを継続できるようにしました。

自宅で設計

開発において、製品が「どのように見え」「どういった機能をもつのか」といったアイデアの定義を図面化するスキルは、アナログ的な手作業での活動から進化しました。以前は、大量の紙、スケッチブック、製図板が使用されていましたが、現在では、設計図の作成、共有、変更をはるかに高速に行える、CADのようなデジタル技術が多く採用されています。

CAD設計スキルは、ほとんどの工学の学位において基礎にあたるものです。このスキルは、学生が機械や電子、電気の設計をデジタル形式で行えるようにします。CADでの設計図は簡単に共有できるため、学生はアイデアを共有して、他の人からのフィードバックを得ることができ、性能をシミュレートして、後で製造に使用することもできます。

多くのCADパッケージには有料ライセンスが必要です。多くの教育機関では、学生が使用するためにソフトウェアを大学のマシンにインストールできる、サイトライセンスでの導入をおこなっています。

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写真提供:スヴェン・ミーケ    サイト:Unsplash

リモート学習とオンライン学習への移行において、学生は自分のマシンにインストールできるソリューションを必要としています。これに対し、多くの解決策が存在しますが、どのCADソフトを選択するか決定するのは難しい場合が多く、様々な要素を考慮しなければなりません。DesignSpark PCBや、 DesignSpark MechanicalDesignSpark Electricalは工学部の学生のニーズに最適な、包括的で自由に使用できるソリューションを提供しています。わかりやすいチュートリアル、ガイド、ビデオにより、学生はすぐに使い始めることができます。

また学生が就職し各々の職場でもすぐに使えるように、DesignSparkでは、高機能を搭載した有償アップグレード版を提供しています。例えば有償版のDesignSpark PCB Pro では、量産設計でも活用できるようティアドロップ・ブラインドビア・配線補助機能・回路図の階層設計といった機能を搭載しています。またDesignSpark Mechanicalの有償拡張モジュールでは、業界標準フォーマットのインポート/エクスポート機能や図面作成機能を搭載しています。

研究室の外でも実践的な製作活動を

設計工学は、必ずしも高価な機器やツールを必要としません。家の周りにある材料を使って、多くを成し遂げることができます。DesignSparkの友であるJudePullenのロックダウンレクチャー「Rough 'n' Ready Prototyping」をチェックしてみてください。ここでは、世界中の作品の設計段階においてや、工業系の組織が、どれだけ段ボールを、高速で使いやすいプロトタイピング材料として使用しているかを説明しています。段ボールを使うことは、あなたのアイデアが、どのように機能するのか、どういったものなのかを説明する際、非常に効果的な方法です。

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Photo by マーカス・スピスキー サイト:Unsplash

すべての工学部の学生は、それぞれの専門分野に合った、優れた工具セットを持つべきです。これは、アイデアを実践し、製作し、プロトタイプを作成するために、必要不可欠なものと言えるでしょう。これらを貸与することを選択する大学もあれば、学費の範囲内で学生に提供する大学もあります。電気電子の分野においては、RSコンポーネンツの“Student Prototyping Essentials” が、理想的なツールキットを用意するのに最適です!

計測・テスト ~ソリューションの評価~

大学の研究室に入ることができない場合、自宅で実践的なスキルを、継続的に発展できるように、いくつかの重要な役割を持つ機器の購入を検討するべきです。学生の寝室を、大学の研究室の代わりにすることはできませんが、わずかな投資で、十分な装備をそろえた、素晴らしい空間をつくることができます!

電気電子分野では、テストをする際の機器や、測定機器が、研究室で最も高価な機器である場合があります。多くの大学の研究室で見られるオシロスコープは、8万円弱から150万円程度の価格です。また、こういった機器は、ある場所で固定的に使用するよう設計されているため、家庭環境での使用にはあまり適していません。

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RS Pro PCオシロスコープとファンクションジェネレータ (163-2719)

研究室級のオシロスコープに通常備えられている機能の多くを、ポータブルUSBオシロスコープで利用可能です。RS ProおよびPicoScopeシリーズのポータブルオシロスコープは、ホームラボ、オフィス、ベッドルーム環境で使用するための、便利なソリューションを提供します。このコンパクトな装置は、オシロスコープのプローブとPC間のインターフェイスを提供し、さらに、無料のPicoScopeソフトウェアが持つ、すべての視覚化、分析機能を使用可能です。詳細についてはRS高等教育エレクトロニクスソリューションをご覧ください。

インスピレーションはどこに?

もしあなたが、野心的なプロジェクト(取り組み)に着手したい学生、もしくはそれらの指導教官ならば、DesignSparkで掲載している学生の記事を見てみてください。情熱を注いでプロジェクトに取り組む世界中の学生を見ることができるでしょう。

何かクールなことに取り組んでいますか?

あなたのプロジェクトを、DesignSpark.comに登録している100万の世界中のメンバーと共有しましょう。協力を申し出る者、改善を提案するもの、自国に紹介するもの、よりよい案を提案するもの、などが表れ、その取り組みをグローバル規模に拡大することができるかもしれません!

RSコンポーネンツのGrass Rootsチームは、大学での学習と就業のギャップを埋め、次世代のエンジニアを育成したいと考えています。あなたの大学のプロジェクトに何かサポートが必要でしょうか?それとも、より総合的なエンジニアになるためのトレーニングサポートが必要ですか?ぜひ、我々にご連絡ください。私たちは、あなたや、あなたの学生グループと一緒に活動したいと思っています。

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