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実験レポートに回路図を載せる際、エクセルやパワポで回路図を描いてはいませんか?特殊な回路記号や、ゲートやコイルなどの曲線をエクセル・パワポで作成することは結構面倒で時間のかかる作業です。締め切りが迫る切迫した状況で、作図作業に時間を取られたくないですよね?
そこで、DesignSpark PCBの出番です!!!
※2022年12月5日に本記事は内容を更新いたしました。そのため旧記事の内容である論理回路記号・論理回路図については、別の記事にて改めて詳しく説明しています。そちらをご覧ください。
DesignSpark PCB(以下DSPCB)はプリント基板設計用ソフトであると思いがちかもしれませんが、実はレポート作成などに必要となる回路図を描くのも得意なのです!!この記事では「回路図の描画」、「出力作業」、「レポートに貼り付け」という順で説明していきます。また回路図の作成においては便利な機能をいくつか絡めて紹介します!ソフトはこちらから無料ダウンロードできます。
回路図を描く!
今回は単純な回路を作成していきます。またDSPCBをダウンロードしてすぐ使いたい方向けに、インストール後のライブラリ設定をしなくても使える状態で描いていきます!
1.必要な記号を探す
DSPCBを起動し、画面上のバーの白紙のアイコンをクリックしてください。
すると、このようなウインドウがでてくるので、以下のように Schematic Designの選択、Use Technology Fileにチェック、ドロップダウンリストからDefault(White) を選択してOKを押してください。
すると、以下のように回路図が描ける状態になります。
では、回路図を描いていきましょう!画面右側にあるインタラクションバーの下側に「Component Bin」「Goto」「Add Components」の3つのタブに注目してください。この内の右側のAdd Componentsを選択してください。(注意:インタラクションバーが表示されていない場合は Menuバーの View > Interaction Bar で表示できます。もしくはショートカットキー F9でも表示できます。)
ここから必要な記号を回路図に置くことができます。
次にバーの上側からライブラリを選択します。今回は「DesignSpark」のライブラリを使います。先ほど設定したバーの一番上のAdd Componentの文字の下にあるドロップダウンリストからDesignSparkを選択します。
そうするとたくさんの記号・部品が出てきます。
この中に基本的な回路図記号の説明を載せておきます。回路図を作成する際に参考にしてください。
・抵抗器
コンポーネント名:Resistor
旧式回路図記号もあります。
コンポーネント名:Resistor2
・コンデンサ(キャパシタ)
コンポーネント名:Capacitor
・コイル(インダクタ)
コンポーネント名:Inductor
・電源、電力供給源(バッテリー)
コンポーネント名:Battery
・LED
コンポーネント名:LED
・Vcc(クラス)
コンポーネント名:Vcc
その他、+V、-V等もあります。
・GND(クラス)
コンポーネント名:GND
その他、0Vもあります。
2.部品の値を変更する
では上記の記号から回路を描いてみましょう!
記号を置くにはバーの中の図をドラッグ&ドロップして置くことができます。
今回は下のように置いてみました。
バッテリーの正側を5Vとするように、+Vコンポーネント名をバッテリーの上側に配置して、反対にバッテリーの負側にGNDコンポーネントを配置しました。
次に、部品の値(抵抗値など)を変更していきましょう。
変更したい部品をクリックして選択状態にします。
この状態で選択した部品を右クリックして、ドロップダウンメニューを開きます。そのメニューからValues...をクリックします。
プロパティウインドウが開きますので、その中のValue=1kの項目行をダブルクリックします。
さらにウインドウが開きますので、Value欄に変更したい数値を入れてください。ここで、「Ω(オーム)」や「H(ヘンリー)」といった単位は入力しないでください。必要なのは、数値と必要があればその接頭語(SI接頭語)です。
入力できたら、OKを押してウインドウを閉じて、さらにOKを押して回路図まで戻ってください。回路図で値が変更されていることが確認できます。
その他の素子も下図のように変更しました。(インダクタはプロパティウインドウの「Value=」の左のチェックボックスにチェックを入れることで値を表示することができます)
3.配線する
では、配線していきましょう。各部品の×のところをダブルクリックすると配線モードになり、配線することができます。
今回は下のように配線してみました。部品の間隔などを考慮して、部品の位置も適宜変えましょう。
4.文字を入れる
では次に素子の名前・役割を示す文字を入れていきましょう。
今回は上記の回路の抵抗器、コンデンサに説明用に「日本語で」文字を入れます。
テキストを追加・変更する方法はいくつかありますが、今回は「Add Text」ツールを使っていきます。
左側のバーにある「A」のアイコンをクリックしてください。すると下のようなウインドウが出てきます。
一番上の空欄にテキストを入れることでその文字を回路図上に表すことができます。今回は「抵抗器A」と入れてみました。その他の項目は変更せずにOKをクリックします。
すると上のように文字化けしたものが出てきます。この文字化けはフォントが正常に指定されていないため起きています。これを解消するために追加した文字を選択して、右クリック - Propertiesを選択します。
ウインドウが出てきますので、Fontの項目のドロップダウンメニューを開いて@がついていない日本語フォントを選択してください(下のほうにあります)。
注意:@がついた日本語フォントは縦書きになってしまいます。
今回は下のように選択しました。適用を押すと、Propertiesウインドウを閉じずに設定を反映できます。
他にもいくつかテキストを追加して、回路に配置してみました。
テキストオブジェクトはコピー&ペーストが可能で、同じ文字をコピーして貼り付けることで簡単に新しいテキストを追加できます。
これで回路図は完成です!次からこの回路図をwordなどに張り付けられるよう、出力します。
出力作業!
では描いた回路図をレポートに貼り付けて行きましょう。今回は代表的なソフトウェアとしてWordを使用します。まずは作図した回路図を全画面表示します。ショートカットキーのAを押します(押せない場合はView > All)。
注意:回路図に移っている画面が”そのまま”出力されます。つまり回路図が小さく映っている状態で出力作業をすると小さい回路図が出力されてしまいます。
回路図を正常な大きさにしたらFile > ExportにあるBitmap ImageとMetafile Imageのどちらかを選択します。この二つの違いは以下のようになっています。
- Bitmap Image : 回路図をドットベースの画像データで出力します。よく使われる画像形式ですが、曲線のある回路図の場合、曲線がゴツゴツと荒くなります。
- Metafile Image : 回路図をベクター画像で出力します。数式ベースなので曲線がなめらかで文字も解像度が保たれたまま拡大することができます。
今回は曲線なめらかなMetafile Image(*.emf)で出力します。
保存先を指定しファイル名を付けて保存してください。下記のように拡張子が.emfで出力されます。
レポートに張り付ける!
では最後にレポートに張り付けていきましょう。Wordなどを開いて先ほど出力した.emfのファイルをドラッグ&ドロップしてください。(または、挿入>画像>このデバイス>先ほど保存した.emfファイル選択)
上記画像のようにワードに添付できました!通常の画像ファイルと扱いは一緒です。拡大してもゴツゴツカクカクしません。
まとめ
今回は簡単な回路図の描画方法と、出力及びレポートの貼り付けまでを説明しました。少し面倒に見えるかもしれませんが、やってみると簡単でエクセルで右往左往するよりもはるかに短時間で回路図を描けます。
単純作業を時短し、レポート内容の本質のブラッシュアップに時間を使いましょう。
その他
この記事は、2022年12月5日に更新しました。旧記事の論理回路図や論理回路の描画については別の記事で説明しています。そちらの記事をご参照ください。
DesignSpark PCBで論理回路を作成してみよう!(Coming soon...)