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Designspark Mechanical(DSMech)v6が公開されてから、数か月が経ちました。v5からの大きな変更点として、10万円近くした上位機能(STEP対応や図面作成など)が、インストール作業する事なくサブスクリプションプランの切り替えだけで安価に利用できるようになった点です。ひと月1,600円から使用できるので、趣味開発メイカーの方々から、実際に業務で3DCADを使う方々まで、幅広い層にとって魅力的に感じたのではないでしょうか。
しかしそんな中、v5からの移行問題やサブスクリプションの問題、アクティベーションの問題など、多くの問題が発生しているようです。この記事では、これらの問題について、注意点や解決方法などをお伝えできればと思います。少しでも多くの方の問題解決の助けとなれば幸いです。
目次
- DSMechが起動できなくなった(Ver5以前のソフトが起動しない)
- ログイン時のエラー
- 動作が重くなった
- スケッチ用のUIが変わった(拘束ベースになった)
- DXFが出力できない
- 日本向け機能が使えない
- 出力したSTLの面が壊れる
- 0.1で解決済みの問題
- おまけ: 有料機能を使ってみよう
DSMechが起動できなくなった(Ver5以前のソフトが起動しない
DSMechの旧バージョン(Ver5、Ver4、Ver2など)は2023年5月末で提供を終了し使えなくなりました。
ログイン時のエラー
DSMechのインストールが終わり、初めて起動すると以下のようなログイン画面が表示されます。
ここで正常にログインが完了するとDSMechが起動しますが、次のようなエラー画面が表示されてしまう場合があります。
この原因として考えられるのは
- 同じアカウントを使い複数PCにソフトをインストールしようとした
- PCを移行した、メモリやストレージを増設した
- OSの自動更新
- 管理者権限で実行されていない
- インターネットに接続されていない
- ネットアクセスがProxyやFirewallでブロックされた
- ネットアクセスがセキュリティソフトでブロックされた
- v5が正常にアンインストールされていない
- ご利用のアカウントのメール認証が完了していない
- ご利用PCのホスト名が日本語
- (稀)FIPSモードによる遮断
- ご使用OSの日時設定が間違っている
が挙げられます。
まず、複数のPCにDSMech v6をセットアップしようとしていないでしょうか?DSMechはVer6よりPC台数制限がございます。Explorerプランで1台、Creatorプランで2台、Engineerプランで3台のPCにそれぞれインストール可能です。よって、例えば無料プランで2台以上のPCにインストールしようとするとこのエラーが出ます。もしPCの移行を行う場合、にライセンスリセットを依頼する必要があります。
次に、v5のアンインストールについてですが、DSMech v5本体のアンインストールに加え、SpaceClaim Translatorのアンインストールが必要になります。これが残っているとv6が正常に起動できない場合があるので、設定のアプリ一覧からSpaceClaim Translatorを検索し、アンインストールしてください。
また、プロキシ経由での接続やファイヤーウォールが起動している場合、例外リストに以下のURLを追加してください。
https://tools.designspark.com/designspark/api/tools/licenses
https://api.licensespring.com
これらのURLはv5とは異なりますので、以前設定した方も再度除外リストにURLを追加する必要があります。
最後に挙げたFIPSモードによる遮断については、DSMech向けFAQの「初回起動時、インターネット接続関係のトラブルが発生しました。どのよう解決するのでしょうか?」をご覧ください。
動作が重くなった
DSMechの強みのひとつとして、タブレットPCのような低スペックPCでも動作するという点があります。ただ、v6になってから動作が遅くなったと感じている方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。これは、DSMechのレンダリングやシェーディングのデフォルト設定が最高品質になっているためです。
ファイルタブ > Designspark オプション > 一般 > グラフィックパフォーマンスのオプション から、レンダリングクオリティを変更可能です。初期設定では10となっていますが、低くするほど動作が軽くなります。
またアンチエイリアスも高すぎるとPC負荷が大きくなります。動作が重い場合は、中間、低、もしくはオフにしましょう。
また、ファイルタブ > Designspark オプション > 詳細 > グラフィックスから、影付きシェーディングのチェックを外すことで、さらにサクサクと動作するようになります。
また、複雑なモデルの場合、モデリング時にソリッドをコンポーネントにまとめることも、動作を軽量化するのに有効です。
スケッチのUIが変わった(拘束ベースになった)
元v5ユーザーの中では、v6を起動した際のUIの違い、特にスケッチタブの新アイコン群に驚かれた方がいたかもしれません。これはスケッチモードのデフォルト設定が「拘束ベースのスケッチ」に変わったために生じています。
「拘束ベースのスケッチ」を従来のUIに戻すには
ファイルタブ > Designspark オプション > 詳細
から、「拘束ベースのスケッチ機能を有効化」のチェックを外すと、従来のv5と同じスケッチ方法に戻せます。この「拘束ベースのスケッチ」モードは、実はv5からありましたが、Ver6からはデフォルト設定になっている点に注意が必要です。
DXFが出力できない
DXFフォーマットでファイルをエクスポートしようとしても、何も生成されないといった方は、ファイルタブ > Designspark オプション > ファイルオプション > AutoCADから、エクスポート内の「次の形式でソリッドをエクスポート」を確認してみてください。「陰線カーブ」を選択すると、DXFをエクスポート可能になります。
また Ver6.0 ではDXF出力にエラーが出る場合がありましたが、最新版のVer6.0.2では問題が解消されています。
日本向け機能が使えない(Kabuku 3Dサービス、日本向けスタートページなど)
DSMechには、日本向けにカスタムされた機能がいくつか存在しています。しかし、地域設定が間違っていると、これらの機能が日本国内でも使用できません。v5までは自動で日本になるよう設定されていましたが、v6からは手動で行う必要があります。
ファイルタブ > Designspark オプション > 詳細 から、ロケールを日本に設定してください。
出力したSTLの面が壊れる
以下のページを参照願います。
https://www.rs-online.com/designspark/change-language/jpn?path=advice-on-stl-creation-tips-on-how-to-solve-missing-stl-faces
v6.0.1で解決済みの問題
以下の2つは、最新バージョンのv6.0.2にて、修正された問題です。v6を使用していて、これらの問題が起きている方々は、DSMech v6を一度アンインストールし、こちらから最新版をダウンロード・インストールしてください。
図面が保存できない
図面を保存しようとすると、上のようなエラーで保存できない現象が発生していました。v6.0.2にて修正済みです。
v5で作成したモデルが読み込めない
v5で作成したモデルをv6で読み込めない問題も発生していました。こちらもv6.0.2にて解決され、現在はv5のモデルを読み込むことが可能です。一点注意ですが、v5のファイルをv6に読み込み、保存すると、「.rsdoc」形式から「.rsdocx」に変換され、v5では開くことができなくなります。
おまけ: 有料機能を使ってみよう
DSMechの有料プランでは、非常に強力な機能が提供されています。ここでは一例として、ミラー機能と図面機能について簡単に紹介します。
ミラー機能
Creator以上のプランでは、ミラー機能が使えるようになりました。実際に使ってみます。
今回は下の写真のようなモデルを用意しました。これをミラーして、機能を見ていきましょう。
- (オプション) ミラープレーンにする面を設置します。この作業は必須ではありませんが、ミラーの境界となる位置を自身で設定したい場合は便利です。このミラープレーンをモデルの面にすると、ミラーしたオブジェクトが元のオブジェクトに自動的にマージされます。
- 挿入からミラーを選択すると、ミラープレーンを選択する状態になります。
- ミラープレーンを選択します。 でプレーンを作成した場合はそのプレーンを選択、作成していない場合は設置したい部分をクリックします。
- ミラーしたいオブジェクトにマウスカーソルを合わせると、どのようにミラーされるのかプレビューされます。
- ミラーしたいオブジェクトをクリックします。すると、ミラープレーンが生成され、オブジェクトがミラーされます。このミラープレーンが存在する限り、2つのオブジェクトのミラー関係は維持されます。
今回のモデルでは、5つの貫通穴をパターンで作成しています。ミラー関係が維持された状態で片方のパターン数を変えると、どちらも同じ数に変化します。便利ですね。
他にも、形状を変化させたり、エッジを押出したりしても、片方の編集で両方に反映されます。
図面機能
図面作成機能もCreatorプラン以上で使用可能です。
- ファイル > 新規作成 > 図面シートをクリックし、図面を作成します。
- 図面タブから適切な図枠やアノテーションを選び、変更を加えていきます。
- 表示タブ > グラフィックスから、「シェーディング」から「陰線非表示」に変更することで、最初の写真のような、線のみで描かれた図面表示にすることが可能です。
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