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この記事では、DesignSpark PCB Pro(有償版)の機能を紹介しています!!DesignSpark PCB Proについてはこちらから
→DesignSpark PCB Proについて
はじめに
この記事では、DSPCB Pro版の機能の一つであるPanel Wizardを使用してプリント基板のパネルを作成します。ここでは、パネルのガーバープロットを作成するために主要な事を段階的に示します。これは前回の記事DesignSpark PCB Proでパネル化(面付け機能)を試してみよう!に比べて、より詳細な内容になっています!
注意:面付け機能を開始する前に、PCBデザインが完成している状態にしてください。1枚のプリント基板をパネルに複製するためです。
面付けをしよう
ここではまず、Jude Pullen氏のRadio Globe Projectの一環として製作されたRaspberry Pi Hatのプリント基板を例に紹介します。
この基板は、Raspberry Piのコネクタを介して様々なモジュールを相互に接続するものです。上記のリンクにあるVlogでは興味深い展開が紹介されているのでぜひ見てください!この記事ではその続きとしてこのプリント基板を例に面付け(パネル)を製作します。
流れとしてはガーバープロットからではなく、上記のPCBデザインファイルから直接作業を行い、パネルウィザードでパネルを作成します。
メニューバーのFile - New をクリックし「Wizard」タブを選択し、リストから「Panel Design」を選択、<OK>をクリックします。
注意:実際の設計データはパネルウィザードで読み込まれるので、同時に別タブでデザインファイルを開いている必要はありません。
最初の画面は単なる紹介なので、そのまま<Next>をクリックします
最初のステップでは、パネルを作成するためのテクノロジーファイルを選択します。これは、PCBデザインに使用されたレイヤ数と一致する必要があります(下図ハイライト表示)。また、単位と精度もここで選択します。選択後、<Next>をクリックします。
Browseボタンを押してProjectフォルダに移動し、デザインに挿入するPCBファイルを選択します。選択すると右側にプレビューが表示されます(下図右側)。
次にあらかじめ設定されているパネルサイズから選択するか、任意のサイズを使用するかの選択・設定をします。
次にパネル内のPCBレイアウトを定義します。
パネルの境界線、PCBの方向、XとY方向の面付け数、XとYの間隔を定義します。プリント基板の寸法もリストアップされているので、設計要件を満たすように計算する事ができます。
しかし、<Next>をクリックするとPanel Fitの計算が行われ、仕様がPanelサイズと一致しない場合は下図のようにエラーメッセージが表示されます。
エラーメッセージを閉じ、<Back>ボタンをクリックしてパネルを修正します。
ここでは、パネルの境界線を減らすことでデザインを修正していますが、ユーザーの要望に応じてボードの数、向き、間隔を変更して修正することも可能です。
この時点でパネルのレイアウトが終了し、<Next>をクリックすることでパネルが表示されます。ではファイルを保存します。
注意:上図のビューではレイアウトをわかりやすくするために一部のレイヤのみが表示されていますが、実際はすべてのレイヤがPanel Gerberのプロットの作成準備要件を満たしています。
パネルのガーバープロットについて
ガーバープロットは通常のプリント基板と同様に作成・出力されますが、いくつかの追加設定をする必要があります。
まずは通常通り「Manufacturing Outputs」を起動します。
全ての必要なプロットにチェックが付いており(下図左のバー)、「Output」タブで各プロットのプロットタイプが「Artwork」に設定されている事を確認してください。
各プロットファイル(左の列でハイライト表示されているもの)について、「Layers」タブを確認すると1つのレイヤだけが選択されており、それがそのプロットファイルに適したレイヤであることが分かります。唯一の例外はBoard Outline(基板外形)の使用で、これは下の図のようにプロットファイルに追加しなければなりません。通常、これはTop Copperのプロットに追加されます。
基板外形をGerberプロットに追加する方法についてでは、ガーバープロットに基板外形(アウトライン)を追加する2つの方法について説明しています。
上記のリンクで示した手順は通常のプリント基板でも、面付け機能を使用したデザインでも共通の操作となっています。
パネルをプロットする際、2つの追加設定があります。各レイヤのプロットファイルでSettingsタブを選択するとこれらの追加オプションが表示されます。Plot Each PCB Design Contentsにチェックを入れてください(下図ハイライト)。
追加オプションのPanel Outlinesはボードアウトラインと同様の機能を持ち、少なくとも1つのレイヤ(通常はトップカッパー)にチェックをする必要があります。トップドキュメンテーションのような別のレイヤを必要とする場合もあるので、製造業者の要求を確認してください。
全ての設定が完了したら「Plot File Generation」を実行します。
プロットファイルレポートが生成され、設定されていた機能の実行ログが表示されます。このレポートにはファイルをどこにプロットしたか、またプロットをGerberビューアにうまくインポートするために必要なGerber設定も表示されます。
以下は、すべてのレイヤを表示したビューアの読み込み例です。
拡大して個々のトラックやレイヤなどを見ることができています。トラックやレイヤなどは面付けする前の段階でチェックされていると思います。
これでパネルデザインは製造の準備が整いました!あとはデータを製造業者に渡して必要な手続きを踏んで待つだけです!!
今回は例を用いての説明でしたが、ぜひ実際に面付け機能を試してみて下さい。ここで説明できないような小さな工夫やさらなる楽しみを見つけられると思います。