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無線愛好家の減少とSDRの普及

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50年前には、アマチュア無線が電子工学の仕組みを理解するための入門機として人気を博していました。アマチュア無線は、その通信要素から、ギターアンプやハイファイシステムの自作では満足できない人にとって魅力的でした。たとえ制限があっても、アマチュア無線には地球上に飛び交う受信しにくい信号を追跡する無限の楽しみがありました。無線やアンテナハードウェアの性能に関する技術的な課題だけではなく、電離層の状態、距離、周波数、時刻などの課題があり、現状を改善していきたいという衝動に病みつきになったものでした。

40年前にはシリコンチップが登場し、人々に衝撃を与えました。初期の家庭用コンピュータもそのころ登場しました。それ以降、コンピューティングは魅力的な技術的趣味として普及していきましたが、ソフトウェアの登場により状況は一変しました。処理能力とメモリの制限の中で、できるだけ高い性能を達成するという課題が生じたのです。さらに時代が進み、インターネットが普及し、Skypeによって無料で世界中と音声通信や画像送信が可能になると、趣味としてのアマチュア無線は時代遅れになり、過去のものとなりました。

その結果、無線周波数を本当に理解しており、実際に使いこなせるのは、引退間近の高齢者ばかりになっています。では、無線を趣味として復活させるにはどうすればよいでしょうか?   

まず、インターネットについて考えてみましょう。インターネットは自由で規制がないと言われていますが、実際はそうではないと認識されるようになっています。ワイヤレスインフラは完全には整備されておらず、緊急時には脆弱です。そのため、自らの力で無線通信環境を構築できれば再び無線技術者が脚光を浴びることになるでしょう。

じつはこれを実現できるソリューションが低コストのSDR (ソフトウェア無線)です。SDRでは、フロントエンド型の無線受信機ハードウェアが受信したデータストリームに対し、復調やデコードなど、難しい処理をすべて既存のホストコンピュータ上でソフトウェアで実行することができます。

RTL-SDRドングル

最近では、安価な「RTL-SDR」ドングル(本来はデジタルTV信号をPCでデコードするために設計されたもの)がSDRハードウェアとして使用されています。これには、ドングルの制御とI/Qデータストリームの受信を行うUSBドライバと、「SDR#」、「HDSDR」、「SDRコンソール」などの無料ソフトウェアが必要です。これらを用意すると、さまざまな周波数にチューニングすることが可能になります(一般には24MHz以上、最大1GHz)。

RTL-SDRドングルについて詳しくは、こちらをご覧ください。

どの信号を選び、その信号で何をするかは、ユーザー次第です。PCに慣れているソフトウェアに詳しい若者が、20ドルのハードウェアを追加して、ある日突然無線の世界に飛び込むこともあり得るのです。どの周波数を選ぶべきかの知識がなくても、高解像度のグラフィックがあれば、スペクトル表示内に信号を視覚化することができます。

面白いことに、未知の周波数を簡単に発見して受信できるようになると、熱心なアマチュア無線家などが中心に行ってきた素晴らしい業績が見えてきます。そのような人たちの努力により、アナログとデジタル、データ、音声と画像、衛星放送や地上放送のあらゆる組み合わせで復調やデコード、コンピュータの対話が可能になっています。手頃な価格のSDRが登場したことにより、このように無線の世界とコンピューティングの世界が融合し、将来のイノベーションにつながるに違いありません。

SDRplayでは、手頃な価格のSDRに可能性を見出し、参入することを決定しました。特に、次のような制約を解消したいと考えています。

  • ドングルが24MHz未満に対応していないため、短波、中波、長波を受信できない。
  • ドングルで使用する8ビットのADC変換技術では、ダイナミックレンジが約45dBに制限されるため、一般的な周波数に対応する市販のレシーバよりも性能が低い。
  • ドングルに、「帯域外」の干渉を減らすフロントエンド型のフィルタリングが備わっていない。

無線周波スペクトルプロセッサ – RSP1

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RSP1は10kHz~2GHzに対応し、シンプルな「アンテナ」と「USB」出力接続を搭載

RSP1には、Mirics Ltd.の12ビットADC技術が採用されています。Mirics Ltd.は、長波からLバンドまで、世界のあらゆる放送規格に対応する半導体を開発しています。チップは、厳しい電力制限とアンテナスペースの制約のある携帯電話で使用できるように設計されているため、高性能の無線と従来型の通信受信機が実現し、最大10MHzの帯域幅を一定時間以内に処理できます。また、5次チェビシェフフィルタにより、堅牢なフロントエンドフィルタリングが可能になり、多くの帯域外干渉の影響を軽減できます。

データシートは こちらからダウンロードできます。

SDRplayは、人気のサードパーティ製SDRソフトウェアに対応するだけではなく、「SDRuno」という独自のSDRプログラムも提供しています。SDRunoは無料でダウンロードして、RSP1で使用することができます。

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Windows用SDRunoレシーバソフトウェア

SDRunoは、堅牢性と柔軟性に優れた高性能SDRレシーバ機能に加え、次のような優れた機能も搭載しています。

  • 複数の「仮想レシーバ」: 同じレシーバ帯域幅で同時受信と各種信号の復調が可能。
  • 140dBを超える音を除去する選択的なフィルタ。
  • 完全に調整可能なパラメータを備えた歪みのない独自の二段式AGC。
  • 1Hzまで調整可能な帯域幅を備えた複数のノッチフィルタとノッチロック機能。
  • 選択/調整可能な側波帯を備えた独自の同期AMモード、専用PLL入力フィルタ、選択可能なPLL時定数。
  • 専用のノイズ除去アルゴリズムを備えたステレオ放送用SNR (ステレオノイズ除去)。
  • FM信号用AFC。
  • レシーバ周波数エラーの較正。


また、SDRplayにはオープンAPIも用意されており、開発者がまったく新しいアプリケーションを開発できます。WindowsとMacのサポートに加え、AndroidやLinux、Raspberry Pi 2/3用のバージョンも用意しています。 

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デコードオプションの例(DRM、DSD+、気象衛星、Dump1090、NBEMS、Wefax)

RSP1の量産が開始されてからわずか数か月で、SDR無線を必要とする実験室ベースのカスタムメイドプロジェクト用機器を使用するSDRplayの顧客数が増加しました。応用例は、対監視用の監視、リモートの無線端末、RFI検出、変調方式の自動検出、標準規格の開発、プロトタイプのIoTレシーバチェーン設計、衛星や気象バルーンのデータ収集、各種のスペクトル分析などさまざまです。コンパクトな設計とUSB給電方式は、ポータブル設定に特に便利です。 

RSP1の価格は約149ドルで、学生や研究プロジェクトに最適です。無線周波数の実験だけでなく、多目的に使用できる便利なレシーバです。

Design, marketing and business background in semiconductors (including Texas Instruments and CSR), then co-founder and now sales and marketing director at SDRplay Ltd.
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