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STマイクロ製の「EVALKIT-ROBOT-1 リファレンスデザインキット」を開梱レビュー

シリーズ記事「開発キットの開梱レビュー」、今回カミラさんが取り上げたのは、 STマイクロがモーターメーカーMaxon社と共同開発したブラシレスサーボモータ制御キット「EVALKIT-ROBOT-1リファレンスデザインキット (201-4458) 」 です。

このキットには評価基板とモーターが同梱されており、モータードライバ IC「STSPIN32 ファミリー」をスタンドアローンで手軽に評価できるソリューションになっています。

EVALKIT-ROBOT-1は、高精度での移動や、速度制御が何よりも重要とされる、産業ロボットオートメーションへの応用をターゲットとしています。

Maxon モーター

 100W 3相ブラシレス DC モーター「Maxon EC-i 40」は、1024段階パルスインクリメンタル型エンコーダと、ホールセンサを内蔵しています。このモーターは公称電圧36Vで最も効率よく性能を発揮します。また、その他の重要な仕様としては、無負荷回転速度やストールトルクなどがあり、それぞれ 4550rpm 、 3160mNm となっています。

STSPIN32F0A モータードライバ IC

STSPIN32F0A internal

では、STSPIN32F0A モーターコントローラICの内部構造について簡単にお話ししましょう。この IC の特徴としては、高度なBLDCコントローラや、32 ビット Cortex M0 コア MCU 、オペアンプ、コンパレータ電圧レギュレータのようなアナログ周辺機器が、ひとつの 7mm QFN パッケージに統合されている点が挙げられます。

このモーターコントローラの動作電圧範囲は 6.6V ~ 45V です。M0コアは 、クロック周波数を48MHz まで、32kB フラッシュおよび 4kB SRAM をサポートしています。3 個のハーブブリッジ・ゲート・ドライバは、 600 mA の電流量で パワー MOSFET を駆動できます。また、信号調節用に3つのオペアンプが、過電流保護用に単一コンパレータが、それぞれ搭載されています。

この STSPIN32F0A には、スイッチングレギュレータとLDO で構成された、完全な電力管理回路も内蔵されており、マイクロコントローラーへの3.3V 供給やドライバへの電源供給を可能にしています。

STSPIN32F0A 内の、磁界方向制御 (FOC) FW フラッシュには、閉ループの堅牢な高精度制御が実装されています。

STL7DN6LF3 パワー MOSFET

制御基板に使用されているパワー MOSFET は PowerFLAT™ 5x6 デュアルアイランドパッケージの、STL7DN6LF3 デュアル N チャンネル MOSFET です。この MOSFET の、ドレイン-ソース間におけるオン抵抗は、 35mΩとなっています。

RS485 / MODBUS

サーボの制御は、RS-485 接続によって MODBUS 通信プロトコルを介して行われます。MODBUS は産業オートメーションで幅広く使用されているプロトコルです。EVALKIT-ROBOT-1 では、たった 1 本のケーブルで、ボードをお使いのパソコンや、パソコンにインストールされた MODBUS マスターアプリケーションに接続することができます。

このサーボ制御基板は、キットで提供されている Maxon モーターへの使用を前提に設計されている点にご注意ください。このキットを使用するには、次のものが必要となります。

  • 36V / 120W DC電源
  • RS485 2 線式シリアルポート
  • MODBUS プロトコルに基づく通信ソフトウェア
  • ! MODBUS ではなく ST-LINK で作業することを選択した場合は以下が必要です。!
  • JTAG/SWD20 プログラマー用の 20 ピンから 10 ピンへのアダプタ

関連文書についてはキットのページから確認可能ですが、下記に関連リソースの一覧も載せておきます。

Maxonモータのデータシートの読み方

Maxon ENX 16 EASY エンコーダデータシート

3相磁界方向制御 (FOC)

EVALKIT-ROBOT-1 入門

プロに聞く - STMicroelectronics でのモータ制御

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