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世界最大のLoRaWANカンファレンス「The Things Conference 2020」レポート(後編)

世界最大のLoRaWanカンファレンス「The Things Conference 2020」のレポート後編です。
>>>前編はこちら>>>
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LoRaWANエコシステムとして幾つかのベンダーが紹介されました。

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昨年に続きMicrosoftは、AzureエバンジェリストのOlivier Blochさんともう一人女性が登壇
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一緒に登壇した女性が、Olivierさんが掛けたウェラブルデバイスでセンサデータの見える化が実現できると説明。

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トラフィック交換についてJohan Stokkingさんが説明。

  1. Better Indoor and Outdoor Coverage
    2. Better resilience against gateway failures
    3. More network capacity
    4. Longer battery life

の観点で説明しました。

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IoTシステム拡張性と安定性について今回初めてPacket Brokerについて説明が行われました。 TTNについては、現在のUDPプロトコル利用でのパケットロスなどを回避する方法としてこれから必須の技術となることでしょう。

  1. Indivisual packet selection
    2. Separating traffic routing from billing and clearing
    3. Separating payload from metadata
    4. No need to operate a LoRaWAN network など

よりオープンなIoTネットワーク環境でPacket Brokerが今後利用されていくこととなります。以下の動画も併せて参照ください。

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Semtechから新たにリリースされたLoRaトランシーバー SX1280が紹介されました。これはISM無線帯域でなく、WiFIやBluetoothと同じ帯域の2.4GHzのLoRaトランシーバーとなります。

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上記2.4GHz LoRaトランシーバーのユースケースとして欧州大手海運会社のWALLENIUS  WILHELMESN社の採用事例が紹介されました。

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WILHELMESN社のネットワーク構成図、現在はまだ衛星との連携前でしたが、いずれは世界2万隻の貨物船の位置管理(AIS)や搭載されたコンテナ管理を視野に入れているようです。

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元TTNネットワークアーキテクトでシングルパケットフォワ―ダ―の開発者、現在Lacuna Space CTOのThomas Telkampさんが登壇

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Lacuna Spaceの低軌道衛星ゲートウェイのユースケースとしてイタリアのスマート農業の事例が紹介されました。

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今年は、ST Micro社のLoRaトランシーバーと32ビットMCU一体化したチップが紹介されました。

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日本のムラタのLoRaチップも紹介されました。

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最後にLoRa変調技術を発明したNicolas SorninからLoRaトランシーバーをSoft modemとしてオープンソースで公開する話がありました。今までは、Semtech社のLoRaトランシーバーありきのビジネスモデルだったので、LoRa内部コードがオープンソース化されることで、今後はより大きな市場へと展開してゆくことでしょう。

The Things Conferece2日目。 今年始めにLacuna Spaceから低軌道衛星に対応したLoRaビーコンが送られてきました。 これを和歌山大学の秋山教授にご協力をお願いして和歌山にある信愛女子短期大学の見晴のいい校舎の屋上に設置していただき、Lacuna Space CTO Thomas Telkampさんと実験していました。
会議がおこなわれる前の週もほぼ毎日Thomasさんとは、メールでのやりとりをおこなっていました。
いよいよ、カンファレンスの2日目、 Lacuna Space CEOのRob Spurretさんのキーノートスピーチを楽しみにしていました。そこで日本事例として紹介してもらいました

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Lacuna space CEO Rob Spurretさんが、世界各地で実証実験をしている様子を説明。左下端の写真が、秋山教授に設置していただいたLoRaリレーです。
拡大するとこんな感じになります。

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和歌山にある信愛女子短期大学校舎の屋上からの写真です。

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Lacuna Space社製の LoRaリレーの中身はこんな感じ。

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LoRaビーコンと密接にLoRaWAN環境で通信するためには、8ch LoRaWAN ゲートウェイが必要となります。 写真手間の窓右側にあるデバイスは、Dragino社  8ch LoRaWAN GPS HATのPG1301+ Rasbeery Pi 3B+です。

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今回のカンファレンス展示会場Draginoブースでは、8ch LoRaWAN GPS HAT PG1301とPoE HATを組み込んだRasberry Pi 3B+。TTN Niigataイニシエータ田中さんに屋外LoRaWANゲートウェイモジュールとして設計してもらったものを展示しました。 ブースに来場する方々は、LoRaWANを仕事で使っている人がほとんどなので、この屋外ゲートウェイキットの価格を何度か聞かれました。
Lacuna space CTO Thomas Telkampさんと打ち合わせ中に和歌山信愛女子短期大学の屋上に設置したLoRaビーコンの状況を彼のスマホ画面で説明してもらいました。 The Things Networkコンソールからは、直接パケットを低軌道衛星上にあるLoRaWANゲートウェイにアップリンクしている様子が確認できています。

Lacuna Space CEOのRob Spurretさんのキーノートスピーチに戻ります。

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Lacuna spaceのユースケースが、次々と説明されました。 山火事検出の仕組み。

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ESA(European Space Agency)のARTESプログラムで採用された低軌道衛星をつかったスマート農業

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IRNASのLuka Mustfaさんが設計、展開しているアフリカ象や南極ペンギンの生態調査

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Paramatic社の山岳自転車のトラッキング事例
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アフリカ西部にあるフェリーポートのボートトラッキング。

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The Things Industriesを使うことで手軽に低軌道衛星と連動したLoRaWANネットワークサービスをプライベイトでもパブリックでも構築できます。

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1日目にTTN &TTI CTO Johan Stokkingさんが説明したPacket Brokerを使ってLacuna Space低軌道衛星との安定したLoRaWANネットワークサービスを利用することができるようになります。 サービス実運用は、今年夏を予定します。

*Lacuna Spaceにサービスを紹介する動画

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Lacuna space経営幹部と記念写真、左から筆者、 Lacuna space CEO Rob Spurretさん、mmガード鈴木社長、和歌山大学秋山教授、 Lacuna space CTO Thomas Telkampさん

今年夏から日本でもいよいよ低軌道衛星を使ったLoRaWANサービスが現実のものとなります。これから楽しみです。皆様お疲れ様でした。

The Things Network Japanアンバサダー 吉田秀利
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The Things Network Japanコミュニティサイト

The Things Network Japanアンバサダーをしております。 よろしくおねがいします。 www.crijapan.jp