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IIoTとインダストリー4.0を推進する5つの技術と1の視点  パート1

インダストリー4.0を考えるとき、多くの人は「予知保全」「小ロットサイズ製造」「オフィスと製造現場の融合」あたりを考えるでしょう。

IIoTや、機械学習、ネットワークの統合は、工場を「スマート」にするための重要な技術です。しかし、これらがインダストリー4.0で達成できること、達成すべきことのすべてと言えるのでしょうか?

これらの目的は価値があり、自社製品の「複雑さ」「品質」「機能」を強化します。この連載の今後5回においては、次に示す、主要なテクノロジーの概念について、詳しく説明します。

Wireless connectivity

1.接続技術(通信等)

スマートファクトリーの世界では、もはやセンサーやアクチュエーターについて議論しているのではなく、サイバーフィジカルシステム(CPS)について、議論がなされているのです。センサーとアクチュエーターが高性能になるにつれて、より高精度で、広い接続性を必要とします。製造現場(OT:Operation technology、運用技術)とオフィスフロア(IT: 情報技術)の間にはもはや、境界はありません。工場の知能は、各所平等に分散されるようになるでしょう。

工場で数千のCPSを接続するには、データの集中と分散に関して、完璧な構想が必要になります。ワイヤレス接続で使用すると、コストとダウンタイムの削減が可能です。また、G5とLoRaは、接続性を強化するための、中心的な駆動ネットワーク技術となります。

プロトコルの統一は、もう1つの重要な要素になります。数十の実際の産業用通信プロトコルを削減して、新しいリアルタイム対応イーサネットに移行することは、4.0の市場を後押しすることにもなります。

限られた帯域幅を、効率的に使用するために、データ量を削減し、これらの製造現場のネットワークにセキュリティを導入することが、エッジコンピューティングテクノロジのタスクです。「エッジ」は、コストとサイズが削減されていますが、最新のマイクロコントローラーとSoCの能力が向上しているため、LinuxベースのコントローラーまたはゲートウェイからCPSに直接移行する可能性があります。

Industrial cybersecurity

2.セキュリティ技術

機能安全はOTのトピックであり、製造現場レベルのIT由来のゲートウェイや、ネットワークに移行する必要があります。しかし一方で、ITおよび(願わくば)オフィスフロアで確立されているセキュリティを、OTの世界に移行する必要もあります(詳細についてはこの記事を参照)。

セキュリティをCPSに統合するには、ITとOTの両方についてトレーニングと教育を受けたエンジニアが必要です。マイクロコントローラーとSoCのメーカーは、オートメーションにおけるセキュリティ知識の欠如を認識しており、このギャップを埋めるために新しい統合製品とライブラリを用いて、支援しています。それでも、オートメーションエンジニアはPythonのような典型的なITプログラミング言語の世界に、足を踏み入れる必要があります。

CPSからクラウドまで、そしてその逆のエンドトゥーエンドのセキュリティを実現するには、プロビジョニングプロセスのソリューションを見つける必要があります。また、各CPSは、クラウドまたはオンプレミスシステムでデジタル表現を行う必要があります。個々の秘密鍵はCPSに配置する必要があり、関連する公開鍵を生成して配布する必要があります。さらに、知名度と実績があるような、インターネットのPK / CAインフラストラクチャを、IIoT用に再定義する必要があります。従来のインターネットセキュリティでは、何百万ものユーザーに、ブラウザでWebページの信頼性をチェックする責任がありますが、IIoTでは、何百万ものCPSが、通信パートナーの承認および確認する必要があります。(詳細についてはこの記事と6つのパートすべてを参照してください)。

AI Artificial Intelligence

3.AI技術

オートメーションにおいて、人工知能は主に、ニューラルネットワークによって行われる機械学習(ML)に集約されます。主に、予防保全のために、パターン認識において使用されます。ビジョンテクノロジーとアナログデータ分析(音、振動)は、LinuxOSがなくても小規模なシステムで実行できます。これにより、ネットワーク上のデータ量を減らすことが可能です。しかし、業界はこの分野の知識不足に苦しんでいます。ライブラリと学習アルゴリズムをより簡単に処理するにはどのようにしたらよいのか、考える必要があるでしょう(たとえば、NOKサンプルを使用せずに、システムにOKサンプルを教えることなど)。

小さなCPSでMLを使用するための計算能力がすでにあるため、このスリリングな技術を、オートメーション業界の最先端に迅速かつ幅広く統合するには、新しいソフトウェアの概念が必要です。

Power saving

4.電源技術

CPS接続に関しては、これらのシステムが機能するために、電力が必要であることを忘れがちです。ワイヤレス接続は問題ありませんが、CPSに電力を供給するための配線が必要な限り、配線が不要になることはありません。

I4.0を強化するには、環境発電や、超低電力ハードウェアのコンセプト、ワイヤレス給電をOTで確立する必要があります。特に、ゼロから構築されるスマートファクトリーはごく少数しかないため、それらのほとんどは既存のプラントから成長するため、CPSの「レトロフィット性」が革命の鍵となります。自問してみてください。既存の製造現場に1,000個のCPSを取り付けるのはどれほど簡単でしょうか。追加の配線がないCPSインフラストラクチャについて考えてみてください。

しかし、電源に関する問題は、追加するCPSだけに限った話ではありません。グリーンテクノロジーの需要が高まるにつれ、既存のプラントを省電力化する方法も見つける必要があります。この需要は(倫理的観点と財務的観点から)非常に高くなり、業界の省電力化を推進するスマートテクノロジーが、4.0の主要な推進要素になる可能性があります。新しいGaN半導体が役立つかもしれません。しかし、はるかに効率的なのは、電力供給をスマートにすることです。システムがスタンバイではなくスイッチを切ることができる場合に、システムにその方法を教えることは、CO2削減に大きく貢献する可能性があります。IIoTは、私たちがエネルギーを消費している場所を監視して見つけるために使用できる可能性があります。

Kunbus Revolution Pi

5.オープンソース技術

現代のITは、オープンソースの概念がなければ、今ある高いレベルの品質では存在できなかったでしょう。オープンソースは、標準化、再利用性、さらには、信頼性を生み出しました。従来、OTにおいて、企業のビジネスコンセプトは再利用性ではなく、独自のテクノロジーの対価として収益を上げることであったため、企業は必ずしも標準化と再利用性を望んでいませんでした。彼らは自分たちのブランドで自信をつけることを望んでいましたが、このコンセプトは、多くのユーザーに不信感を与え、依存関係の罠に陥りました( この記事でインタビューをお読みください)

これが、オートメーション業界でオープンソースの概念が注目されている理由かもしれません。この革命と、オープンソースの概念がより良い収入につながるという正直な信念が、4.0の最も重要な推進要因になる可能性があります。

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ビジネスの変革

それでは、一歩下がって、上記の5つのテクノロジーとコンセプトを見てみましょう。予防保全、ロットサイズ1での製造、または製造現場とオフィスの融合以上のことを実現する、そのようなことを実感することができますか?

真の産業革命は、これらの「あると良い」という利点に限定されません。核となる革命は、新たな価値創造チェーンに関する考え方の変化です。価値創造チェーンのデジタル化は、インダストリー4.0の最も重要な成果です。

10年前、従来のオートメーション企業は、価値創造チェーンを、純粋なハードウェアからソフトウェアにシフトする必要があることに気づきました。多くの企業は、この認識を実行に移すことに大忙しです。彼らは、私たちが現在、価値創造チェーンをサービスにシフトしている(そしてインダストリー4.0テクノロジーが私たちを可能にしている)ことを理解し始める必要があります。また、その間、多くのハードウェアおよびソフトウェアは、新興工業国ではるかに安価で高品質で製造できます。ハイテク企業は、IIoTからのビッグデータをサービスに利用し始める必要があります。

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サービスは簡単に拡張でき、経常収益を保証するため、革新的なビジネスモデルの実現を可能にします。このようなモデルはコピーが簡単にでき、保護が難しいため、顧客をつなぎとめておくことがより重要になります。完璧な例として、Googleが挙げられます。AndroidOSを無料で提供している一方で、何百万人ものスマートフォンユーザーをつなぎとめ、多くのユーザーがPlayストアプラットフォームを使用しています。そして、何千ものアプリを書いているのはグーグルではなく、サードパーティです。Googleはプラットフォームサービスを提供している「だけ」です。

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このようなモデルをオートメーション業界にどのように移行できるのでしょうか。可能性は様々考えられます。私自身のビジネス経験から3つの例を挙げましょう。

私がRevolution Pi(レボリューションパイ)を開発していたとき、新しいアイデアのために、このようなオープンシステムをどのように使用できるか尋ねることができる、多くの顧客がいました。RevPiを使用して、自家醸造設備を自動化し、この設備を他の人に販売したいと考えていた若者のグループをよく覚えています。多くの人々がそのようなシステムを構築し、デジタルコミュニティでレシピやアイデアを交換し合っているのです。私は、彼らに本物の4.0醸造装置をつくるため、醸造装置(あまりスケーラブルではないもの)を販売するだけでなく、レシピサービスも提供するインターネットプラットフォームを始めることもできるといった、手がかりを与えていました。デバイスはインターネットに接続されるため、たとえば、醸造プロセスごと、または、月ごとに顧客に請求して、レシピをマシンに送り込み、プロセスを制御できるようにすることが可能です(簡単に拡張可能で経常的な収益を得られる)。

ある会社は、製材所の古い機械をデジタル化するためのPLCとして、RevPiを使用したいと考えていました。RevPiをPLCとして使用する代わりに、インテリジェントで革新的なセンサー(「オープン・コンピューティング・ビジョン」画像分析を備えたUSBカメラなど)を追加して、切断線の品質を監視することができます。その結果、鋸刃の摩耗を早期に検知することが可能です。RevPiをインテリジェントエッジCPSとして使用すると、クラウドに送信されたアラームをトリガーとして、新しい鋸刃に切り替えることが可能です。このようなサービスは、課金、または、ブレードやマシンを販売する際の付加価値となるかもしれません。

清掃代行業のオーナーは、顧客のためにより多くのサービスに足を踏み入れたいと考えていました。病院の清掃チームのほうきを監視できれば、この市場での不正を抑止できます(不正はよくあるそうです)。病院は、要求された作業が特定の部屋に対して適切に行われたことを証明するための、完璧な書類を手に入れるでしょう。これらの記録は、ほうきのクラウドデータ、動き、そして、位置から得られます。証拠となる文書の生成は、価値の高い、完璧なサービスとなります。

そろそろ、あなたにもいくつかのアイデアが芽生えてきたのではないでしょうか?今回の記事で得たインスピレーションを、様々な業界のサービスに当て嵌めて考えてみてください。心を研ぎ澄まし詳細なイメージを始めるとき、何十ものビジネスの可能性を見つけることができるのではないでしょうか。ぜひそれらのアイデアの種をこの記事のコメントで教えてください。短いものでも構いません。ぜひここに集う同志とビジョンを共有しましょう :-)

この記事のパート2では、オープンソースソフトウェアについて説明しています。

Volker de Haas started electronics and computing with a KIM1 and machine language in the 70s. Then FORTRAN, PASCAL, BASIC, C, MUMPS. Developed complex digital circuits and analogue electronics for neuroscience labs (and his MD grade). Later: database engineering, C++, C#, industrial hard- and software developer (transport, automotive, automation). Designed and constructed the open-source PLC / IPC "Revolution Pi". Now offering advanced development and exceptional exhibits.
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