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産業部品にもついにNFCが応用されるようになりました。非接触型の赤外線温度センサ「PyroNFC」は、NFC (近距離無線通信)を内蔵したコンパクトな温度センサです。スマホアプリとタッチ操作のみで、製造機器などの対象物の温度測定や設定調整が簡単に行えるようになりました。
PyroNFC動画ガイド
衛生管理に最適! 非接触で温度を計測するIRセンサ
昨今、IRセンサを使った温度計測ソリューションが普及しつつあります。
IRセンサは放射赤外線の強度から検出された温度値を線形電圧信号に変換し、生産設備や制御機器へ出力することができます。放射赤外の波長を測定しているので、周囲の大気温度に影響されたりすることもありません。熱電対と同等精度、1°C単位の精度で高速応答可能な温度計測ソリューションを低コストで実現することが出来ます。また対象物と接触することなく温度計測が可能なため、製薬や食品加工などの衛生的な設備向けの温度計測ソリューションに適しています。
NFCのメリット
一般的にIR温度センサを使う場合には各種のチューニング作業が必要でした。例えば、計測精度を高めるため素材ごとに放射率調整したり、炉内の光沢物体の温度を測る場合には、表面反射の補正などを行ったりしています。よって、これらの微調整用のコントロールユニットのために、コストが増加したりシステムが複雑化していました。
本製品では交通系電子マネーでお馴染みのNFCを応用しています。こちらの無料アプリをスマホにダウンロードしチューニングパラメータをセットして、そのスマートフォンをPyroNFCにタッチするだけで簡単にチューニングが完了します。
使いやすいセンサ設定画面
PyroNFCでは、基本的な測定をすぐに始められます。電圧出力の温度範囲の再調整が必要な場合や、コンベア上の物体の測定にピークホールド処理が必要な場合は、アプリでオプション変更が可能です。
センサ設定の保存は簡単で、スマホによる電子マネーを使ったことがあれば使い方はすぐに分かります。アプリで「Write to Sensor」をタップするとデータ送信する準備状態となり、スマホとセンサをタッチすれば設定データが1秒足らずで送信されます。
NFCの優れたメリットの1つが、ストレスなく接続できることです。NFCデバイス同士は相互に登録しなくても近づけるだけですぐに通信が可能です。
また、センサの設定の読み取り/書き込みに電力が不要なこともメリットです。多数のセンサを使ったシステムにおいて、ケーブルを1本も接続することなく全てのセンサーを短時間で設定し終えることができます。
このNFCは、センサ上のチューニング値の読取/書き以外にも、温度測定値のリアルタイム表示にも使えます。特別な機器がなくても、生産ラインを歩きながらプロセスの温度を確認できます。この操作性が、産業用NFCにとって重要なポイントです。
PyroNFCは現在Androidデバイスのみに対応していますが、間もなくiPhoneにも対応する予定です。
NFCは、手間と時間のかかる作業をすばやく簡単に行えるようにする技術です。PyroNFCは、これを温度測定に応用しています。産業用の堅牢な設計で、アクセスが簡単なNFCは、テストベンチやラボなどの用途に適しています。