United Statesからアクセスのようです。言語設定をEnglishに切り替えますか?
Switch to English site
Skip to main content

未来の産業用アプリケーションへのゲートウェイをもたらすSiemens IoT2020

メーカーと産業界をつなぐ、強力な最新のArduino対応プラットフォーム。

Siemens IoT2020は、SIMATICオートメーション用製品ファミリーの最新ラインアップの1つです。この製品ファミリーは、PROFIBUSやPROFINET対応のプログラマブルロジックコントローラ(PLC)や産業用パソコンから、ヒューマンマシンインターフェイス(HMI)、自動製造作業用の高度な分散システムまで、あらゆる製品を網羅しています。

IoT2020産業用IoTプラットフォームは、アールエスコンポーネンツとSiemensにより共同開発され、先日のRome Maker Faireにて、Arduinoの共同創立者のMassimo Banzi氏によって発表されました。この投稿では、ハードウェアと開発オプションについて紹介します。

ハードウェア

以前、「メーカークラス」のボードを装置キャビネットに取り付けるためのソリューションを考え付いたことがあるため、産業用DINレール筐体に搭載した高性能なArduino対応ボードの登場はうれしいものでした。その上、Siemensの名前とSIMATICの伝統を備えているので、一般的により要求度の高い産業環境で、安心して使いこなすことができます。

筐体の右側には、Micro-SDカードスロットと6ピンの「FTDIヘッダ」(3v3 UARTポート)にアクセスできる開きパネルが付いています。左側には、簡単に取り外して、シールドとともに使用するArduino Uno対応ヘッダにアクセスできるパネルが付いています。

筐体の底部には、USBホスト(タイプA)ポート、デバイス(タイプマイクロB)ポート、リセットボタン、ユーザーボタン、イーサネットジャックが並んでいます。上部には、電源、SD、USB、過電流、及びユーザーの各LEDインジケータが並んでいます。

Intel Quark X100 SoCはIoT2020の心臓部で、上図で分かるとおり、Arduinoヘッダに隣接しています。クロック周波数は400MHz、512MB RAM搭載で、BIOS用に8MB SPIフラッシュを備えており、Micro-SDカード経由で最大32GBの主記憶域をサポートします。

画像の引用元: SIMATIC IoT2000 Forum

GPIO割り当ての詳細を上の図で確認できます。デジタルI/Oは、5Vまたは3.3Vロジックレベルのジャンパ経由で設定できることに留意してください(5Vで最大16mA、3.3Vで最大8mAの吐き出し/吸い込み電流)。

ボードの裏面にはMini PCIeスロットが付いており、WLANや追加のイーサネットポートを提供する種々の30 x 50.59mmまたは30 x 26.8mm (アダプタ経由)カードを使って拡張を行うことができます。

IoT2020は、9~36V(DC)の電源で動作できます。電源ターミナルに隣接する適切なサイズの電解コンデンサを見て、安心しました。

公式マニュアル

ご推察の通り、Siemensは数多くのIoT2020に関連するマニュアルを提供しています。以下はその一部です。

  • 操作説明書
  • セットアップガイド
  • 入門ガイド
  • Arduinoシールド経由のDCモータ制御例
  • I2C制御LED例

さまざまな環境や電源条件など、システムビルダーの詳細情報が十分に提供されています。

マニュアルのリンクについては、製品サポート(英語)フォーラム(英語)を参照してください。

Poky Linux

O/Sイメージに含まれる、ソースパッケージのごく一部です。

Siemensから提供されているサンプルのO/Sイメージは、Yocto ProjectというLinux FoundationワークグループのPokyリファレンスディストリビューションに基づくGNU/Linuxシステムです。これは、標準のベンダーニュートラルなツールセットソフトウェアメタデータによって培われたIoT2020向けのLinuxディストリビューションということを意味します。つまり、Siemensの続きを拡張したり、オペレーティングシステムやインストール済みのアプリケーションをさらにカスタマイズすることが容易だということです。

プレビルドイメージに加え、ソースコードの大規模なアーカイブをダウンロードできます。

SDカードの書き出し

公式マニュアルはWindowsユーザー向けです。多くの電子エンジニア、とりわけPLCを使用するエンジニアが、日常の業務でWindowsコンピュータをほぼ確実に使用すると考えれば、非常に理にかなったことです。

提供されているO/Sイメージには「.wic」拡張子がついています。セットアップガイドではWin32 Disk Imagerを使用してこれをMicro SDカードに書き出すことが提案されていますが、Linuxを実行している場合は「dd」を使用すると簡単です。以下は例です(「of」引数は変わる可能性があることに留意してください)。

$ sudo dd if=iot2000-example-image-iot2000.wic of=/dev/mmcblk0 bs=4M

これが完了すると、Micro SDカードをIoT2020に挿入するか、又はデスクトップマシンに取り付けて、ブートファイルシステム・ルートファイルシステムを参照することができます。

Intel System Studio for IoT

EclipseベースのIntel System Studio for IoTは、Windows、OS X、Linux版で使用できる、IoT2020アプリケーションの公式開発環境です。C/C++でアプリケーション開発を行うことができ、数多くのサンプルが用意されています。GPIOとセンサへのアクセスは、IntelのUPM及びMRAAライブラリにより簡素化されています。また、他のプラットフォーム間でのアプリケーションの移植性も実現しており、これを活用してデバイスアクセスを提供しています。

IDEもPokyシステムと強固に統合されており、多くの依存性を抱える複雑なアプリケーションにも、より簡単に対応できます。

Arduino IDEを用いたプログラミング

現在提供されているマニュアルでは一切Arduino IDEに触れていませんが、ハードウェア及びソフトウェアアーキテクチャでIntel Galileoに非常に近いため、Arduino IDEを使用してIoT2020をプログラムできるか確かめてみたいと考えました。

まず、最新版のArduino IDEをarduino.ccからダウンロードしました。次に[Tools (ツール)] → [Board (ボード)] → [Boards Manager (ボードマネージャ)] を選択してから、Intelボードサポートパッケージを検索し、GalileoなどのIntel i586ボードに対応するものをインストールしました。このプロセスは、インストールがほぼ終了に近づいた時に失敗しましたが、運良くaskubuntu.comで解決策が見つかりました。解決策は以下の通りです。

$ cd ~/.arduino15/packages/Intel/tohttp://www.rs-components.com/designspark/index.html?mpn=ols/i586-poky-linux-uclibc/1.6.2+1.0/i586

$ vi install_script.sh

「executable_files」から始まるラインを探して、「+111」の文字を「/111」に変更します。

$ ./install_script.sh

この失敗は、IoT2020に起因するものではなく、Arduino/Ubuntuのバグであることに留意してください。

その後、IoT2020 Micro-B USBに接続した後、ポート「/dev/ttyACM0」とともに、Intel Galileo Gen2ボードがIDEで選択されました。次に、信頼できる点滅サンプルがコンパイルされて、正しくアップロードされ、ユーザーLEDの点滅が始まりました。

ユーザーLEDは一番右にあるLEDで、UARTヘッダに隣接しています。

第一印象

詳しい仕様書やシステムビルダーのガイドラインを含む豊富なマニュアル、DINレール筐体や9~36V(DC)の電源範囲、過電流表示といった特長、Siemensハードウェアならではの製造品質を踏まえると、SIMATIC IoT2020は、まさに産業用アプリケーションに最適という印象です。

IoT2020は、新しいソリューションのプロトタイピングに使用できる柔軟性に優れたプラットフォームとして、そして既存のソリューションとオンラインサービスをつなぐ手段として、日常の業務でPLCやその他のより伝統的なオートメーションテクノロジーを利用する人々にとって魅力的な製品となるでしょう。同時に、デスクトップから産業環境へとアプリケーションを移行したい、メーカーのバックグラウンド寄りの人々にとっても魅力的です。

IoT2000シリーズ第1弾のソリューションとして、ソフトウェアエコシステムやアプリケーションのサポートとともに、この製品がどのように発展するのかが本当に楽しみです。

Andrew Back

Open source (hardware and software!) advocate, Treasurer and Director of the Free and Open Source Silicon Foundation, organiser of Wuthering Bytes technology festival and founder of the Open Source Hardware User Group.