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Cypress製PSoC®6マイコンとExcelon-FRAMでIoT設備予知保全のプロトタイピング

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「ある日、仕事で使っている車が突然故障! 仕事に影響を出さないよう、最寄りの修理業者に緊急対応してもらったところ、後日100万近いの請求書が・・・」

こういった場面を想像してみてください。突発的な故障は予想外の大きな出費を求められます。しかし、もしこの故障が予め予測できていたらコストを大幅に抑えることができるのではないでしょうか?例えば、最寄りの修理業者ではなく専門のディーラーであれば、部品交換もせずもっと簡単に修理する方法を知っていたかもしれません。部品手配が必要な場合であっても、多少納期のかかってももっと低価格なものを選べたかもしれません。あらかじめ修理の日をスケジューリングしておけば、仕事に影響を与えたり損失を出したりせずに済みます。

似たような状況は、産業界とくに製造設備においても起きています。機械や部品の故障によるダウンタイム中に、工場はどのくらいの損失を被っているでしょうか。

イギリス エクセタ地区に本社を置く緊急保守サービス会社「Oneserve」が、2017年に英国の製造業者と協力して実施した調査によると、機械のダウンタイムにより、イギリス全体で毎年1,800億ポンド(日本円で約25兆円)以上をロスしているそうです。このダウンタイムロスの53%は機械部品故障が原因で起きており、約83%の業者は、最低年1回は壊れた機械を交換しているそうです。つまり機械故障を予知し事前対応できていれば、年間25兆円の53%のロスを改善することができるということになります。

そこで昨今、Industrial Internet of Things(IIoT)の技術を活用し、機器の潜在的な損傷を予測することで、計画外のメンテナンスコストを削減する「予知保全」が注目されています。具体的には、設備の稼働状況をセンサーデータとして蓄積し分析することで機器の状態を監視し、深刻な損傷が発生する前にメンテナンスの計画を立てます。

DesignSparkは、InfineonグループのCypress社と連携を取り、IIoTをベースとした予知保全について理解を深めました。Cypress社の要望通り、顧客は、産業環境における過酷な条件に合った、様々な低電力・高性能マイクロコントローラーや無線通信、メモリソリューションを使用可能です。

以下のブロック図は、予知保全のためのCypressソリューションをまとめたものです。

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PSoC®63 MCU と Excelon-FRAM を使用した予知保全のブロック図

予知保全のためのPSoC® 63 BLE 5 MCU

Cypressの提供する予知保全のコアは、Bluetooth Low Energy(BLE)を備えたPSoC®63MCUファミリです。これは、それぞれ150MHz、100MHzで動作するARMのCortex®-M4およびCortex-M0 +プロセッサと、最大1MBのフラッシュ、288KBのSRAMオプションを備えたデュアルコアアーキテクチャを採用しています。高性能マイクロコントローラー、構成変更可能なアナログおよびデジタル周辺機器、業界における最新のBLE接続ソリューション、およびミッションクリティカルなデータロギングをすべて1つのチップに実装する機能を組み合わせた機能により、PSoC®63 Lineは予知保全アプリケーションの理想的なソリューションとなります。

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PSoC® 63 Line (cypress.com)

PSoC® 6 MCU に搭載されているプログラム可能なアナログおよびデジタル周辺機器により、温度、圧力、振動計センサーなど、マシンの状態を監視するために不可欠なセンサとの通信が可能になります。PSoC 63 Line には、Bluetooth Smart、またはBluetooth Low Energyとも呼ばれる、BLE 5.0に準拠するワイヤレス接続のサブシステムも組み込まれています。CapSense® capacitive-sensing blockは、タッチボタン、スライダー、ホイール、トラックパッド、タッチスクリーンなど、低電力で信頼性の高い静電容量センシングソリューションの実装を可能にします。また、このチップは、最大速度640Mbpsのミッションクリティカルなデータロギング用のQuad-SPIインターフェイスをサポートします。

PSoC® 63 MCUのプログラミングとデバッグに利用できる開発キットは、いくつか販売されています。

PSoC® 6 BLE パイオニアキット (CY8CKIT-062-BLE)

PSoC® 6 BLE パイオニアキット (CY8CKIT-062-BLE) (136-7817) は、初めての方に最適なキットです。このキットは、PSoC 63ファミリの機能、具体的には、116-BGA型パッケージで、高度な構成変更機能を備えた78のGPIOを持つCY8C6347BZI-BLD53 (179-7776) チップの機能を特徴としています。使用できるメモリ容量(1MBのフラッシュ、288KBのSRAM)は、コードとデータを格納するために、オンボードの512Mb Quad-SPINORフラッシュメモリで拡張することが可能です。PSoC 6 BLE Pioneerボードは、 EZ-PD™ CCG3Type-C電力供給システム、オンボードボードプログラマ/デバッガ(Kitprog2)、CapSense® タッチスライダ、ボタン、近接センサーなども備えています。

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PSoC® 6 BLE パイオニアキット (cypress.com)

Pioneer boardとは別に、このキットにはCY8CKIT-028-EPD (176-9830) E-INKディスプレイシールドと2.7インチE-INKディスプレイ、サーミスタ、モーションセンサおよびマイク、CY5677 CySmartTM BLE 4.2 USB ドングル、USB Type-A-Cケーブル、4本のジャンパー線と2本の近接センサ線も付属しています。

Clicker 2 for PSoC® 6 (MIKROE-2849)

PSoC® 63 lineを使用した迅速なテストとプロトタイピングのための別の開発キットオプションはClicker 2 for PSoC® 6 (MIKROE-2849) (170-8233) で、パイオニアキットと同じCY8C6347BZI-BLD53 MCUを採用していますが、加えて、既存のClick boardsTMを使用するための“プラグアンドプレイ”機能用 mikroBUSTMソケットを2つ備えています。mikroBUSTMソケットは、UART、SPI、I2C、PWM、GPIO、アナログ入力ピンなどの標準的な通信プロトコルに対応し、センサーボード,、ワイヤレス接続ボード (WiFi, Bluetooth, GSM, NFCなど)、 メモリ開発キットHMI などの豊富な種類のClick boardsTMを使用して、予知保全ソリューションに関するプロトタイピングをすぐに始めることが可能です。

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Clicker 2 for PSoC® 6とClick boardTMの組み合わせ (mikroe.com)

PSoC® 63 BLE シリコンデバイスに、水晶発振器、トレースアンテナ、いくつかの受動部品を追加したような、Cypressが保証・認定している Bluetooth Low Energy(BLE)ワイヤレス通信モジュールが、CYBLE-416045-02 EZ-BLE™ Creator Module (187-4779) です。これは、14×18.5×2.00 mmサイズのパッケージであるソリューションでPSoC® 6 BLE プロトタイピングキット (CY8CPROTO-063-BLE) (181-2207) や EZ-BLEArduino 評価ボード(CYBLE-416045-EVAL) (187-4766) などのいくつかの開発キットで使用することができます。MFG_CYBLE-416045-02_0a5e02b1984d31b36e58ef5c71fec422e5b09545.png

CYBLE-416045-02 EZ-BLE™ Creator Module (cypress.com)

PSoC® 6 BLE プ ロトタイピングキット (CY8CPROTO-063-BLE)

このプロトタイピングキット (181-2207) は、とてもコストパフォーマンスが高く、非常に手頃な価格(¥ 2,500程度)で購入可能です。CYBLE-416045-02モジュールに加えて、CY8CPROTO-063-BLEキットには、ターゲットボードから分離できるオンボードプログラマーおよびデバッガーであるKitProg2が付属しています。KitProg2は、PSoC 5LPデバイス(CY8C5868LTI-LP039) (124-2970) を採用し、USB-UARTおよびUSB-I2Cブリッジとしても使用でき、スタンドアロンモジュールとして使う場合は、SWDインターフェイスを介してPSoC 3、PSoC 4、PSoC 5LP、またはPSoC 6 ファミリのプログラミングとデバッグが可能です。

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PSoC® 6 BLE プ ロトタイピングキット (CY8CPROTO-063-BLE) (cypress.com)

CY8CPROTO-063-BLEプロトタイピングキットは、PSoC 6 BLE デバイスの評価をすぐに行える、シンプルで低コストのプラットフォームとして設計されています。ボードには、デバイスの状態を監視するための2つのユーザーLEDが備えられていますが、ピンヘッダやブレッドボードを使用して、さらに多くのLEDを接続可能です。また、CYBLE-416045-02モジュールへの入力や、ボードのリセットを行うためのユーザーボタンとリセットボタンが付いています。BLEアプリケーションにおいて正確な動作タイミングを得るために、32kHz WCO水晶発振子がボード上に接続されていますが、既存のフットプリント(2.0mm×1.6mm)に外部水晶を追加する場合もあります。

産業環境におけるデータロギングのためのExcelon F-RAM

状態監視や予知保全など、大量のセンサーデータが生成されるIoTアプリケーションでは、連続した、信頼性の高いデータ収集のために外部メモリデバイスが必要になる場合があります。産業環境内において、外部メモリを用いたMCUを使用すると、設計上、課題を抱えることになるかもしれません。これらのメモリデバイスは、過酷な環境条件に耐えながら、長期間、データを継続的に記録する必要があります。さらに、電源が失われた場合に備えて、データを即座に、かつ確実に記録しなければなりません。ですが、Excelon Ultra F-RAMs は、最大100年間のデータ保持と、85°C下で、15〜20年の間、100兆回の書き込みサイクルの読み取り/書き込みが可能です。また、 Excelon FRAMは、ピン数の少ない108 MHz QSPIインターフェイスを備え、EEPROMの200分の1のエネルギー、NORフラッシュ製品の3,000分の1のエネルギーしか消費しません。Excelon Ultra QSPI F-RAMのすべての機能を評価する場合は、CY15FRAMKIT-002 (189-0538) F-RAM使用してください。

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F-RAM開発キット (CY15FRAMKIT-002 ) (cypress.com)

Additional resources:

Develop Groundbreaking IoT Designs with the PSoC® 6 BLE Pioneer Kit

PSoC 6: A Cypress Microcontroller Purpose-Built for the Internet of Things

Cypress unveils EXCELON F-RAM: The Mission-Critical Memory for IoT

The industry’s lowest-power mission-critical nonvolatile memory

Cypress PSoC 6 Prototyping Boards

 

I am an electronics engineer turned data engineer who likes creating content around IoT, machine learning, computer vision and everything in between.