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キャンピングカー用のオフグリッドソーラーシステムを構築しよう!

私はずっと前からキャンピングカーが欲しいと思っていました。オフグリッド(注:電力会社が提供する送電網につながっていない、電力を自給自足している状態)な生活や、誰にも邪魔されずに自分の技術に集中できる生活に興味があったからです。私にとっては執筆、エンジニアリング及びサステナビリティの愛着がキャンピングカーへの関心を高め、加えてパンデミックと気候変動の影響によってその関心がさらに加速しました。少し前、中古のバンが急に欲しくなり勢いで買ってしまいました。キャンピングカーの”魅力を自分で形にしたかったのと、この時代に多彩なテクノロジーを使い、個人がどこまで挑戦できるかを探りたくなったからです。また、ロックダウンや在宅勤務は私たちに新しい経済の方向性を示してくれました。この変化を受け入れ、活動するのにこれほど良い時期はありませんでした。

このプロジェクトを記録し公表することで持続可能な地球を築くために必要なことなど、”サスティナビリティ”について人々の認識を高めることが今回の記事の目的です。今回は簡単なソーラーシステムの構築を通して再生可能エネルギーの基本を取り上げてみようと思います。最初のステップでは、最終的にバンに完全なソーラーシステムを設置することを考えて固定式のソーラーパネル1枚を使用したソーラーシステムの構築とテストに重点を置きたいと思います。

システム概要説明と進捗VLOG

部品一覧

  • ソーラーパネル
  • MPPTソーラーチャージコントローラ
  • ディープサイクルレジャーバッテリ
  • 電源インバータ

概要図

System overview diagram

システム概要

再生可能エネルギー源としての太陽電池の魅力は固定技術としてのシンプルな構造にあります。可動部品がないためメンテナンスの必要性が低く、長期的な信頼性があります。インフラがまばらな場所や遠隔地やモバイル環境で小規模な局所的電源が必要な場合に特に有効と言えます。一般的なオフグリッドソーラーシステムは以下の4つの主要コンポーネントで構成されています。順に説明していきます。

ソーラーパネル

ソーラーパネル(太陽電池パネルまたはアレイ)はソーラーシステムにおいては絶対欠かせないものであり、日射量、入射角、温度およびセル効率に比例して発電することができます。太陽電池は感光性半導体の構造によって単結晶と多結晶に分類され、感光性半導体構造のアーキテクチャを考えると、単結晶の方が優れているとされることが多いです。

チャージコントローラ(充電制御装置)

チャージコントローラはソーラーパネルやアレイで発電したエネルギーを蓄電用電力に変換するための装置です。チャージコントローラには2種類あります。1つはPWM(Pulse Width Modulation)方式です。PWM方式の変換効率は約70%で信頼性が高く、小規模なセットアップでは費用対効果も高いとされています。もう一つはMPPT(最大電力点追従機能)方式です。MPPT方式は変動する太陽光発電を監視し、制御を加えることでより効率的にバッテリ充電電力に変換することができ90%以上の効率を達成することができます。

バッテリストレージ(蓄電池)

バッテリストレージはすぐに使うことができない電気エネルギーを蓄えておくためのものです。安価で信頼性の高いディープサイクル鉛蓄電池がよく使われますが、モバイル環境や軽量化が求められるアプリケーションではリチウム化学物質(リチウムイオン電池)がより一般的になりつつあります。今回使用するバッテリは12V出力のものです。

インバータ

インバータはバッテリからの低出力の直流電力を家庭用コンセントと同じ交流電力に変換するために使用されます。この電力はノートパソコンやケトルなど様々な電化製品に対応しています。より高度なインバータの中には地域の電気インフラに電力を供給するものもありますが政府の補助金が減少するに伴い、今では地域蓄電(ローカルストレージ)ソリューションやオフグリッドソリューションに対する需要が高まっています。

ソーラーシステムを構築する

今回の目的はソーラーパネル1枚でオフグリッドソーラーシステムのコンセプトを検討します。将来的にはこの検討を用いて完全なソーラーシステムにスケールアップします。
次にすべてのコンポーネントを接続し、予想と現実のギャップを認識していきます。

Charge controller connected to the battery

バッテリーに接続された充電コントローラ

始めるにあたり、充電コントローラをバッテリに接続して電源を供給する必要があります。チャージコントローラは12Vか24Vのシステムを自動的に検出するように設定されているので、最初は目的のバッテリを使用して電源を供給することが重要です。この例で使用するストレージソリューションはMPPTチャージコントローラに接続された標準的な12Vディープサイクル鉛蓄電池です。このコントローラが自動的に、太陽電池の電圧をバッテリに供給する際に最も効率的な電圧値(最適動作点)に制御します。

An inverter connected to the battery

バッテリに接続したインバータ

この状態では1つのバッテリから電力を得ますが、動かせる電気機器の範囲がDC12Vのみに限定されてしまいます。ですが、ノートパソコンやケトルなどの家庭用電気機器の多くは家庭用コンセントからの交流電圧(AC)で動作します。したがって、実現可能なオフグリッドシステムを構築するためには蓄電池の電力をACに変換するインバータが必要です。幸いなことにこれは簡単にできるもので、インバータのDC入力にバッテリ端子を接続するだけです。これでメイン出力ソケットを家庭用コンセントと同じように使用することができます。

Charge controller displaying solar panel voltage

ソーラーパネルの電圧を表示している充電コントローラー

最後にソーラーパネルとチャージコントローラを接続し実際の条件下でシステムが動作するかを観察します。チャージコントローラはLCD画面から様々なデータを提供してくれるので、ソーラーパネルとバッテリストレージの両方の性能を簡単に測定することができます。このソーラーシステムのピーク定格出力は100Wであり、この値を簡単なベンチマーク値として全体的な性能をテストし、実測値との差を観察します。

Fully operational system

完全なソーラーシステム(ソーラーパネル1枚)

テスト当日は曇りでシステム性能の下限を観察することができました。広範囲に雲が広がり小雨がぱらつく状況にもかかわらず、ソーラーシステムは15V、0.6Aの安定した充電を行っており一瞬雲が晴れると最大で22Vまで出力が可能な値を示しました。またテスト中には活発な電圧・電流の制御を加えたり、日射量の変動があったにもかかわらずチャージコントローラの出力において大きな電力変動は起こりませんでした。

ソーラーパネル1枚でシステムが正常に動くことが確認できたので、次の段階では直射日光下で構成部品の上限テストの実施と電気絶縁スイッチやサージブレーカなどの安全機能の要件評価に重点を置く予定です。また、システムが成長して複数のパネルを含むようになった場合のニーズや、移動する車両に搭載する際の物理的・電気的な考慮点についても検討します。

この記事のパート2ではシステムを拡張して複数パネルを含めることおよび走行する車両にそれらを取り付けるため必要な検討事項について調べることに焦点を当てようと思います。

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A keen maker and electronic engineer with a passion for the environment, renewables, alternative transport and anything off-grid. Man with a van and founder of the Kickstart Kamper sustainable campervan project. Grassroots Education Sustainability Ambassador. BrightSpark 2017. BEng. KickstartKamper.co.uk