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IoTはオワコン?!幻滅期に入った?

現在のIoT市場にはいわゆるキラーアプリが不足してはいないか?今までに登場した主なアプリはフィトネスにせよホームオートメーションにせよ、数十年前からもあったようなアイデアを焼き直しに思える。特に、ホームオートメーション分野を見てみると、誇大広告気味で実際の製品の現実と合致しないため、ますます誇張を繰り返すようになっているのが現在の傾向だ。ガートナー社のガートナー テクノロジーハイプサイクルでは「大衆がIoTに幻滅するのは時間の問題ではないか」と予測をしている。この記事では2017年のガートナーハイプサイクルをもとに、いくつかのホームオートメーション分野に関する「残念IoT製品」の実例を紹介しよう。 

センスはないがお金はある人向けのライフスタイル製品

Juicero

最近、Juicero社のジューサーが大きく報道されたが、これは好ましくない理由からだった。このWi-Fiに繋がるジューサーは、果物や野菜のミックスが入ったパウチを絞りグラスに注ぐというもので、材料を切ったりマシンを洗浄したりという動作が必要ないという利点がある。この便利さのために顧客はマシンの購入に約7万円、また一袋につき500~800円のお金を支払っていった(後に得られる対価が割に合わないと顧客自身が思うまで)。ちなみに、このマシンは別のサプライヤの安いパウチの使用を防ぐため、QRコードを読み取って正規品以外のパウチは使えないようにしてある。このことはまだ序の口で、興ざめなことをする人たちが、マシンを使わずともパウチを手で絞ればジュースが作られることを発見してしまった。これがきっかけとなり、顧客は激怒してマシンを返品、テクノロジー評論家たちも手のひらを返して批判、支援者からは資金を引き揚げられ、あげくの果てにその他の大衆から「信じられない」と首を振られてしまう。

高価でローテクな代替品

Otto

Otto社は「壊れていないなら、技術的に進歩していても高価で機能の少ないモノと交換するな」という古い格言に抗ったスタートアップ企業だ。この企業の製品Otto door lock はBluetoothやWi-Fi対応のキーレス錠で、とても良い設計なのだが、約7万円という値段がセキュリティの低下の恐れのある製品としては高すぎたのである。 また、この製品のセールスポイントの一つは、「本物のパーティゲストは家に入れるが、招かれざる者はそうでない」であった。うーむ、これは誰の印象にも残らない絶望的なマーケティングのようにしか聞こえない。

未だにしがみついてくるスマートウォッチ

初めてスマートウォッチが登場したとき、「どうしてプラスチックのデジタル時計に4万円も払いたくなるだろうか?」と考えた。すると彼らは「そうだな、だがこの時計は生体情報をチェックできて、しかも運動不足になると知らせてくれる。」と答えてくれた。私は「ありがとう。でも前者にはあまり惹かれないし、後者については妻が対処してくれる。」と言った。いずれにせよ、私は自分の健康に関するデータがクラウドに送られ、そこで解析されることを望んではいない。ちなみに、何年も前から「フィットネスバンド」自体は存在しており、健康データの分析のために自分のオフラインのPCにデータをダウンロードする必要はあったが、ハッキングされる可能性は無かった。この場合では、IoT化することは悪意ある盗聴者を利するだけのように思える。

私のスマートウォッチに対する関心は、Apple Watch 3の発表で一時的ではあるが高まった。そう、時計で電話ができるのだ。Dick Tracyの時計の登場だ! (注:若い読者は、1950年代の架空の刑事の使用した伝説的な時計をチェックだ) だが、Apple Watchで電話のできるキャリアはイギリスには1社しかない(しかも自分の契約しているところではない)ことに気づいた。まあ、よくあることだ。それはともかく、ほぼ毎日、時計を充電しないと使えないなんて面倒じゃあないか?

フィットネスバンドの実用的な用途

無線接続された健康モニターは、「健康な」人や私にとっては恩恵が少ない一方で、最近1週間ほど入院した人たちにとっては大いに役立つことが分かった。病院では、ナースコール等の電子機器のおかげで、多くの命が救われているのは明らかである。しかし、入院の経験がなければ、夜中も含め、2時間おきに看護師が血圧や体温を測っていることを知らないだろう。開放病棟は夜間も騒がしいことが多いうえ、ひっきりなしに照明が点いたり消えたりする。睡眠はとても貴重なものだ。睡眠妨害の原因を減らすIoTデバイスは、患者とオーバーワークなスタッフから等しく歓迎されるだろう。この場合、携帯電話を使用禁止にすればよいのでは?と考える方もいるであろうが、諦めてほしい。なぜなら、私がいた所ではすべての患者が携帯電話を持ち、ずっと使っていた。思い付きではあるが、MIoT (Medical IoT)というのはどうだろうか?

「顧客に欲しいものは何かと尋ねたなら、もっと足の速い馬が欲しいと答えただろう」

これは「起業家は顧客の望んでいるものを具現化した形でもっとアピールする必要がある」という自動車王Henry Fordの言葉である。しかし、このように製品を押し付けるアプローチは失敗に終わることが少なくはない。実際、Fordは顧客により多くの馬ではなく、より大きな馬力(自動車)を提供している。

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Engineer, PhD, lecturer, freelance technical writer, blogger & tweeter interested in robots, AI, planetary explorers and all things electronic. STEM ambassador. Designed, built and programmed my first microcomputer in 1976. Still learning, still building, still coding today.