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PLCnextとはどんなもの? パート1:エコシステム

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このシリーズ記事では、Phoenix Contact社製の「PLCnextについて深く掘り下げ、さらに、簡単なラダーロジックとC#プログラミングの例を使って、実際に体験してみます。

PLCnextとは?

PLCnextは、Phoenix Contact(フェニックスコンタクト)社が開発したモジュラーハードウェアとソフトウェアで構成された産業IoT向けの製品群です。産業機器とIoTを融合した、次世代のFA開発を幅広い、エンジニアに提供します。

具体的には、従来のPLCのように動作する強力なLinux系ハードウェアや、 IEC 61131-3準拠プログラミング言語や従来のラダーでも開発可能な開発ソフトウェア 、そして、MATLAB Simulink、C#、C ++などを使用したプログラミングライブラリで構成されています。

IoT接続を念頭に置いてつくられており、PLCリモートモニタリング、他の製品・サービスからの通信が可能です。

利点

PLCnextエコシステムには、既にPLCに精通している従来のFAエンジニアだけでなく、Raspberry PiやArduinoなどの開発を得意とするITエンジニア・個人メイカーでも、手軽に制御開発を行えるようになっています。

もともとFAなどの制御開発は、ラズパイなどと全く異なるスキルセットが必要でした。そのためIoT技術者と制御開発技術者の間には大きな壁が立ちふさがっていました。

そこで、PLCnextは、ITエンジニアや個人メイカーでも産業オートメーション開発が行える製品となっています。彼らにとってなじみのあるLinux&Eclipseベースの開発環境「 PLCnext Engineer 」で開発出来るうえ、ハードウェア自体も、一般的な産業システムよりも手頃な価格で入手することができます。

産業機器レベルの堅牢なI / Oを搭載しており、リレーなどを出力モジュールに直接接続できます。レベルシフトやリレーコイルからの逆起電力の処理などの心配も必要ありません。また、電力測定などの、より特殊な機能をもったI/Oモジュールが用意されており、制御システムの作成にかかる時間を短縮することも可能です。

PLCは、ラダーという特殊な手法で記述されたプログラム手順を厳密なタイミングでリアルタイム制御するように動作します。一方、Raspberry Piは複数のプログラムが並列に動作しており、あるプロセスが別のプロセスを中断させるなど、非リアルタイムに動作しますつまり、入力への応答が遅れることを意味します。このような動作は、制御機器では人名を危険にさらす可能性があります。たとえ0.5秒程度でも、加減速に遅延するようなジェットコースターに、誰が乗りたいと思うでしょうか?

PLCnext環境は、PLC制御の国際規格 IEC 61131-3に準拠したプログラム手法が使用できます。この IEC 61131-3 では、従来のラダーだけではなく、C言語に類似した高級言語でのプログラムもサポートしています。

さらにLinux OSと併用することで、産業用でも一般的に用いられる Profinet&Profibus、INTERBUSを始め、HTTP / HTTPS、SNMP、OPCUAなど、インターネットと接続するための標準プロトコルも使用することができます。つまり産業機器制御、産機間通信、さらにインターネットと連動する産業IoTシステムの開発が、一般的なITエンジニアでも行えることになります。

PhoenixContact社は、 PLCnextのラインのリモート監視および管理用に、クラウドサービス「 Proficloudプラットフォーム」も提供しています。これにより、PLCからアップロードされたリアルタイムデータや、プロセスデータをクラウド上から監視でき、さらに機械学習と連携させることで障害を予測する「予知保全」に繋げることもできます。

ハードウェア

PLCnextは、一連のPLCコントローラー(AXL F 1152、2152、3152、および安全コントローラーRFC 4072S)で構成されています。各Axiolineコントローラーは、処理能力とプログラムストレージの容量が向上しており、より大規模で、複雑な制御システムの開発を可能にします。PLCnextコントローラーは、従来のPLC環境と並行してLinuxも実行し、 Node-REDのようなアプリケーションを追加可能にします。 これにより、より強力な自動化システムを作成できます。

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コントローラに加えて、小型で、高密度のI / Oソリューションを提供するAxiolineSmart Elementsから、AxiolineFおよびAxiolinePシリーズのI / Oソリューションまで、あらゆる種類のI / Oを利用可能です。

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Axioline F I/Oモジュールは、一般的なデジタル入出力から、PWM出力や電力測定用の入力まで、さまざまな機能を持ち、複雑な制御システムを簡単に構築することができます。

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Phoenix Contact社は、標準的な35mm DINレールに適合し、I / Oシステムの迅速、かつ簡単な構築を可能にするバススタイルの相互接続システムを開発しました。モジュールはDINレールをクリックして、バスに接続します。

ソフトウェア

PLCnextのコントローラー向けに様々なアプリケーションを提供できるオンラインストア「PLCnext Store」では、C#、C ++、Java、およびMATLABSimulinkなどを始め、Node.js、Rust、.Net Core、Java、Pythonなどの他の言語もサポートしています。

主要な開発環境はPLCnextEngineerであり、これは、IEC 61131-3プログラムの開発、PLCコントローラーの管理および構成を行うことができるIDEです。このツールは無料でダウンロードでき、WebベースのHMIを自動的に生成できる「HMI Generator add-in」や、Profisafeデバイスを構成する「Functional Safety Editor」などの、より高度な機能に必要なライセンスも用意されています。

C / C#などの他の開発は、 Visual StudioをMicrosoftから無料ダウンロードし、それを使用して行います。Phoenix Contactはプラグインを提供しており、これによって、この環境での開発を容易にすることが可能です。また、Linuxでの開発にはツールチェーンも利用可能です。

拡張性

PLCnextエコシステムは、PhoenixContact社が提供する産業オートメーションシステムの従来製品と下位互換性があり、INTERBUSコネクタを使用することによって、I / Oシステムを交換したり、オーバーホールしたりすることなく、既存のシステムを更新可能です。

PLCnextベースの制御システムは、業界標準の通信プロトコル(OPC UA、Modbus、Profinet、Fieldbusなど)がサポートされているため、他のシステムと統合することもできます。

また、REST APIやその他のプログラミング言語が利用できるため、PLCの機能を簡単に拡張可能です。これらはすべて、様々な場所で使われている、規格、または言語です。

まとめ

この記事では、PLCnext 制御システムのハードウェア、ソフトウェア、およびクラウド接続について触れました。次のパートでは、ハードウェアを実際に体験し、ラダーロジックを使用して、基本的なプログラムや、C#を使用したプログラムを作成します。

Engineer of mechanical and electronic things by day, and a designer of rather amusing, rather terrible electric "vehicles" by night.