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充電ソリューション、MAX77976 Evaluation Kitをレビュー!

Maxim Integrated社は、Analog DevicesADI)のグループ企業となりました。)

MAX7796評価キットはマキシム・インテグレーテッド(Maxim Integrated)社が提供する最新の充電ソリューション用評価ボードで、シングルセルのリチウムイオンバッテリー管理インテリジェントUSB-C電源供給を組み合わせた機能を実証するために設計されたものです。ボード自体は2種類のICで構成されており、主にMAX7796のバッテリー充電機能に焦点を当てています。これがMAX77958 USB-C電源供給コントローラーを補完し、マキシム社の開発環境の効率性を効果的に示しています。

ハードウェアに慣れていない開発者が短時間で開発できるよう、これら評価ボードに加えて、無料でダウンロードすることができるWindows PC用の専用グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)ツールも提供されています。このツールで、ボードの各レジスタ、割り込みなどを視覚的に操作することができます。
機能としてはMAX77958 USB-CパワーデバイスデリバリーコントローラーとMAX77976バッテリーチャージャーの2つから構成されており、この記事では、MAX7796評価キットの機能を主にソフトウェアの面から探ります。

The MAX77976 Evaluation Kit featuring MAX77958 USB-C Power Delivery Module

使用するもの

  • MAX77976 Evaluation Kit (212-2568)
  • シングルセルリチウムイオンバッテリー (880-1551)
  • T3DSO1104 デジタルストレージオシロスコープ (177-1267)
  • USB-C ウォールアダプター
  • Micro-USB ケーブル

MAX77958の主な特徴

MAX77958は総合的なポートモニタリングと接続提供(プロビジョニング)機能を備えたスタンドアロンなUSB Type-Cおよびパワーデリバリーコントローラーです。デバイスは新旧のさまざまなUSBプロトコルに対応しており、ホストと周辺機器(ペリフェラル)の両方として機能する柔軟性を持っています。

このデバイスはアップストリームポート(UFP)ダウンストリームポート(DFP)をサポートしており、接続時に双方向の電力供給と電流容量の検出が可能です。割り込みやステータスレジスタの追加により、スタンドアロンMCUからの外部モニタリングが可能ですが、チャージコントローラーなどの互換性のあるハードウェアに接続した場合は、独立したI2Cマスターとしても機能します。

マキシム社はUSB電源とデータ機能を組み合わせた優れた範囲をMAX77958に組み込んでおり、多くのUSB-Cアプリケーションの優れたインターフェースとして機能できます。

MAX77976の主な特徴

MAX77976はシングルセルのリチウムイオンバッテリーに最適な高効率のスイッチモードバッテリーチャージャーです。入力電圧範囲は3.8V~19Vで、最大5.5Aの高速充電が可能です。分差感知、スマート・パワー・セレクション、高効率バック・コンバータを使用してバッテリーの電圧とサイズに応じて充電特性を自動的に調節します。

MAX77976は、I2Cインターフェースを介してアクセス可能な割り込みとステータスレジスタの選択により、外部ハードウェアの使用もサポートしています。また、コンフィギュレーションレジスタを追加することで、クロック周波数や低電力モードなどのハイレベルな動作パラメータを制御しながら、電圧や電流の制限を設定することができます。

またこのデバイスはリバースブーストコンバーターとして構成することができ、1つのリチウムセルを使用して最大12Vの出力電圧が出力可能で、対応する外部機器に電力を供給することができます。この機能により、マキシム社はリチウム電源システムの設計を大幅に簡素化させ、複雑なマルチセルバッテリーシステムを構成する必要性を減らしました。

実証と確認

MAX77976評価キットは基板上で機能ごとに分けられ整理されており、オシロスコープ用に十分なスペースとテストポイントが確保されています。マキシム社のハードウェアは、USB-Cコントローラーとバッテリーチャージャーの間でシームレスに電力を供給するようにセットアップされており、両デバイスは高い柔軟性を備えた強力な電力ソリューションです。

A First Look - Connecting USB cables to the board

ボードへのUSB接続

本キットの性能を評価するためには、まずバッテリーとUSBケーブルをボードに接続してテスト環境をセットアップする必要があります。USB-Cポートを電源アダプターに接続し、USB-Microをコンピューターに接続して、スイッチが右の位置にあることを確認します。その後、マキシム社提供するGUIを使って任意のパラメータをテストし、その結果をオシロスコープで測定します。

Connect to board to view the MAX77958 USB-C controller interrupts

ボードに接続し、MAX77958 USB-Cコントローラーの割り込みを確認

マキシム社のGUIを開きウインドウ上部のデバイスメニューから「接続(Connect)」をクリックすることで、簡単にキットに接続できます。接続に成功すると、まず「割り込み(Interrupts)」タブにUSB-Cポートで発生したイベントフラグのリストが表示されます。これらのイベントはタイプ別に分類されており、接続状態や、各割り込みの横にある円形のインジケーターで示されます。

Viewing the MAX77958 USB-C controller status tab

MAX77958 USB-Cコントローラーのステータスタブを確認

ステータスタブではこれらのイベントの状況を把握することができ、変更点についてより詳細方法をユーザーに伝えています。USB-Cポートにはウォールアダプターから電源が供給されているため、ポートがシンクモードで動作しており、入力電圧が4.5~5.5Vであることがわかります。また、コネクターの向き、データロール、検出された3000mAの電流容量なども正確に報告されています。

Viewing the MAX77976 charger interrupts and status flags

MAX77976の割り込みとステータスフラグの確認

バッテリーチャージャーの割り込みタブでは、USB-Cタブと非常に似ており、デバイスの割り込みとイベントフラグをはっきりと観察することができます。この時点ではまだボードに接続していないので、バッテリーインタラプトが点灯し、ステータスインジケーターはゼロになっています。これらのフラグはBATTPとBATTNの接続ポイントをバッテリー端子に接続すると消えます。

Evaluation board connected to the battery

バッテリーと評価ボードの接続

バッテリーを接続することで、ステータスフラグが更新されました。

Viewing the MAX77976 charger details tab

MAX77976充電器の詳細タブ

バッテリーが接続された状態で、「詳細(Details)」タブで新しいステータスコードを確認すると、ステータスが「OK」になっています。また、USB-Cポートからの供給電圧が有効で、バッテリーの充電を開始する準備ができていることも確認できます。ただし、充電器の詳細レジスタには充電器がオフと表示されているので、コンフィギュレーションレジスタを使って変更します。

Turning on the battery charger

バッテリーチャージャーの電源を入れる

Evaluation kit with oscilloscope probes attached

オシロスコープ用プローブを取りつける

Measure the MAX77958 USB-C and MAX77976 charger oscilloscope traces

MAX77958USB-CとMAX77976充電器のオシロスコープトレースを測定

最初の設定タブにはスマートパワーセレクターがあり、バッテリーチャージャーの動作を有効にしたり無効にしたりすることができます。このデバイスはUSB経由でバッテリーを充電している間は「降圧」コンバーターとして動作し、提供されているドロップダウンメニューを使用して充電器と一緒に有効にすることができます。その後、充電器が5VのUSB入力を適切な充電電圧出力に変換しています。

また、このデバイスを逆方向のブーストコンバーターとして構成することでバッテリーからUSBポートに電力を供給することもできます。

Viewing the MAX77976 third configuration tab

MAX77976の3番目のコンフィギュレーションタブ

必要に応じてラジオボタンを使ってコンバーターのスイッチング周波数を変更できます。また3つ目のコンフィギュレーションタブを使って降圧充電器と逆方向の昇圧コンバーターの電流制限を設定可能です。

Viewing the MAX77976 fourth configuration tab

MAX77976の4番目のコンフィギュレーシタブ

最後のコンフィギュレーションタブでは、機能有効時の逆方向の昇圧コンバーターを起動したときの目標電圧を設定することができます。これを行うには、最初のコンフィギュレーションタブのドロップダウンメニューを使用して、OTGモードで有効化する必要があります。その後、スライダーで目的の電圧を選択し、オシロスコープで出力を測定します。

Viewing the MAX77976 reverse boost output and battery input oscilloscope traces

MAX77976の逆方向の昇圧出力とバッテリー入力のオシロスコープのトレース

最後にバッテリーチャージャーが逆ブーストモードで動作している様子を確認します。このモードではシングルセルのリチウムバッテリーに蓄積された電力を、使用可能な電圧に変換します。この動作モードを利用して、USB-Cポートに直接電力を供給してアップストリームホストとして使用したり、1個のリチウムバッテリーを使って12Vの産業用または自動車用アプリケーションを実行したりすることができます。

まとめ

MAX77976評価キットはシングルセルリチウムイオンバッテリーの管理と、インテリジェントUSB Type-C電源供給の2機能を評価できる優れたプラットフォームです。双方向のデータと電力を供給する能力はマキシム社製ハードウェア製品群の性能と柔軟性を実証し、同時に感覚的なワークフローと専用のGUIによって設計プロセスを大幅に効率化(簡素化)できます。特にMAX77976は幅広いアプリケーションでその可能性を実証しており、IoT、再生可能エネルギー、自動車技術の分野での将来的な可能性を大いに期待できます。

A keen maker and electronic engineer with a passion for the environment, renewables, alternative transport and anything off-grid. Man with a van and founder of the Kickstart Kamper sustainable campervan project. Grassroots Education Sustainability Ambassador. BrightSpark 2017. BEng. KickstartKamper.co.uk