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車載ECUの熱環境がより苛酷に
従来、車載電装品のECUは温度条件が比較的穏やかな場所(車室内)にのみ設置されていました。しかし、内部システムの電動化やEV車の普及ともない、使用温度の厳しいエンジンルーム内やエンジンに直接搭載するようにもなってきています。さらに近年、モーターやインバータを一体化したモジュール(機電一体)も使われ始めています。このようにECUを発熱体(エンジン・モーター)の周辺に置くことは性能向上・コスト削減に役立つ一方、電子部品にとっては苛酷な環境になり、より耐熱性が求められています。
下記に車内設置場所における電子部品の耐熱温度要件を示します。
ECU設置箇所 | ||||
車室内 | エンジンルーム | エンジン直接搭載 | 機電一体 | |
上限温度 | 80℃ | 110℃ | 125℃ | 150℃ |
下限温度 | -30℃ | -30℃ | -40℃ | -40℃ |
高耐熱電子回路にお勧めのチップ抵抗器
ご紹介した車載用途など温度条件の厳しい用途では、車載品質基準AEC-Q200に対応したパナソニックの高耐熱チップ抵抗器(ERJHシリーズ)をお勧めします。
シリーズ | 高耐熱チップ抵抗器 | |||
品番 | ERJH2G ERJH2R ERJH2C |
ERJH3G ERJH3E |
ERJHP6 | ERJH3Q |
サイズ(mm) | 1005 | 1608 | 2012 | 1608 |
定格電力(W) | 0.1 | 0.125 | 0.5 | 0.25 |
抵抗値(Ω) | 1 to 300k | 1 to 300k | 1 to 300k | 1 to 9.76 |
抵抗値許容差(%) | ±0.5, ±1, ±5 | ±0.5, ±1, ±5 | ±0.5, ±1, ±5 | ±0.5, ±1, ±5 |
お勧めの理由
① 高い最高使用温度(175℃)
パナソニック独自の高耐熱材料により、従来は155℃までの最高使用温度を175℃まで拡大、図に示すような熱環境の厳しい車載ユニットの機電一体化・スマート化に貢献します。
② 高い定格使用温度(105℃)
抵抗器は流れる電気の量を制限することで、電子回路を適正に動作させる役割をもつ大切な部品です。その役割の上で抵抗器は電力を消費し熱に変えてしまいます。その熱により抵抗内部の温度は上昇しますが、周辺温度が高いと内部温度が高すぎて故障するため、決められた温度(定格使用温度)より高温では電力を下げる必要が有ります。
グラフは使用できる電力と周辺温度の関係を既存品と開発品で比較したものです。既存品では70℃以上では電力が低下していますが、開発品では105℃まで低下しません。同じ105℃において開発品は既存品の約2倍の電力で使うことが出来ます。また、この性能の余裕を活かして、電力を維持しながら小型の抵抗器にサイズダウンする事も出来ます。
③ 高い耐久性(-55℃⇔175℃熱衝撃試験 1000cycle 保証)
耐熱温度表に示した高温と低温の状態を行き来する際に基板やチップ抵抗器は膨張・収縮します。その比率は基板が約0.3%なのに対し、チップ抵抗器は約0.15%で収縮の比率が小さいです。その結果、温度変化時に比率の差によるはんだに応力が掛かり、それを繰り返すと亀裂(クラック)が生じ回路が断線してしまいます。
この問題をクリアする為、パナソニックは一般的な樹脂電極より柔らかい樹脂を採用したソフト端面電極によりハンダ応力を緩和することで、業界最⾼レベルの耐久性(-55℃⇔175℃熱衝撃試験 1000cycle 保証)を実現しました。
グラフは温度変化の繰り返しでオープン故障するまでの熱衝撃サイクル数(試験条件 : -55℃/+175℃ 1608サイズ)を開発品と一般品を比較したものです。開発品は一般品にくらべより多くのサイクル数まで故障しない事が分かります。
高耐熱チップ抵抗器(ERJHシリーズ)の詳細はこちらの動画をご覧ください。
いかがでしたでしょうか、皆さまの熱対策にお役に立てれば幸いです。
パナソニックの高熱対応チップ抵抗製品をRSで探す場合はこちら。
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