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「みんなのラズパイコンテスト」はRaspberry Piを利用して電子工作やアプリケーションなどを作成してもらうコンテストだ。5回目の開催となる「みんなのラズパイコンテスト2018」でアールエスコンポーネンツは、応募するアイデアに取り入れてもらうという条件でDigilent Pmodを無償提供していた。本記事では、Pmodを利用した方のアイデアの一部を紹介していく。
Digilent社は2000年に設立された電子部品を主力とした世界的なメーカーであり、現在では2000を超える製品を70か国以上で販売している。
またPmodシリーズ(もしくはPmodモジュールシリーズ)はDigilent社によって開発された拡張モジュールであり、Digilent社の代表的な製品の一つだ。Arduinoなどに必要なモジュールを直接接続することができ、半田付けや、ブレッドボードを利用することなくプロトタイピングできる優れものである。また2年前にはRaspberry PiでもこのPmodモジュールが利用できるDesignSpark Pmod HATの販売が開始され、より利用しやすくなった。Pmod HATについての紹介はこちらの記事を参照してもらいたい。
みんなのラズパイコンテスト2018では、アールエスコンポーネンツがDesignSpark Pmod HATと希望の拡張モジュールを1~2個無償提供していた。本記事では、このPmodシリーズを利用して頂いたアイデアの一部を紹介する。
アイデア1 「簡単片手コントローラー」
本作品は、Pmod HAT、モジュールにPmod JSTK2(ジョイスティック)を利用して、片手で利用できるコントローラーだ。
片手で操作できるのはもちろん、Raspberry Piと接続しているので、無線経由でのコマンド送信を利用してIoTデバイスを操作するなど、多様な用途が可能だろう。今回は実装などで目標の完成に到達できなかったとのことだが、更なる発展が期待されるアイデアである。
アイデア2 「非接触式身長計」 moruxa さん
moruxa さんの作品は、Sense HATとPmod MAXSONAR(超音波距離計測センサ)を利用した非接触の身長計だ。
地面との距離を基準点として、その差分の距離を計測することで実際の身長を算出することができる。また、Sense HATのLEDマトリクスでその場で距離を表示することができるため非常に便利だ。ただし公開されているライブラリではインチ単位での計測しかできないのが少し難点だったようである。
アイデア3 「ダンゴムシの定点観測IoT」 濱本 遙香 さん
濱本 遙香 さんの作品は、カメラモジュールとPmod HYGRO(温度/湿度センサ)を利用したダンゴムシの定点観測キットだ。
ダンゴムシの抗菌作用について調査しており、その調査を一部自動化させ、分析に役立てることが目標とのこと。本作品はPmodシリーズの利点を最大限に利用しており、今後の研究も非常に期待される。
アイデア4 「しゃべる!気温ナビ♪」
本作品は、Pmod HYGRO(温度/湿度センサ)と各種スピーカー、超音波センサを利用して、人を検知すると気温と湿度をしゃべってくれるシステムだ。
人が目の前を通ると自動的に気温と湿度について話してくれるため、忙しいときなどには活躍するだろう。またケースは3Dプリンタで自作しており、見た目についてもとても完成度が高い。人検知+何かをしゃべる仕組みは、湿度や気温以外に用途は無限なため、様々なアイデアへの応用が期待される。
アイデア5 「マジックミニッツ 自動議事録作成機」 ktrips さん
ktrips さんの作品は、Raspberry Pi用ReSpeakerとPmod OLEDrgbで、自動で会議などの議事録を会話から作成してくれるマジックミニッツというデバイスだ。
Alexaのような位置を推定できるスピーカー兼マイクであるReSpeakerを利用して議事録の作成を行い、OLEDegbで認識した会話を表示してくれる。ここの会話ではGoogle Asistantを利用しており、必要な操作をデバイスとのコミュニケーションで行うことができるようになっており、最終的に議事録をメールで送付、必要に応じて翻訳まで行ってくれるという。Pmod OLEDのみではなく、その他のPmodシリーズも併用することで、さらに別の用途でも活躍も可能となるかもしれない。
アイデア6 「首振りコントロール扇風機」
本作品は、Pmod JSTK2(ジョイスティック)を利用した扇風機の首ふりコントローラーだ。
実際に作品の実装までは間に合わなかったようだが、扇風機を自在に制御したいというニーズは多いように思うので、完成品も非常に気になるところだ。今回JSTK2を利用して、写真では直接接続しているが、Raspberry Pi2台を利用するなど、遠隔コントロールも可能だろう。巨大扇風機など、遠隔にある機器の操作のサポートが実現できそうだ。
まとめ
みんなのラズパイコンテスト2018における、アールエスコンポーネンツの無償提供品であるPmodを利用した応募したアイデア6つを紹介した。
Pmodモジュールは非常に簡単に機能を追加でき、いままで実機での実装などプロトタイピングが難しいと感じでいたユーザーにも比較的安心して取り扱うことができる点が魅力である。投稿されたアイデアはどれも非常に興味深く、Raspberry Piの可能性が毎年広がっているように感じる。