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検温機能付きアルコールディスペンサー

1. 概要

コロナ禍で需要が高まっている「アルコール消毒」と「検温」を非接触で同時にできるディスペンサーを開発した。ディスペンサーの前に手をかざすと、検温結果をAndroid画面に表示するとともに、アルコールが自動で噴射される。この時、手をかざし続ける限りアルコールが自動噴射され続けるので、自分の好きな量のアルコールを受け取ることができる。

2. 開発背景

近年は新型コロナウイルスの影響で、どこへ行くにしてもアルコール消毒と検温が必須となっている。そんな中で、この作業に億劫さを感じたり、みんなが触れるアルコール消毒の容器に触れることに抵抗を感じたりする人は少なくないだろう。また、手の大きさや肌の敏感さの事情からアルコール消毒の量を自分自身で調節したい人もいるだろう。そこで、私たちは検温と消毒を同時に非接触で行なうことができるシステムを開発しようと考えた。

3. 設計

以下の図の通りに、アルコール消毒を霧吹きから噴射するという動作を中心に設計した。霧吹きの横に超音波距離センサーを設置し、手が一定距離以上に近づいたところで体温の計測とアルコール消毒の噴射を実行する。このとき、霧吹きの可動部分とサーボモーターを輪ゴムと針金で結びつけることで、モーターの動きと霧吹きの動きの連動を実現した。

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4. 実装

4.1 距離センサーによる手の検知

TrigからEchoに帰ってくる超音波を計測することで距離を換算している。具体的な計算方法は以下の通りである。

  1. TrigをHIGHにすることで計測開始
  2. 音波が対象物に当たって跳ね返ってくるまでEchoがHIGHになる
  3. Echoに跳ね返ってきたらLOWに切り替わる
  4.  HIGHだった時間と音速を掛け合わせて往復の距離を求める
  5. 往復の距離を2で割ることで片道の距離が求まる

0.5秒に1回、1~5を繰り返すことでセンサーと手の距離を計算し、この距離が一定値以下になった場合に検温とアルコール消毒噴射の動作を実行するように実装した。

4.2 温度センサー

距離センサーで条件を満たすと温度を計測するように実装した。この時、温度を測定する部分と少し距離があり、表示される温度は実際の体温より5度ほど低くなるため、補正計算を行う処理を入れることで、できるだけ実際の体温に近い値を出力するようにした。

4.3 サーボモーターによるアルコール噴射

サーボモーターを霧吹きに取り付けて、距離センサーが条件を満たすと、モーターを回転させて霧吹きのトグルを引くように実装した。ここで、受け取るアルコール量を調整できるように、距離センサーが条件を満たす限り、噴射の動作を繰り返すようにした。

4.4 Androidアプリで体温表示

まず、PHPで温度センサーの出力をWeb上に表示するようにし、次に、AsyncTaskクラスでWebにアクセスすることで、この出力値を受け取れるようにした。最後に、HTTP GETでWebに表示されている温度を、Androidアプリに表示するように実装した。

5. 使い方

手を噴射口に近づける
一定の距離より近くなると、手首から温度を測定し、アルコールが噴射される(一定の距離より近い限り、噴射は繰り返される)
測定した温度は、連動するアプリケーションに表示される

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手を近づけると、検温し、アルコールが噴射する

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検温の結果がアプリに表示される

 

6. 今度の展望

今回開発したディスペンサーを用いれば、検温とアルコール消毒を効率よく行うことができ、お店などでもスムーズな入店を促すことができる。さらに、誰でも好みの量のアルコールを受け取ることができ、小さい子供や敏感肌の方でも抵抗なく消毒することができる。また、現在はリアルタイムでの温度表示機能のみが備わっているが、今後の展望として、測定時間と体温をデータベースに保存し、アプリケーション上で見返すことができるようにすることで、健康管理や濃厚接触者の管理に役立つのではないかと考えている。

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