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スマートファクトリー用のSPEコネクタの設定

シングルペアイーサネット(SPE)規格の登場により、これに対応する新しいコネクタがリリースされています。 前の記事で説明したように、SPEは、スマートファクトリーのすべての領域にイーサネットを導入することができる新しいネットワークシステムです。これにより、工場設備の駆動ユニットや機構の稼働状況をセンシングするセンサ端末に接続できるよう、十分に小型化したコネクタが必要になりました。当然、堅牢、信頼性、取付けの容易性も同時に求められます。

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コネクタの設計は、多くの場合、技術革命よりも進化に近いプロセスです。現在市販されている多くの製品は、何年も同じような形であり、当初の設計目的に合った役割で使用されていない製品もあります。新型のコネクタが導入されるのを見ることもまれです。

このような新しいコネクタを導入することで、設計者が新たな基準をどのように創出しているかを垣間見ることができます。これらの基準は、特に、産業分野で一般的になる可能性が高いものです。課題を把握することで、設計プロセスを明確に理解できます。

なじみやすさ

新しいコネクタを市場に導入したいと考えているメーカーが直面している課題の1つは、なじみやすさです。電子機器と同じくらい変化の激しい業界でも、設計者は多くの場合、実証済みの信頼できるソリューションから新しいソリューションに移行することに不安を感じます。これは、コネクタの選択についても当てはまります。

コンピュータネットワーク用コネクタには、長年にわたり、「RJ-45*」と呼ばれる透明な樹脂製8極モジュラコネクタが使用されてきました。モジュラコネクタは、建築における屋内配線としてよく使用されており、広く知られている信頼できるソリューションです。これはオフィスビルでも産業環境でも変わりません。

スマートファクトリーのエンタープライズ層と制御層は、ネットワーク接続されたコンピュータに依存しています。SPEコネクタを使用することで、世界中のオフィスや工場に設置されているモジュラコネクタを置き換えることができます。

工場内を見ると、SPEコネクタの役割が明確になります。工場フロアには、機器をネットワークに統合するために使用するさまざまなソリューションがありますが、それらは多くの場合、機器自体の製造元によって決定されます。これにより、各デバイスの接続に、さまざまなツール、コンポーネント、トレーニングが必要になり、設置担当者と保守担当者の負担も増加します。

SPE規格の主な目標の1つは、このような異種環境を解消し、工場フロアの接続を簡素化することです。コネクタ類の標準化により、設置担当者と保守担当者は必要な機器やトレーニングを減らすことができます。接続デバイスに関係なく、コネクタの終端処理や修理も簡単になり、すぐになじむことができます。 さらに、標準化されたコネクタを使用することで、ネットワークに新しいデバイスを追加する作業が簡単になり、設置コストとダウンタイムも削減されます。 標準化されたコネクタによるなじみやすさは、大きな経済的メリットをもたらします。

信頼性

コネクタの設計者は、製品が機能する条件を詳細に理解している必要があります。工場フロアは、快適なオフィスの環境とは違い、厳しい苛酷な環境になる場合があり、衝撃、振動、化学物質、高圧洗浄など、様々な状況に機器がさらされる可能性があります。このような条件下でも、コネクタが確実に動作するように保護する必要があります。

このような過酷な環境に対応する産業用ネットワーク用コネクタとして、M8及びM12ファミリの丸形コネクタが一般的です。スリムで堅牢なこれらのコネクタは、産業制御の用途に長年使用されてきました。また、最大IP67の保護等級により、水の飛沫や噴霧に耐性があり、浸水も防ぐことができます。

このような既存のソリューションとどうとう、SPEでは同様の性能を備えたコネクタを提供することが求められています。2極SPEコネクタの場合、標準インターフェイスはM8又はM12の本体に収まるほど小型です。これにより、SPEコネクタは過酷な条件下でも同様の保護を提供できます。

SPE規格に既存のコネクタ形式を導入することで、このような新しいソリューションを設計者が簡単に導入できるようになりました。設置担当者は、使い慣れた技術を快適に使用できるだけでなく、既存のコネクタサイズを使用することで、既存のパネルを再利用できるようになり、導入の妨げとなることもなくなります。

 

T1コネクタの概要

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HARTINGのT1コネクタは、産業用途に最適なSPEコネクタです。  HARTINGでは、工場フロアの厳しい環境に対応したコネクタの開発で70年以上の経験があり、その他の産業用途にも対応しています。  さらに、HAN角型シリーズなどの業界トップのコネクタの開発経験を活かし、産業界のユーザーのニーズも理解してきました。これにより、HARTING T1コネクタは現在、産業環境での使用がIEC-63171-6規格で承認されている唯一のシングルペアイーサネットコネクタです。

HARTING T1は、最初から専用のシングルペアネットワーキングケーブルを使用するように設計された2極コネクタです。T1コネクタは小型で、センサやドライブコントローラなどのコンパクトなデバイスに取り付けでき、工場フロアの厳しい環境でも十分な堅牢性を備えています。

センサからクラウドへの工場フロアの完全な接続が可能になるだけでなく、接続されたデバイスに電力を供給できるようなSPEコネクタも設計されています。T1コネクタでは、PoDL (Power over Data Line)技術を使用して50Wの電力を供給できるため、デバイスへのローカルな電力供給が不要になり、ケーブルと機器の要件が大幅に軽減されます。

このように、データと電力を1本の小径ケーブルにまとめることができるため、重量も大幅に節約できます。シングルペアイーサネットにより、産業用ロボットなど、すばやい移動や頻繁な移動が必要となる機器の軽量化も実現します。SPEは軽量ソリューションであるため、運転に必要なエネルギーが減り、重いシステムで発生するメンテナンスの負担も軽減できます。

軽量のT1コネクタの効果は、従来の工場環境の外で実感できます。前の記事で説明したように、SPEの機能は、鉄道業界のお客様から高く評価されており、重量の節約効果により、従来型のケーブルシステムと比較して、大幅な経済的メリットがもたらされます。

T1は、事業者が迅速に導入できるように設計されており、既存の終端技術を使用することで、前世代のコネクタを使用していた設置担当者もT1にすぐに慣れることができます。最も簡単な形態では、交換対象のすべてのコネクタよりも小型のIP20デバイスとしてT1を使用できますが、前述のように、標準の2極インターフェイスをM8とM12のコネクタハウジングで使用できるため、工具の取り換えや再設計を必要とせずに簡単に導入できます。

T1ファミリは、基板実装コネクタ(203-9051)、終端済みパッチリード(203-9057)、終端用に予め準備されたケーブル(203-9064)として、RSコンポーネンツから入手できます。

HARTINGは、産業用接続機器の大手メーカーです。IEC認証済みの唯一の産業用SPEコネクタであるT1ファミリにより、工場のネットワークにどのように変革をもたらすかご確認ください。

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