United Statesからアクセスのようです。言語設定をEnglishに切り替えますか?
Switch to English site
Skip to main content

知っておくべき11のInternet of Things (IoT) プロトコル

title

Internet of Things (IoT)に関するシステムや製品を開発するアプリケーションディベロッパやエレクトロニクスエンジニアにとって、接続方法にたくさんの選択肢が存在します。

WiFiやBluetooth、ZigBee、2G/3G/4Gといったセルラー通信などの多くの通信テクノロジが知られていますが、ホームオートメーションに向けてThreadのような、ここ最近登場した新たなネットワークもまた選択肢となってきています。さらにTV周波数のホワイトスペース活用技術が、主要な都市で、広範囲のIoT利用例として実際に使われ始めようとしています。アプリケーションによって異なる、通信範囲、データの要求、セキュリティ、電力需要やバッテリ寿命などの要素に合わせて、技術を融合させることが必要とされています。開発者が選択可能ないくつかの主要通信技術についてこれから紹介していきます。

Bluetooth

title短距離通信技術には、何といっても、コンピューティングやたくさんのコンシューマ製品市場で重要な地位を築いているBluetoothがあります。おそらく多くはスマートフォンを介してではありますが、IoTへと接続される、特にウェアラブル製品でカギとなる技術だと予想されています。新しいBluetooth Low-Enegy(BLE)あるいはそのブランド名であるBluetooth Smartは、IoTアプリケーションにおける重要なプロトコルです。著しく少ない電力消費となるように設計されながらも、Bluetoothと同じような通信範囲を持っているところは注目すべき点です。

しかし、Smart/BLEはファイル転送向けには設計されておらず、より小さなデータのかたまりを送受信するのに適しています。パーソナルなデバイスにおいては、スマートフォンやその他のモバイルデバイスが活用されることで、競合技術に対し、大きな利点が生じます。Bluetooth SIGによれば、Bluetoothの利用できるiOSやAndroid、Windowsベースを含む、90%を超えるスマートフォンが2018年までに"Smart Ready"となると考えられています。

Bluetooth Smartの機能を搭載したデバイスは、RFトランシーバ、ベースバンド、プロトコルスタックにおけるベーシックレートと低消費電力のコア仕様とともに、Bluetooth Core Specification Version 4.0(もしくはそれ以上のバージョン、最新は2014年終わりに発表された4.2)に対応しています。さらに、Internet Protocol Support Profileによりバージョン4.2では、Bluetooth Smartセンサを6LoWPAN接続(詳しくは下の項目を参照)を通じて直接インターネットにつなぐことができます。このIP接続は、Bluetooth Smartデバイスを管理するために既存のIPインフラストラクチャを活用できることを意味します。Bluetooth 4.2に関するさらなる情報はこちらから。また、RSから多数のBluetoothモジュールが販売されています

  • 標準規格: Bluetooth 4.2 core specification
  • 周波数: 2.4GHz (ISM)
  • 通信範囲: 50-150m (Smart/BLE)
  • データレート: 1Mbps (Smart/BLE)

Zigbee

title

ZigBeeは、もともとはおそらく工業的な場面で利用されてきましたが、今ではBluetoothのようにたくさんの機器で動作しています。 ZigBeeプロファイルの中でも、ZigBee PRO や ZigBee Remote Control (RF4CE)は、家やビルといった100m以内の限られた範囲における比較的低頻度で低データレートのデータ交換を目的とした、2.4GHz工業標準ワイヤレスネットワーク技術であるIEEE802.15.4プロトコルに基づいています。

ZigBee/RF4CEは、複雑なシステムでも低電力の動作と高いセキュリティ、堅牢性、ノード数に対して高いスケーラビリティを有するという利点があり、M2MやIoTのセンサネットワークやワイヤレスコントロールを活用するのに適しています。最新バージョンのZigBeeは、最近3.0が立ち上げられ、たくさんのZigBee無線標準規格が一つの標準規格へとまとめられました。ZigBee開発のための代表的な製品キットは、TIのCC2538SF53RTQT ZigBee System-On-Chip ICCC2538 ZigBee Development Kitです。

  • 標準規格: ZigBee 3.0 based on IEEE802.15.4
  • 周波数: 2.4GHz
  • 通信範囲: 10-100m
  • データレート: 250kbps

Z-Wave

titleZ-Waveは低電力RF通信技術で、当初は、照明コントローラやさまざまなセンサなどホームオートメーション製品向けに設計されたものです。最大100kbit/sの小さなデータパケット通信で、信頼性が高く、低レイテンシに最適化されており、1GHz以下の帯域で用いられるため、WiFiやBluetooth、ZigBeeなどその他の2.4GHz周辺の帯域をつかうその他のワイヤレス通信の影響も受けません。コーディネータノードの必要のないフルメッシュネットワークをサポートしており、最大232のデバイスをコントロールできる高いスケーラビリティを有しています。Z-Waveは他と比べてシンプルなプロトコルを利用しているので、より迅速な開発が可能になります。ただし、チップの供給元が、ZigBeeなど他の無線通信規格では複数あるのに対し、Sigma Designsに限られています。

  • 標準規格: Z-Wave Alliance ZAD12837 / ITU-T G.9959
  • 周波数: 900MHz (ISM)
  • 通信範囲: 30m
  • データレート: 9.6/40/100kbit/s 

6LowPAN

title重要なIP (Internet Protocol) ベースの技術として、6LowPAN (IPv6 Low-power wireless Personal Area Network) があります。BluetoothやZigBeeのようなIoTアプリケーションプロトコルというよりも、6LowPANはカプセル化やヘッダ圧縮の仕組みを規定するネットワークプロトコルです。標準規格には、周波数帯と物理層に自由があり、EthernetやWi-Fi、802.15.4、sub-1GHz ISMといった複数の通信プラットフォームとともに利用することができます。もっとも大きな特徴の一つにIPv6 (Internet Protocol version 6) スタックがありますが、これはIoTの実現に、ここ数年の中でも非常に重要な導入です。IPv6は、IPv4の後継規格であり、大まかに言って5 x 1028個のアドレスを地球上のすべての人に割り当てることができ、これは世界中の組み込み機器それぞれにユニークなIPアドレスを割り当て、インターネットに接続できることを意味します。特に、ホーム・ビルディングオートメーションでは、IPv6は高度な制御システムを実現し、低消費電力ワイヤレスネットワークを通じて高コスト効率でデバイスと通信する基本的なメカニズムになります。

IPv6パケットはIEEE802.15.4ベースのネットワークを通じてやりとりするよう設計され、TCPやUDP、HTTP、COAP、MQTT、WebSocketsを含むオープンなIP規格が実装されています。規格ではエンド・ツー・エンドにノードのアドレス指定可能となっており、ルータはネットワークをIPへ接続できるようにします。6LowPANは自己修復し頑健でスケーラブルなメッシュネットワークであり、ホストが長い時間スリープしていてもメッシュルータデバイスはデータを他のデバイスにルーティングできるようになっています。6LowPANに関するTIによる説明はこちらでご覧いただけます。

  • 標準規格: RFC6282
  • 周波数: (Bluetooth Smart (2.4GHz) やZigBee、low-power RF (sub-1GHz) などさまざまな他のネットワークを通して使われます)
  • 通信範囲: N/A
  • データレート: N/A

Thread

title

ホームオートメーション環境を目指す、とても新しいIPベースのIPv6ネットワークプロトコルがThreadです。6LowPANに基づいており、6LowPAN同様、BluetoothやZigBeeといったIoTアプリケーションプロトコルではありません。しかし、多くコンシューマデバイスに使われるWiFiですが、ホームオートメーションでの利用には制限がいくらかあるというアプリケーションからの視点で、第一にWiFiを補うものとして設計されました。

Threadは、2014年の中頃、Thread Groupにより立ち上げられ、IEEE802.15.4 (ワイヤレスインタフェースプロトコルとして)やIPv6、6LoWPANなどのさまざまな標準規格に基づくロイヤリティフリーのプロトコルで、IPベースのソリューションをIoTに提供します。 すでにFreescaleやSilicon Labsといったベンダから提供されているIEEE802.15.4ワイヤレスチップで動作するよう設計されています。ThreadはIEEE802.15.4無線トランシーバを利用したメッシュネットワークをサポートし、高度なレベルで認証・暗号化が施された250までのノードを扱うことができます。比較的簡単なソフトウェアの改良により、すでにあるIEEE802.15.4対応のデバイスで利用することができます。

  • 標準規格: Thread, IEEE802.15.4 と 6LowPAN に基づく
  • 周波数: 2.4GHz (ISM)
  • 通信範囲: N/A
  • データレート: N/A

WiFi

titleWiFiは、LANにおける住宅環境でのWiFIの普及を考えれば、多くの開発者にとって選択肢となるでしょう。幅広く既存のインフラストラクチャが存在し、高速な通信で膨大なデータを扱っているという明らかなこと以外はもう少し説明が必要でしょう。

最近、もっともビジネス現場や家庭でなじみのあるWiFiの標準規格は802.11nで、1秒間に何百Mbitものスループットを実現しています。これはファイル転送に適していますが、IoTのアプリケーションでは電力の使いすぎだといえるでしょう。WiFiベースのアプリケーション開発向けにデザインされたRF開発キットはRSで販売されています。

  • 標準規格: 802.11nに基づく (今日最もよく使われている)
  • 周波数: 2.4GHzと5GHz帯
  • 通信範囲: Approximately 50m
  • データレート: 最大 600 Mbpsですが、150-200Mbpsがより一般的です。これは、利用しているチャンネル周波数やアンテナ本数によっても異なります。(最新の802.11-ac規格では500Mbpsから1Gbpsが利用できます。) 

セルラー通信

title

どんなIoTアプリケーションでも長距離での通信が求められる場合はGSM/3G/4Gのセルラー通信が考えられるでしょう。セルラー通信、とくに4Gでは間違いなく大量のデータを送信する能力がありますが、その価格と消費電力は多くのアプリケーションにとって高すぎるでしょう。ただ、インターネットを通してとても少ないデータを送るような、センサを利用する低帯域のデータプロジェクトでは理想的かもしれません。この分野でのキーとなる製品は、オリジナル小型CELLv1.0ローコスト開発ボードや、Raspberry PiやArduinoに接続可能ないくつかのシールドボードなどSparqEEのさまざまな製品です。

  • 標準規格: GSM/GPRS/EDGE (2G), UMTS/HSPA (3G), LTE (4G)
  • 周波数: 900/1800/1900/2100MHz
  • 通信範囲: GSMでは最大35km、HSPAでは最大200km
  • データレート (ダウンロード時の代表値): 35-170kps (GPRS), 120-384kbps (EDGE), 384Kbps-2Mbps (UMTS), 600kbps-10Mbps (HSPA), 3-10Mbps (LTE) 

NFC

titleNFC (Near Field Communication) は、簡単で安全な双方向通信を電子機器間で可能にします。特にスマートフォンで、非接触の支払い取引に利用できたり、デジタルコンテンツにアクセスできたり、電子機器と接続できるようにしています。この規格により、非接触カードの可能性は広がり、4cm以下の距離でのデバイス間の情報の共有を可能にしています。さらに詳しい説明はこちら(英語)。

  • 標準規格: ISO/IEC 18000-3
  • 周波数: 13.56MHz (ISM)
  • 通信範囲: 10cm
  • データレート: 100–420kbps

Sigfox

title広域通信技術の代替となりうるのが、WiFiとセルラー通信の間にまたがるSigfoxです。これは、免許を取得することなく自由に利用できるISMバンドを利用し、狭帯域で通信を行います。Sigfoxは、小さなバッテリで動作したり、低速のデータ転送したりする、WiFiでは短すぎるが、セルラー通信では価格も消費電力も高すぎるような多くのM2Mアプリケーションに向けて考案されました。Sigfoxは、Ultra Narrow Band (UNB)と呼ばれる10から1000bits/secまでの低速データ転送に限定して設計された技術を使っています。これは、セルラー通信の5000マイクロワットに比べ、わずか50マイクロワットの消費電力です。また、2.5Ahのバッテリを使えば、スタンバイ時間がセルラー通信では0.2年であるのに対して、20年もあります。

すでに数万のデバイスに利用され、現在そのネットワークはイギリスの10都市を含むヨーロッパの主要な都市に展開されようとしています。ネットワークは頑健で、高効率、スケーラブルであり、数平方キロにまたがる何百万のバッテリ駆動のデバイスと通信することができます。これが、スマートメータや患者モニタ、セキュリティデバイス、街灯、環境センサなどを含むさまざまな種類のM2Mアプリケーションに活用されることが期待されています。Sigfoxには、業界屈指のパフォーマンスとsub-1GHz で動作するワイヤレスネットワークで拡張された帯域と超低消費電力で動作するSilicon LabsのEZRadioPro wireless transceiverといった製品に利用されているチップが使われています。

  • 標準規格: Sigfox
  • 周波数: 900MHz
  • 通信範囲: 30-50km (都市部以外), 3-10km (都市部)
  • データレート: 10-1000bps 

Neul 

titleSigfoxと同様のコンセプトで、sub-1GHz帯で運用されているNeulは、とても小さなTV White Spaceの帯域を利用して、高いスケーラビリティで広い受信エリア、低消費電力、ローコスト無線通信ネットワークを実現する。システムはIceniチップにより、TVのアナログからデジタルへの移行によって現在生じたホワイトスペースを活用し高品質なUHFスペクトルにアクセスし通信を行います。ここでWeightlessと呼ばれる通信技術は、今あるGPRSや3G、CDMA、LTE WANによるソリューションに大きく競合するIoTとして設計された新しい広域ワイヤレスネットワーク技術です。データレートは数bpsから100kbpsまで同じ一つのリンクで賄い、デバイスは10から15年もつといえる、単三乾電池から20から30uA以下の消費電力です。

  • 標準規格: Neul
  • 周波数: 900MHz (ISM), 458MHz (UK), 470-790MHz (ホワイトスペース)
  • 通信範囲: 10km
  • データレート: 数bps から 100kbps まで

LoRaWAN

titleさらにSigfoxやNeulにいくつかの点で類似しているのがLoRaWANであり、 Wide Area Network(WAN)アプリケーションを ターゲットとし、IoTにおけるセキュアなローコストモバイル双方向通信やM2M、スマートシティ、産業アプリケーションなどをサポートするのに必要な機能を備えた低消費電力のWANを提供できるよう設計されています。低消費電力に最適化されており、0.3kbpsから50kbpsのデータレートで数百万ものデバイスとつながった大きなネットワークをサポートします。

  • 標準規格: LoRaWAN
  • 周波数: 様々
  • 通信範囲: 2-5km (都市部), 15km (郊外)
  • データレート: 0.3-50 kbps.

Internet of Thingsに関するさらなる情報はこちら→ IOT テクノロジーハブ

 

DesignSparkの日本語サイト公式アカウントです。DesignSparkシリーズのソフト、PCB Part library、技術記事などサイト上の全サービスの管理を行っています。
DesignSpark Electrical Logolinkedin