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キャンピングカー用のオフグリッドソーラーシステムを構築しよう! - Part2

前回もお話ししましたが、私はずっと前からキャンピングカーが欲しいと思っていました。オフグリッドな生活や、気が散ることなく自分のエンジニアリングに集中できる生活には魅力があります。私にとっては執筆、エンジニアリング及びサステナビリティの愛着がキャンピングカーへの関心を高め、加えてパンデミックと気候変動の影響によってその関心がさらに加速しました。少し前、中古のバンが欲しくなったので買いました。これはキャンピングカーの”魅力を形にしたかったのと、この時代に多彩なテクノロジーを使い、個人がどこまで挑戦できるかを探りたくなったからです。また、ロックダウンや在宅勤務は私たちに新しい経済の方向性を示してくれました。この変化を受け入れ、活動するのにこれほど良い時期はありませんでした。

前回(Part1)では簡単なソーラーシステムの構築を通して再生可能エネルギーの基本を探りました。また、完全なソーラーアレイを構築することを考え、基本的なコンポーネントを組み立てや単一パネルでの性能テスト・評価をしました。この記事ではソーラーシステムの組み立てが完了したことを受けて、システムを拡張して複数のパネルを配置し、移動する車両に搭載するために必要な考慮事項を探ります。

部品リスト

前回の部品リストよりも部品が増えていますが、これは後に説明する「機械的な考慮事項」を踏まえて固定に関する部品を追加しています。

  • ソーラーパネルx2
  • MPPTソーラーチャージコントローラー
  • MC4ケーブルアセンブリ
  • ディープサイクルレジャー(サブ)バッテリー
  • バッテリーターミナルケーブルアセンブリ
  • メインインバータ
  • ロープロファイルユニストラット(Unistrut)レール x2
  • M6チャンネルナット
  • M6ネジ
  • M6ワッシャー
  • M6ナット
  • 弾性シーラント(弾性シーリング材)
  • 3mmマイルドスチールアングル

電気的な考慮事項

ソーラーアレイ(太陽電池アレイ)とは、複数の太陽電池パネルを搭載したシステムのことで、まとまった電力を得られるようにしたものです。ソーラーアレイの構成には、複数の要素が互いに関係し合っています。このプロジェクトでは100Wのパネルを2枚接続しますが、接続方法や設置する条件によってどのように電力出力に影響するかが最初の考えるべき点になります。太陽光発電は他のコンセントから得られる電源などと比較すると、容易に直列にも並列にも接続できます。接続方法などの条件を変えれば、当然ながらチャージコントローラーに入力される電圧と電流のレベルに影響を及ぼします。

パネルを直列構成にすると公称電圧が18Vから36Vへと倍増し、直流電源としてはかなり使いやすい値になります。この構成では電流も適切なレベルに保たれるため、より細いワイヤーゲージを使用することができ、熱損失を抑え、効率を上げられます。しかし、容易にパネルの枚数を増やすと危険なので特定の電圧しきい値を越えた場合では並列構成が望ましいでしょう。アレイを公称電圧に制限することは感電死のリスクを軽減する良い方法ですが、チャージコントローラーや後続のコンポーネントはより高い電流に対応した定格が必要になります。

Charge controller connected to Solar Panels and Battery

このプロジェクトで使用するチャージコントローラー(MPPT方式)は定格100Vであり、36Vでは電圧は安全なしきい値内に収まるので今回は直列構成を採用します。パネルの接続は標準のMC4オス-メスコネクタで行うことが可能で、フールプルーフ(ミスが起こらない工夫)で容易に接続できます。

チャージコントローラーは12Vと24Vを自動的に検出すように設定されているので、ユニットのネジ端子でバッテリーを正確に接続することが重要です。バッテリー電圧を検出したら、次にオープンエンドMC4ケーブルを使用して同じようにアレイのプラスとマイナスも同様に接続します。

2枚のパネルアレイで得られた電圧と電流をチャージコントローラーのLCDスクリーンからモニターすることができます。曇り空でも42Vの安定した電圧が確認でき、英国の気象条件を考えると心強い限りです。一方でアレイの最大出力は200Wですが、実際には簡単に200Wを得ることは難しく、出力はバッテリーの容量と現在の充電状態に大きく依存していました。したがって、蓄電システムにもっと大きなバッテリーを使用すれば、アレイから生み出される電力をより有効に活用できるかもしれません(効率向上が期待)。

Output from array shown on charge controller screen

ソーラーアレイのテストを完了したので、次はキャンピングカーへのアレイの取り付けとそれに伴う機械的な要件について考えていきます。

機械的な考慮事項

ソーラーアレイは走行中の車の屋根に取り付けるためには、その取り付けに関連する機械的要件が非常に重要です。このプロジェクトで使用するキャンピングカーの最高速度は英国の制限速度と電気的要件により時速70マイルに制限しており、この速度でも壊れることのないようにソーラーシステムを十分に固定する必要があります。

ソーラーパネルの薄板アルミ構造ではこの圧力に耐えることができないため、走行中にパネルを固定するための上部構造を作る必要があります。そのために、屋根の長さに沿って一対のユニストラット(Unistrut)レールを取り付けて縦方向の強度を強めると同時に、外部機器のための信頼性の高い取り付けシステムを提供します(詳細下図)。

Unistrut rails fixed along the length of the roof

このユニストラットレールは強度を高めるために屋根の耐荷重シルの近くに取り付け、M6ねじとナットを使用して十分な固定力を確保できます。ここで(セルフ)タッピングねじを使わない点が重要です、タッピングねじは強風でもぎ取られる危険性があるため安全性の面で問題があるからです。今回はタッピングねじの代わりにワッシャーやバッキングプレートを使用して機械的負荷を屋根全体に分散し、均一な強度の領域を作り出しました。

また、穴を開けた後は侵食や錆から屋根を保護することも重要です。今回はその防止として弾性シーリング材を使用して固定箇所の周りに強力かつ柔軟なシールを作り、多様な気象条件でも屋根を保護できるようにしました。さらに、ロープロファイルユニストラットは亜鉛メッキ加工されているため腐食することなく、長期間にわたって美しい外観を保つことができます。

metal profile is important in providing the necessary lateral strength

屋根にレールを取り付け、2本の3mm軟鋼アングルを使ってキャンピングカーの天窓の後ろに新しいソーラーアレイをきれいに設置できました。ここでもM6ネジ、ナット、ワッシャーでパネルをアングルに固定し、M6チャンネルナットでソーラーアレイを屋根のレールに固定しました。この金属取り付け方式は走行中のアレイに必要な横方向の強度を与えるとともに、強い向かい風や悪天候による機械的なたわみを抑えることができます。

Solar panels fully installed

これでソーラーアレイの設置とソーラーシステムの構築が完成です!

次回は自然エネルギーの組み合わせ(複合再生可能エネルギー)と、持続可能なオフグリッドの生活環境における風力発電の応用についてご紹介します。

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A keen maker and electronic engineer with a passion for the environment, renewables, alternative transport and anything off-grid. Man with a van and founder of the Kickstart Kamper sustainable campervan project. Grassroots Education Sustainability Ambassador. BrightSpark 2017. BEng. KickstartKamper.co.uk
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